日本のパスポートは世界ランキング1位のため、他国へ観光するのに不自由を感じることはあまりないかもしれません。
しかし、観光や商談、家族を訪問するため海外を訪問するには、原則「短期滞在ビザ」を取得する必要があります。
今はコロナウイルスの影響により、入国のみならず短期滞在ビザの申請すらできませんが、来年のオリンピック等などに向けて日本に外国人を招待したいと思っている方はぜひチェックしておきましょう!
1|短期滞在ビザとは?3つの目的と審査機関
2|ビザなしで日本に入れる国68地域
3|ビザの申請手順は?
4|申請に必要な書類を解説
5|まとめ
1 短期滞在ビザとは?3つの目的と審査機関
短期滞在ビザとは、外国籍の方が商用や観光目的で日本に最大90日間滞在できる在留資格のことです。
大きく以下の3つの目的に分かれ、目的により申請に必要な書類が異なります。
①短期商用等
:会議出席,文化交流,自治体交流,スポーツ交流等、商用目的の業務連絡,商談,契約調印,アフターサービス,宣伝,市場調査等
②親族・知人訪問等
:招へい人の親族(原則として,配偶者,血族及び姻族3親等内の方)や 知人(友人を含む)を訪問する目的の申請
③観光
:観光を目的
短期滞在ビザの特徴は
- 上記いずれの場合においても,収入や報酬を伴う活動を 行うことは認められません。
- 短期滞在ビザを審査するのは、就労ビザなどの中長期ビザとは違い、入国管理局ではなく日本大使館が審査します。
- ただし90日以上滞在する場合は、入国管理局で在留期間更新の手続きを行う必要があります。
2 ビザなしで日本に入れる国68地域
短期滞在ビザは、日本とビザの相互免除取り決めを結んでいる68の国や地域(2020年7月の時点)の国籍を持つ方の場合は申請の必要がありません。(下図参照)
ビザ免除国リスト<https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/tanki/novisa.html#list>
ただし、国や地域によって最大在留可能期間が異なり、15日間から6か月と多岐にわたっています。
ビザなしで日本に短期訪問できる国は、日本と「査証免除協定」を結んでいる国で、観光客による経済的なプラス要因や、不法残留者の発生件数が多いなどマイナス要因などを総合的に判断して協定が結ばれています。
3 短期滞在ビザの申請手順は?
STEP1|必要書類を用意する(次項参照)
必要書類は、滞在目的によって異なります。
商用や親族訪問が目的の場合は、申請人本人だけでなく日本にいる招聘人の書類も必要になりますので、注意しましょう。
STEP2|申請人の国にある日本大使館または総領事館に書類を提出する
STEP3|審査期間は約1週間
国や地域によって異なります。
STEP4|結果通知
審査が終了したら日本大使館から連絡がきますので、査証を発給してもらいにいきましょう。
<査証が降りた場合>
査証発行手数料を払い、査証をパスポートに貼ってもらいます。
査証が発行されてから3か月以内に来日しましょう。
<不許可だった場合>
不許可通知をもらった場合、その後6ヶ月は原則再申請ができません。理由は、6か月程度経過しないとビザ申請に係る状況は改善されないと考えられるためです。ただし,場合によっては申請が受理されるケースもありますので、詳しくは日本大使館又は総領事館に相談しましょう。
4 短期滞在ビザ申請に必要な書類を解説
「短期滞在」ビザ申請のための提出基本類一は上の図の通りです。 (中国,ロシア・CIS諸国・ジョージア,フィリピン以外の国籍の方)
申請書類は
- 申請人の国・地域
- 来日目的
- 希望する来日可能回数(1次/Singleまたは数次/Multiple)
によって異なります。ここでは、商用や親族訪問が目的の場合の日本で用意する書類について説明します。
招聘理由書
- 宛名は申請先となる日本大使館/総領事館の公館長を記入してください。(例:在インド日本国大使殿)
- 入国目的については,本邦においてどのような活動を行おうとしているのかを詳細に記入してください。(「親族訪問」,「知人訪問」等の漠然とした記載ではなく,内容を具体的に記載する必要があります。)
- 招へい人の欄については,住所,氏名,電話番号を必ず明記し,氏名の後には企業の代表者印,個人の招聘の場合は個人印を押印します。
- 申請人の氏名はアルファベットで表記します。申請人が複数の場合は,別途「申請人名簿(下図)」を提出してください。
身元保証書
- 申請人(複数いる場合は代表者)と、招聘人の情報を記載します。
- 申請人が上陸する際に、上陸港の入国管理局の職員から身元保証人に確認の電話がかかってくる可能性もあります。
滞在予定表
来日している間のスケジュールを記載するにおいて、以下の点に注意しましょう。
- 到着日や帰国日、出入国時に利用する便名や(空)港名が決まっている場合には必ず記入するようにしましょう。
- 宿泊先の詳細(ホテルの場合は名称,所在地,電話番号)を記入しましょう。
- 同様の行動が連日続く場合には,年月日欄に「○年○月○日~○年○月○日」で表記しても問題ありません。
会社/団体概要説明書
商用目的で申請する場合は、法人登記簿謄本または会社・団体概要説明書が必要です。ただし、
- 招聘企業が上場企業の場合は、会社四季報の写しを提出します。
- 個人が招聘する場合は、在職証明書を提出します。
5 まとめ
今回は、短期滞在ビザの申請概要についてご説明しました。
本記事で説明した本人確認書類や補足資料は,国や渡航目的により異なりますので,事前にビザ申請人の居住地を管轄する日本大 使館/総領事館へ直接問い合わせるようにしましょう。
もし申請が難しい場合は、行政書士による書類作成の代行サービスもあります。相場はおよそ4万円程度です。一度不許可になるとその後6か月は再申請が困難なため、必要な方は行政書士に相談してみましょう。