外国人労働者が長く働く会社とは|ビザサプリジャーナル

  1. ビザサプリジャーナル TOP
  2. 外国人労働者が長く働く会社とは

外国人労働者が長く働く会社とは

公開日:2022.10.13

̃Gg[͂ĂȃubN}[Nɒlj

外国人労働者人口の動向

現在の日本における外国人労働者数は約173万人であり過去最高を更新しました。
新型コロナウイルスの影響もあり、対前年増加率は0.2%程に留まるものの水際対策の緩和により更なる増加が見込まれます。

外国人労働者の離職理由

今後活発化するとみられる企業の外国人労働者の雇用において、懸念点のひとつとして外国人労働者の早期離職があげられるでしょう。
離職理由としてどういったものがあるか見ていきましょう。

・職場の人間関係に関する不満
先輩後輩といった縦の繋がりや、新卒一括採用からできる横の繋がりなど日本独特の関係性は外国人には馴染みのないものです。これらの関係性が仕事をする上で影響する企業では特に外国人労働者が孤立していると感じる可能性が高いでしょう。

・業務内容のミスマッチ
専門的な知識や技術を身に着けそれを活かせる職種を希望していた外国人労働者が、想定していた業務内容ではなく、補佐的な立場であった等ギャップを感じ、自身のスキルを発揮できないと感じることがあります。採用の段階で日本での働き方がイメージしにくい場合もある為しっかりコミュニケーションをとり、労働者側と企業側のイメージをすり合わせることが重要です。

・労働時間や休日への不満
残業や休日出勤が当たり前であったり有給休暇を取りづらいと、外国では残業をする企業があまりないことや、残業している人は仕事ができない人と見られることもある為離職へと繋がりやすいです。
また業務後の飲み会やイベントに参加必須といった場合外国人労働者からみると残業を命じられていると思う可能性があります。

外国人労働者が長く定着する会社とは

上記の離職理由のうち「職場の人間関係に関する不満」「業務内容のミスマッチ」の二つはコミュニケーション不足に起因していると考えられます。
日本では、グローバル企業であっても完全に日本語でのコミュニケーションが求められることが多々あります。しかし日本人と同等に日本語を使える外国人労働者は少数であり、負担に感じている可能性も高いです。やさしい日本語や英語を使ったコミュニケーションも取り入れることや、管理部門に外国人労働者の使う言語を使うことのできるメンターを置くなどサポート体制を整える取り組みが必要です。
「労働時間や休日への不満」については、残業や休日出勤に対する考え方の違いを理解し受け入れることや、必要なことならば、どうして必要なのかを外国人労働者に対し丁寧に説明し、外国人労働者の考えや意見に耳を傾けて互いに歩み寄ることも大切です。

外国人労働者定着のための取り組み事例

事例1
新入社員である外国人社員と同期入社の日本人社員とでペアを組ませ、分からないことや不自由なことがあれば日本人社員がフォローする制度。
特に座学研修の際、外国人社員が理解できないことがあれば、ペアを組んだ日本人社員が分かりやすく説明し外国人社員が研修内容を理解できる環境を作っています。ペアの役割は研修期間で終わるのですが、研修期間後も一緒に食事に行くなど交流は続いているようです。
こちらの制度が日本で働くことへの不安の払拭に繋がり、制度を取り入れてからの離職者が0人になりました。
また日本人社員の異文化への理解が高まり、グローバルなチーム力が向上したとのことです。

事例2
募集・採用の段階から専門部署への配置を明確化し、「自己申告カード」により配置・異動の希望に配慮する取り組み。
外国人社員は、募集・採用の段階から専門的な部署への配属を希望することや、採用後も配属希望を自身の専門性と結びつけて積極的にアピールすることから自身の専門性へのこだわりが強いことが分かりました。そこで最初の配属だけでなく、入社後も配置・異動への要望について的確に把握する為、年に一度自己申告カードを提出させ、希望に添えるような、かつより能力を発揮できるような異動ができるように配慮しています。
さらに通常1年半に1回実施している自己申告のフォローアップ面談は、外国人社員は1年半に2回実施し、より頻繁に外国人社員と人事管理担当者が顔を合わせることで本人の意思と現在の職種にギャップがないかを確認しています。
この取り組みが、外国人社員の定着にも繋がり、過去5年間で海外拠点数は11ヶ所増加しました。

おわりに

様々な手続きを経て外国人労働者を雇用したにも関わらず早期離職といった運びにならないためには、外国人労働者の文化や宗教違いを理解する必要があります。
また外国人労働者に対し採用時だけでなく定期的なフォロー行い、企業側も受け入れ態勢を整え、働きやすい環境を作ることが重要と言えます。
外国人労働者の採用は人材不足の解消だけでなく、訪日外国人への対応力を高めたり、海外進出への足掛かりになる、社内にグローバルな文化を取り入れられるなど様々なメリットがありますのでぜひご検討いただければと思います。

「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/000887554.pdf
第6回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)結果の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/judan/seinen09/kekka3-5.html
日本で働く外国籍人材の離職とモチベーションダウンに関する調査
https://corp.daijob.com/news/news/20211102
高度外国人材にとって魅力ある就労環境を整備する為に雇用管理改善に役立つ好事例集
https://www.mhlw.go.jp/content/000541599.pdf

̃Gg[͂ĂȃubN}[Nɒlj