「申請してからどれぐらいで許可が下りますか」
お客様から最初によく訊かれる質問です。
企業様にとっては、大事な「戦力」となる外国人にいつから働いてもらえるかは最大の関心事でしょうし、外国人にとっても、いつから日本に行けるのかによって生活設計が変わることも大いにあり得ます。
ただ残念ながら、上記の質問に対して、専門家としては「○日(○ヶ月)で許可が出ます」と断言することはできない、というのが率直なところです。
私たち行政書士法人jinjerは既に数百件の外国人就労をお手伝いさせていただいておりますが、審査結果が出るまでの期間は本当に様々です。あくまで一例ですが、申請後10日程度で許可が下りた(在留資格認定証明書が発行された)こともあれば、申請から3ヶ月、追加書類の提出要請もないままに、不許可(正確には「不交付」)処分通知が届いたこともあります。
もっとも、数多くの申請に携わっていることで、審査のスピードを早める要素や、逆に審査のスピードが遅くなってしまう要素はあるのではないかという「推測」は成り立ちます。そこで本稿では、その推測について少し書きたいと思います。
※前提として、本稿は、①日本での在留資格を持たない外国人の方の②雇用を希望する企業様が③「技術・人文・国際業務」という在留資格の取得のために④入国管理局に「在留資格認定証明書交付申請」をするケースについての記述です。
【審査のスピードを早めると推測される要素】
- 雇入れ企業様が上場企業またはそれに準ずる規模であること
- 外国人の方のスキルや経歴と就業希望業種との一致があること
- 外国人の方の日本語レベルを証明する書面を提出すること
- (業界や業種によっては)詳細で客観的なデータを提出すること
- 論理的かつ説得的な雇用理由書を提出すること
【審査のスピードが遅くなってしまうと推測される要素】
- 管轄の入国管理局の審査が混雑していること
- 提出書類に不備や不足があること
- 単純業務の従事を疑われる申請であること
- 外国人の方が退去強制または出国命令の処分を受けた経験があること
- 外国人の方が技能実習生として入国した経験があること
それぞれの要素についての解説は別稿で述べたいと思いますが、「審査期間の目安として、どうして具体的な数値を示してほしい」というご要望をいただいた場合には、「不備不足のない書類を提出して2ヶ月前後はみておいて下さい」とご案内することが多いということを申し添えておきます。