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外国人と「業務委託契約」を結ぶ場合のビザは?

公開日:2020.05.24

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外国人材に活躍してもらう方法は、なにも雇用という形態に限りません。特に、フリーランスなどが一般的なIT業界では「業務委託契約」が多いのではないでしょうか。

今回は、業務委託契約で、外国人に活躍してもらう場合のビザの可否について解説します。

 

業務委託契約とは

業務委託契約とは、発注者(企業など)が、ある業務を受注者(個人など)に委託する契約です。

発注者と対等の立場にある受注者は、自己の裁量と責任の下、委託された業務を実施することができ、法律上は、「請負」や「委任」に該当します。

「請負」と「委任」の違いは、仕事の完成義務があるかどうかです。

「請負」の場合、請負人(受注者)が仕事の完成責任を負うため、その仕事の完成に対して報酬を支払う契約形態となります。一例を挙げるとHPやデザインの作成です。

一方「委任」の場合、仕事の完成義務を負いません。一例を挙げると、技術指導や、顧問契約などです。

 

外国人のビザ取得の要否について

では、外国人と業務委託契約を結び場合、ビザの取得をどうすればよいかですが、ここでは、いくつかの場面を想定して解説していきます。

 

外国人が海外在住のとき

リモートが一般となった今、海外に在住したまま、なにかしらの業務を発注することも可能かと思います。

このとき、外国人が海外に在住したままであれば、ビザの取得は必要ありません。ビザは、日本国内で活動する場合に取得が求められるからです。

この点、「月に1度来日して助言をもらう」、などであれば、ビザは、在留資格「短期滞在」を都度取得してもらうことになるでしょう。

 

外国人が日本在住のとき

外国人が日本に在住している場合、日本国内で活動することとなるため、ビザの取得が必要です。そのため、仕事を発注する側は、外国人のビザの取得状況を確認した上で、業務を依頼しましょう。

まず、その外国人が身分系のビザを持っているときは、あまり心配はありません。

身分系のビザとは、在留資格「永住者」、「永住者の配偶者等」、「日本人の配偶者等」、「定住者」を指し、これらのビザを持っている外国人は、日本人と同じように働くことが認められているため、日本人同様に業務を発注しても問題ありません。

次に、就労系のビザの場合です。

依頼する仕事内容の違いでビザに差異はありますが、最も多い就労系のビザである在留資格「技術・人文知識・国際業務」に絞って説明します。

 

「技術・人文知識・国際業務」での業務委託について

在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、一般的に雇用契約を想定したビザですが、業務委託契約でこのビザを取得することも可能です。言い換えると、このビザを持っている外国人へ業務を発注することもできます。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得には、「外国人の能力」、「仕事内容」、「外国人への報酬額」、「生計」の4つのポイントを押さえる必要があります。

 

①外国人の能力

外国人には、一定の学歴もしくは経歴が必要とされています。

一定の学歴もしくは経歴とは、原則、日本国内外の大学院・大学・短期大学、日本国内の専門学校を卒業していること、もしくはその仕事内容について10年以上(仕事に応じて3年以上の場合あり)の職務経歴があること、を言い、いずれかを満たすことが求められます。

なお、ITエンジニアの場合、これらの学歴・経歴を、国家資格の合格で代用することも可能です。

 

②仕事内容

発注する仕事の内容は、その外国人の学歴もしくは経歴に応じたものでなければなりません。

例えば、その外国人に対して”ソフトウェアの開発”を発注する場合、学校で関連したことを学んだ、10年の職務経歴があること、国家資格の合格のいずれかがビザ取得の要件となります。

 

③外国人への報酬額

報酬額は日本人と同等以上であることが必要です。

例えば、同じような業務委託契約を結んでいる日本人の方がいるようであれば、その方の業務委託報酬が目安となります。

 

④生計

雇用契約と異なり、収入の不安定さが目立ってしまいます。

収入が途絶えてしまえば、日本で生活することは困難ですし、そうならないように入管も外国人が安定的に日本で生活できるか、を審査します。

例えば、複数の会社と業務委託を結ぶなどが求めれれます。

 

最後に

一般的に、雇用契約に比べて業務委託でビザを取る場合は、審査の過程で多くの資料の提出が求められます。

それは、特定の企業で雇用されているのと訳が違い、収入や仕事内容に不安定さが発生するからです。

ビザ取得するときには、この点を踏まえて申請していただくことをお薦めします。

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投稿者について
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竹澤駿

2017年に行政書士登録と同時に、行政書士法人jinjerの立ち上げに参画し、現在に至る。 外国籍の方の就労ビザの取得支援に特化し、サービス業を中心に一部上場企業から中小企業までの幅広い顧客を持つ。年間約300件の申請を手がけ、昨今は法改正のあった「特定技能」へも対応し、人材会社の新規事業の立ち上げ支援も実施。