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「特定技能評価試験」ってどんなもの?

公開日:2019.05.31

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 2019年4月から、新たな在留資格「特定技能」の運用が開始されました。この特定技能の新設によって、外食業・宿泊業・介護業などの14分野で、外国人労働者がいわゆる”単純労働”をすることができるようになりました。
 在留資格新設の背景には、日本の圧倒的な人手不足があります。有効求人倍率は1970年代以来、44年ぶりの高さであり、全都道府県で1を超える高水準となっています。その一方、企業の人手不足感は、バブル期以来の水準とも言われています。このような、現在の日本の労働市場の中で、外国人労働者がキーパーソンとなることは疑いようがありません。実際、政府も今後5年間で、最大約34万人の外国人労働者の受入れを見込んでいます。

 

目次
●特定技能とは
●特定技能評価試験(技能水準を測る試験)
●特定技能1号:「介護」 特定技能評価試験の概要
●特定技能1号:「外食業」 特定技能評価試験の概要
●特定技能1号:「宿泊」 特定技能評価試験の概要
●国際交流基金日本語基礎テスト(日本語能力水準を測る試験)

 

●特定技能とは


 生産性向上や国内人材確保のための取り組みを行っても、なお人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、”単純労働”を行う外国人の就労が可能になります。特定技能には、1号と2号が定められています。各特色は以下のとおりです。

 特定技能1号・2号の対象となる外国人に、国籍の制限は原則ありません。また、「技術・人文知識・国際業務」とは異なり、学歴要件・職務経験も要求されません。
 しかしながら、その一方で、特定技能1号・2号では、技能水準の試験合格等が必要となります。また、特定技能1号に限っては、日本語能力水準も試験等で確認されます。
 技能水準は各分野の「特定技能評価試験」、日本語能力水準は「国際交流基金日本語基礎テスト」等によって測られることとなります。
 試験場所は、原則的に海外とされていますが、国内実施の準備も進んでいます。(一部試験は既に、日本国内で実施されています。)

 

 

●特定技能評価試験(技能水準を測る試験)

 特定技能1号の「介護」「外食業」「宿泊」について、2019年4月中に、特定技能評価試験が初めて行われました。今回は、上記3分野における特定技能評価試験の概要についてまとめます。
■特定技能1号「介護」「外食業」「宿泊」を取得するためには、それぞれ下記の試験に合格する必要があります。

■全分野共通の試験概要
 各特定技能評価試験の試験場所は原則海外とされていますが、国内実施の準備も進んでいます。一部試験は、既に日本国内で実施されています。日本国内で実施される試験は、受験できる者が限られています。対象者は下記の表のとおりです。

 

 

●特定技能1号:「介護」 特定技能評価試験の概要

【実施場所】
 国際交流基金日本語基礎テストを実施することとされた9国(ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル)のうち、実施環境等が整った国から順次実施します。現時点で、試験実施が決まっているのは、フィリピンのみです。フィリピンで、今後予定されているスケジュールは下記のとおりです。
     第1回 2019年4月13日~4月14日
     第2回 2019年5月25日~5月27日
     第3階 2019年6月15日~6月16日
     第4回 2019年6月22日~6月24日

※現在、フィリピン以外の国でも実施が調整されています。

 

【「介護技能評価試験」の学科試験のサンプル問題】

【「介護日本語評価試験」のサンプル問題】

参考:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702.html

 

●特定技能1号:「外食業」 特定技能評価試験の概要

 

【実施場所】
 2019年4月25日、東京と大阪にて、第1回目の試験が行われ、192人の外国人が臨みました。3月22日の試験募集開始日に、当初の定員338人がいっぱいとなったことからも、注目の高さが伺えます。現時点で、公表されている試験場所は国内のみです。(海外での実施は準備中)

 また、第2回外食業特定技能測定試験の日程と場所も既に発表されています。

試験日 2019年 6月24日(月) 札幌市、仙台市、岡山市
         6月27日(木) 東京都、名古屋市、大阪市
         6月28日(金) 東京都、名古屋市、福岡市

参照:一般社団法人外国人食品産業技能評価機構  https://otaff.or.jp/

 

【「外食業特定技能測定試験」の参考問題】

 

 

(一般社団法人日本フードサービス協会 外食業特定技能測定試験学習用テキスト参照)

参照:一般社団法人日本フードサービス協会  http://www.jfnet.or.jp/

 

●特定技能1号:「宿泊」 特定技能評価試験の概要

【実施場所】
 2019年4月14日、札幌仙台東京名古屋大阪広島福岡の7箇所にて、第1回目の試験が行われました。試験を執り行う一般社団法人宿泊業技能試験センターによると、第2回目の試験は、2019年10月頃の開催を予定しています。
 なお、第1回目の試験は、761人の外国人が申し込みをして、実際には391人が受験しました。受験者は、すでに日本でアルバイトとして働く留学生が多く、ベトナム・ミャンマー・ネパール出身者が大半を占めていたとのことです。合否発表は、2019年5月25日に行われ、280名が合格しました。

参照:一般社団法人宿泊業技能試験センター  https://caipt.or.jp/

 

●国際交流基金日本語基礎テスト(日本語能力水準を測る試験)

 国際交流基金が実施するテストです。テスト結果を、日本語能力の証明のために使用できます。

【実施場所】
現時点で、実施が決まっているのはフィリピンのみですが、それ以外の国での実施も調整されています。

 

参照:国際交流基金  https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/education/jft_basic/

 

 今回は、特定技能1号に該当する14分野のうち「介護」「外食業」「宿泊」の技能評価試験および国際交流基金日本語基礎テストの概要をまとめました。試験を実施する各団体では、国内・海外ともに試験場所を拡大するように準備が進められています。将来的に、試験を受けたいと希望する外国人にとって受験の機会が広がっていくでしょう。今後も、特定技能試験に関する情報を追ってお伝えしていきたいと思います。

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