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IoTで拡大するビジネスチャンス

公開日:2017.06.15

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日本を先行するアメリカ

安倍政権が6月上旬に決定した「未来投資戦略」に先駆けて、経済産業省は第4次産業革命の実現に向けて「新産業ビジョン」を公表しました。

経済産業省は2030年までに労働生産性を2%向上させることを目標に、企業間のビッグデータを共有することを政策として掲げています。企業間のビッグデータ共有ではIoTが主役になります。日本の労働生産性は先進国としては、けして高いとはいえず、アメリカの6割に甘んじています。同様にIoTにおいても日本はアメリカに先行されています。総務省が3月末にまとめたIoTの国際競争力指標では、日本はアメリカ、中国に次ぐ第3位になっています。

日本とアメリカのIoTに対する取り組みの違いは、企業の株価からも確認できます。5月末の時点で世界の株価が過去最高を記録しました。この株価の時価総額更新の原動力になっているのが、アメリカのIT企業です。世界における時価総額の上位5社の顔ぶれはアップル、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックです。2位のアルファベットはグーグルおよびグループ企業の持ち株会社のことです。一方、日本企業における時価総額の上位5社の顔ぶれからIoTにおける出遅れが懸念されます。具体的にはトヨタ、NTT、NTTドコモ、ソフトバンク、三菱UFJです。

 

IoTデータの流通市場の立ち上げ

日本企業の巻き返しとして期待されているのが、今年の秋に予定されているIoTデータの流通市場の立ち上げ準備です。

現在、オムロンと日本データ取引所が中心となり、IoTで蓄積されるビッグデータを売買するための市場を立ち上げるために準備組織を立ち上げようとしています。日本データ取引所は昨年2月設立の東京都渋谷区に本社を持つ株式会社です。日本におけるIoTデータの流通市場は2020年の創設を目指しており、今秋に発足される準備組織には日立製作所、NTTなどが参加する見通しです。また、この流通市場立ち上げの取り組みは欧米諸国にもみられないだけに、世界的な先駆けとしても注目されています。

流通市場で活用されるデータとしては自動車の位置や速度の情報、ブレーキやワイパーの使い方、ウエラブル機器を装着した人達の行動データ、産業用ロボットの稼働状況などが予定されています。ビッグデータを活用することで道路の混雑状況、天候、健康状況などを的確に把握することができるようになり、新しいビジネスチャンスが生み出されることが期待されます。

 

資金調達を通じたビジネスチャンスの拡大

中小企業やベンチャー企業にとっては、IoTデータを有効に活用することで新しいビジネスチャンスのきっかけをつかむことが期待できます。

ビジネスチャンスを拡大するには技術開発、人材育成などに必要な資金を投資することが必要です。こうした資金ニーズにとっての朗報となっているのが、ベンチャー投資拡大の傾向です。金融緩和の長期化を背景にベンチャーキャピタルや大手企業によるベンチャー投資が増加しています。昨年1年間のベンチャー企業への投資が増加して、資金額は一昨年よりも2割増加の2,100億円となり、はじめて2千億円の大台を突破しました。

東京都渋谷区の調査会社ジャパンベンチャーリサーチは、昨年中に資金調達を行った未上場企業約1千社を対象にした調査結果を5月末に発表しました。ジャパンベンチャーリサーチによると1社当たりの資金調達額が約3億円であり、過去10年間で最高になっています。この金額はアベノミクスが始まった2012年の約3倍です。そして10億円以上の大型調達も46社と一昨年よりも10社以上、増加しています。そのなかで約69億円を調達したCChannelは動画メディア運営、約27億円を調達したトレジャーデータはビッグデータの解析サービスといった、IoT関連のベンチャー企業の存在が注目されています。また今年に入ってからも大型の投資は続いています。ビッグデータの有効活用を支援するフロムスクラッチが約32億円を調達しました。今後も多くの中小企業、ベンチャー企業がIoTの積極的な活用を事業計画に組み入れることによって、ビジネスチャンスを拡大していくことが期待されます。

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