「留学生の方で、卒業後に内定を得たが9月入社のため、留学ビザが途中で切れてしまう・・・。一度帰国しなければならないのでしょうか。」
上記のように、入社まで期間が空き、すぐさま就労ビザの申請ができない場合もあるかと思います。
このような場合を想定し、帰国せずとも日本で入社までの期間を過ごすことができる「特定活動(内定待機)」というビザが存在します。
今回は、「特定活動(内定待機)」ビザについて解説します。
「特定活動(内定待機)」とは。
外国人の場合、日本に滞在する間は、途切れなくなにかしらのビザ(在留資格)を有していなければなりません。
分かりやすい新卒社員(4月入社)の場合で説明すると、在学中の12月頃に就労ビザの申請を行い、3月末に新しい就労資格に切り替えることで、留学から就労と途切れなくビザを保有することができます。
しかしながら、必ずしも4月入社とならない場合もあるかと思います。
例えば、採用計画などの諸事情から9月や翌年4月入社のように、学校卒業から入社までに期間が空くこともあるでしょう。
就労ビザの申請できれば良いですが、やはり期間が空いてしまう以上は、就労ビザの申請はできません。
また、途中で留学ビザが切れてしまいますし、また、学校に在籍していないにもかかわらず留学ビザで滞在することはお勧めできませんから、留学ビザや就労ビザとは異なる他のビザを取る必要があります。
この時に取得できるビザが、「特定活動(内定待機)」です。
「特定活動(内定待機)」は名の通り、学校を卒業し、内定を得たものの入社までに期間が空いてしまうとき、つまり内定を待機している間のためのビザです。
同時に資格外活動許可(包括的)を取ることで、その期間中に週28時間内のアルバイトすることも可能となりますし、加えて個別の資格外活動許可を得れば、内定先企業での週28時間を超えたインターンシップなども可能です。
なお、入社時期が近づいたときには、改めて就労ビザの申請が必要です。
「特定活動(内定待機)」を取れる人とは
まず初めに、「特定活動(内定待機)」への変更申請ができる人は、留学ビザ、もしくは就職活動ビザ(特定活動(継続就職活動))を持っている人に限られます。
そのため、就労ビザを持っている転職活動での内定待機は対象外です。
また、内定待機期間にも決まりがあり、「内定後1年以内であって、かつ、卒業後1年6月以内に採用されること」が求められています。
つまり、内定待機期間が1年以上の長期にわたる場合や、入社日が卒業後1年6月を超える場合は、「特定活動(内定待機)」を取ることができません。
「特定活動(内定待機)」の取得の難易度
「特定活動(継続就職活動)」(就活ビザ)と一緒になって説明されることも多い「特定活動(内定待機)」ですが、実はその取得難易度は大きく異なります。
「特定活動(継続就職活動)」の場合は、学校の推薦状等を提出するなど外国人本人だけでも比較的許可を得られやすいですが、「特定活動(内定待機)」は、内定を得て入社することを前提に取得できるビザであることから、就労ビザと同様の審査が行われると考えてもいいでしょう。
つまり、就労ビザの許可が取れることを前提に、「特定活動(内定待機)」が許可されるため、「特定活動(内定待機)」の申請で提出する書類は、就労ビザで提出する書類と同等のものが要求されます。
そのほか、その内定期間中の日本での生活費等の支弁能力の説明などもあることから、手続きを外国人本人だけに任せるのではなく、雇用企業が介入し、手続きされることをお薦めします。