最近、外国人をはじめて雇用したという事業主の方から「どこかの役所に、何か届出をすることが必要ですか?」という質問を受ける機会が増えました。
そこで、本稿で、外国人を雇用したときの届出のルールについて解説をしたいと思います。
雇用保険の加入対象者の場合
新たに雇用した外国人が週20時間以上の勤務で、雇用保険に加入する場合には、別段の届出は不要です。
雇用保険の資格取得の申請書式に、外国人の場合は国籍や在留資格、在留期間などを記入する欄がありますので、雇用保険の資格取得届を提出すれば、自動的に外国人の届出が完了しているということです。
当該外国人が退職する場合に関しても、雇用保険の資格喪失届を提出すれば、必要な届出を行ったことになります。
雇用保険の加入対象者ではない場合
新たに雇用した外国人が週20時間未満の勤務であったり、あるいは留学生であったりという事情で、雇用保険の加入対象外となる場合は、別段の届出が必要になります。
別段の届出を具体的に申し上げますと、「外国人雇用状況届出書」という書式を事業所を管轄するハローワークに提出することになります。
同様に、当該外国人が離職をした場合も、「外国人雇用状況届出書」をハローワーク提出する必要があります。なお、「外国人雇用状況届出書」は入社時・退職時兼用の書式となっています。
「外国人雇用状況届出書」の提出期限は、入社時は入社日が属する月の翌月末、退職時は退職日が属する月の翌月末となっています。
この「外国人雇用状況届出書」の提出を忘れていた場合には、30万円以下の罰金が課されるというペナルティーもありますのでご注意ください。
社会保険加入対象者は「ローマ字」の登録も忘れずに
週30時間以上勤務する外国人は、原則として社会保険への加入も必要となります。加入手続自体は、日本人の場合と同じなのですが、「厚生年金保険被保険者 ローマ字氏名届」という書式を添付する必要があります。
これは、カタカナにすると標記がブレたり、同一人物性を特定できなくなったりすることを防ぐため、外国人の場合はアルファベットを登録することが必要とされているのです。登録するアルファベットは、在留カードや住民票に合わせる形にします。
まとめ
外国人を雇用した場合の届出は、以上のようになっています。雇用保険に加入をしない外国人の届出(外国人雇用状況届出書)が、実務上は忘れがちになってしまうことが多いようですので、充分にご注意ください。