昨今は外国人雇用が増加傾向にあり、新卒市場においても、日本の大学に留学している外国人留学生に内定を出し、来年4月1日の入社を待っているという会社も珍しくはなくなりました。
そのような企業様は、「ビザ」切替の問題に是非ご留意ください。
ビザの切替
外国人留学生は、「留学」のビザで来日しています。「留学」のビザのままでは、資格外活動の許可を得てアルバイトを行うのは別として、会社で働くことは原則として不可能です。そもそも、大学を卒業した時点で、留学ビザは失効しますので、日本国に滞在すること自体が不法となってしまいます。
ですから、「技術・人文知識・国際業務」「医療」「技能」といった、いわゆる就労ビザへの切替を行った上で、内定をもらった会社へ入社をするという流れになるのです。
切替のタイミング
就労ビザへの切替には、手続に数週間から2,3ヶ月がかかると言われています。人によってかなり幅があるようですが、いずれにしても、1日2日で終わる手続ではないということです。
ですから、入社日直前になって、慌てて就労ビザへの切替申請を行っても、入社日に間に合わないことになってしまいます。そうしますと、本人で調整をして入社日を後ろ倒しにするか、最悪は内定を取消すかどうかというトラブルにも発展しかねません。
この点、4月1日入社予定の内定者に対しては、入管によって異なりますが、前年12月ないし、当年1月から就労ビザへの切替申請の受付を開始しています(東京入管は前年12月から)。
内定通知書や雇用契約書などを準備して、本人が切替申請を早めにしておけば、3月に卒業証書を追加資料として提出することで、就労ビザへの切替がスムーズに完了し、4月1日の入社日に、就労ビザへの切替を間に合わせることができます。
まとめ
もし、就労ビザを取得しないまま入社をしてしまったら、不法就労となり、本人だけでなく、会社も罰則を受ける恐れがあります。
内定を得ている留学生の方もその点を認識して、就労ビザへの切替申請に動いていると思います。しかし、企業側の担当者の方も、本人任せにせず、入社日直前の混乱を避けるため、自社の内定者の方が就労ビザへの切替の動きをとっているか、確認のために声掛けをしておくと良いと思います。