起業家はどんな税理士と付き合う? 企業のワクワクするビジョンをいっしょに創造する、 いっしょに税理士法人|起業サプリジャーナル

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起業家はどんな税理士と付き合う? 企業のワクワクするビジョンをいっしょに創造する、 いっしょに税理士法人

公開日:2017.11.14

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会社経営には切っても切り離せないお金。起業するに際して資金調達もあれば、会社を立ち上げた瞬間から納税義務も負うことになるでしょう。今回、お話を伺ったのは、会社のお金のプロフェッショナルである税理士の上田智雄先生です。

やり方を知っているか知らないかで節税できることをご存じですか。毎年のように改正する税法は素人からすると複雑ですが、プロである税理士は常に知識をアップデートし続け、会社経営にお金の面から適切なアドバイスができます。

 

上田 智雄 先生
1975年生まれ。税理士。いっしょに税理士法人(渋谷区恵比寿)代表社員、デルソーレ・コンサルティング株式会社 代表取締役。主な監修本に『納税で得する一覧表』、『取り戻せる税金一覧表』、『人生の節目の書類書き方教えます』(以上、サプライズブック)などがある。

 

起業家がお世話になる税理士とは

税理士とはどのような資格なのでしょうか。

税理士とは、税務書類の作成や、税務に関する相談に乗ることができる唯一の国家資格です。税理士資格がない場合、有償無償を問わず、書類作成や相談に乗ることができないという点で、税理士だけに認められた独占業務です。

金融という同じ領域に公認会計士がいますが、公認会計士は外部の利害関係者(投資家など)に会社の会計の適正さを証明することを仕事としています。一方、私たち税理士は国の税金を滞りなく納める手続きをすることが求められています。

例えば、確定申告と呼ばれる税務申告はご存じでしょうか。1月1日から12月31日の1年間の個人の給与、不動産、配当所得などを計算し、税務署へ申告・納税します。サラリーマンの方は会社から毎月支払われる給与から所得税が天引きされていると思いますが、あくまでも国が定めた概算であり、年末調整というもので過不足を調整し、納税額が足りない場合は追加徴収、多い場合はお金が戻ってきます。

また、起業家の方にも、会社を設立した段階から様々な税金を納める義務が発生します。もちろん、その計算には複雑な法律がたくさんあり、自分で調べてやってみるというのも1つの手段ですが、税務の専門家である税理士が請け負うことで適切に書類を作成します。

 

いわゆる書類作成などのアウトソーシングは会計ソフトやITに置き換わってきていますが、税理士の役割とは?

コンサルティングがこれからの税理士に求められていますね。弊社もアウトソーシングもやりますが、資金繰りという観点からコンサルティング業務もしています。

例えば、会社を興す際の資金調達の手段として、銀行の融資が挙げられます。銀行に提出する事業計画をどのように立てるかによって、融資ができるかできないかが左右されるのはもちろんのこと、融資額や利率まで影響を与えます。私たちも創業以来、多くの融資のお手伝いをしてきた中で、貸付けする側である銀行の視点で考える能力を養ってきました。金融機関の目線でいうと、一か八かで事業を爆発的に成功させることではなく、いかに失敗しないような事業計画を描けるかが重要ですね。

お金と会社は非常に密接な関係にあります。ですから、お金の専門家である税理士と会社との信頼関係が十分に築けているかが重要です。3~5年で行う中長期計画を一緒につくって未来をいっしょに考えることもあります。そして日頃から私たち資金管理についてアドバイスをさせていただくこともあります。これらがしっかり機能していくことで、自信をもって金融機関と交渉をできるようになります。ずさんなお金の管理をしていると、受けられるはずの追加融資も受けられませんから。

 

知っているか知らないかで経営が左右するお金

よくある税務相談だとどのようなものが挙げられますか。

起業したての方から相談で多いのは、消費税の納税義務が免除になるかどうかですね。「起業から2年間は、消費税が免除される」ということを知っている方も多いかと思います。正しく理解すると、「2年前の売上が1,000万円以下である場合」は免税される、換言すると、2年前の売上が存在しないため1、2年目は免除されるのです。ただし、例外があり、「事業年度開始日の資本金が1,000万円以上」の場合は免税されません。この規定は、1年目の途中に増資をし、2年目の事業年度開始時に資本金1000万円を超えた場合も同様です。

このように、知っているか知らないかだけで、納める税金の額が大きく変わります。

また節税という点だと、何が会社の経費かを問われることが多いです。経費を噛み砕いて説明すると、経済的利益をあげるために必要なものをいいます。

では、女性用の化粧品は経費になるでしょうか。それは、なるケースとならないケースが存在します。例えば、その女性が仕事で超高精度の4Kテレビに出演するとなると、4K専用の化粧品を使わざるを得ない場合のその購入は経費になります。反対に、日常生活やプライベートで使用するスキンケア用品などは生活用品となり、ならないケースに該当するでしょう。

他にも高級料亭での食事は、お客様の接待として使用し、それが仕事につながり、最終的に利益になりえるのであれば経費になります。金額の大きさは関係ありません。その目的がどういったものなのかが重要です。

また、起業したての方ですと、携帯電話、家賃、PCなどを経費にすることが多いでしょう。携帯電話も仕事とプライベートとの共用であれば半分を経費に、自宅家賃を経費にするのであれば、面積や時間などを考慮して一部を経費にできます。

 

ここで、日本の納税制度について簡単にご説明します。日本には申告納税制度と賦課課税制度と2種類の納税の確定方法があります。

申告納税制度
“納税者が自分でその所得金額や納付すべき税額を正しく計算し、それに基づいて申告し納付するという制度です。”
国税庁HP引用

国税のほとんどが申告納税制度で、主に所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税などがあたります。

賦課課税制度
“税務官庁によって、納付すべき税額が決定される制度をいいます。”
国税庁HP引用

住民税、固定資産税、自動車税、不動産取得税などが採用されています。

そして所得税の計算で考慮する経費は、申告納税制度になります。つまり、自らが経費であると申告し税務署が受け入れるものです。しかし経費ではないと税務署が判断すると追加徴収になります。このときに自分たちがどのような理由で経費としたのか、そして証拠を残せるかがポイントとなります。理由というのは、業態、職種などで異なりますし、その会社の組織や制度、キャッシュポイントなどを正確に理解しておく必要があります。

税務署でも無料で相談できる窓口を設けているのですが、あくまでも一般論でしかお答えしてくれません。経費の話を切り取っても、どのような事業なのかによって、節税対策が異なります。ですから、信頼できる税理士さんと日頃からお付き合いすることをお奨めします。

 

税理士と付き合うポイント

起業家にとって、税理士さんとはどのようなきっかけで知り合うことが多いのでしょうか。

弊社に依頼があるパターンですと、士業(弁護士、司法書士、社会保険労務士など)からの紹介が3~4割、既存のお付き合いがある経営者の方からの紹介が3~4割程度、残りはWebからの集客になります。おそらく他の税理士さんも同様くらいの割合かと思います。

士業の方たちは、それぞれの法の専門家であり、信頼を自分たちの商売のウリにしているので、紹介される私たちも安心して依頼を受けることができます。

また、起業家の方たちは、自分たちで起業家コミュニティやネットワークを持っているケースが多く存在します。すでにお付き合いしている経営者の紹介となると、私たちも安心しますし、彼らも安心できるのでしょう。

反対に、Webから訪れるお客様は、見ず知らずの私たちに自分自身の懐をさらけ出さなくてはなりませんから、信頼関係を構築するのがなかなか大変ですし、同時にWeb集客の難しさを思い知らされます。

 

起業するのであれば、すぐにパートナー税理士を見つけたほうがいいのでしょうか。

コンサルティングするという意味では、なるべく早い時期に相談していただきたいですね。手続きだけでしたら、個人事業であれば自分で調べるなどしてできると思います。法人化して従業員が自分1人しかいないような状態でも、まだなんとかご自身でできるでしょう。

ただ、ビジネス規模が大きくなってくると手続きも難しく、判断ミスが与える影響も大きくなり、そして自分の本業が疎かになってしまう恐れがあります。この頃にはアウトソーシングを検討してもいいのではないでしょうか。

 

税理士と付き合うなら税理士法人と個人事務所のどちらがいいでしょうか。

弊社が法人なので税理士法人と言いたいところですが、どちらにもメリット、デメリットはあると思います。

税理士法人は2人以上の税理士が所属していますが、個人事務所の場合は1人しか税理士がいません。税理士資格が無いと業務ができませんから、仮に税理士が病気やけがで仕事が出来なくなってしまうと、個人事務所は閉めなくてはなりませんが、法人は引き続き業務ができます。

一方、担当する税理士を選ぶことができないのが税理士法人です。相性が合うかどうか、質にばらつきがあるなどのデメリットはありますが、個人事務所の場合は、所長自らが担当してくれるでしょう。所長も経営者の一人ですから、経営者の視点でアドバイスをくれると思います。

また、できる限り近場の税理士と組むことをお奨めします。コミュニケーションの問題なのですが、遠方の税理士に比べると近場の税理士のほうがすぐに会えるし、信頼関係が築きやすい傾向にあります。

他には、土地柄によって税理士の得意とする業界特性が育まれるという事実も見逃せません。私たちが構える恵比寿周辺は、エンターテイメント系、IT系、不動産系の業種が多いのが特徴です。ですから、弊社は、エンターテイメント系、IT系、不動産系を得意とするようになっています。

 

万全なバックアップ体制をとる

事務所を経営していて、課題や大変なところはありますか。

トレンドを追いかけるのが大変ですね。起業家の方たちは、常に新しいものを取り入れようとします。例えば、連絡手段もチャットワーク、スカイプ、メッセンジャー等少し前には無かったものを利用しますが、彼らからするとこれらがスタンダードです。IT系のスタートアップ企業の税務を任される身としては、彼らの業態を知らないでは済まされませんから、同じように新しいものを取り入れようと努力しています。

また先ほども述べましたが、税理士法人だとそれぞれの企業につく担当者の能力に偏りがでてしまう可能性が生じます。毎年税制改正が行われているように、法は複雑に絡み合っています。ですから、勉強会を開催するなど定期的にレベルアップに努めていますし、巡回監査士(税務知識を一定以上有していることを証明する民間資格)を職員に取得してもらうことを目標に勉強してもらっています。

他にも、コンサルティングするという側面から、税務の知識だけでなく会社経営の視点を身に付けてもらおうと、マネジメントゲーム(戦略MG)を社内で実施しています。ソフトバンクなどの大企業にも取り入れられている研修の1つで、6名程度が参加し、一人ひとりが社長として自分の会社を経営しながら会計などを学ぶゲームです。モノポリーのようなゲームなのでみんなでワイワイ楽しく経営と会計の知識を身に付けることができます。

 

今後の方針についてはいかがですか。

限られた時間の中で、できるだけクリエイティブに時間を割けるようしていきたいですね。思考をアウトプットしていくというコンサルティング業務の特性上、事務作業などにあまり時間を費やしたくありません。弊社でも記帳処理などの単純業務は海外の企業にアウトソーシングしていますし、ITクラウドを使って効率化を図るなどを、有限である時間を大切にしています。その分、私たちにしかできない提案ができるようにし、クライアント企業が経営に専念できるよう、バックアップしていきたいと思います。

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投稿者について
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竹澤 駿

2017年に行政書士登録と同時に、行政書士法人jinjerの立ち上げに参画し、現在に至る。 外国籍の方の就労ビザの取得支援に特化し、サービス業を中心に一部上場企業から中小企業までの幅広い顧客を持つ。年間約300件の申請を手がけ、昨今は法改正のあった「特定技能」へも対応し、人材会社の新規事業の立ち上げ支援も実施。

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