起業?社内起業? 会社にいながらおもしろい仕事をつくる、これからの会社員とは!会社員3.0著書 猪原祥博【起業インタビュー212回目】|起業サプリジャーナル

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起業?社内起業? 会社にいながらおもしろい仕事をつくる、これからの会社員とは!会社員3.0著書 猪原祥博【起業インタビュー212回目】

公開日:2023.04.21

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大手企業に勤めながらこれまで3つの新規事業を立ち上げ、連続社内起業家としての肩書きを持つ猪原氏が、この度「会社員3.0」という書籍も出版した。自分のやりたいことを会社で実現する、という発想がうまれにくい風潮のある日本社会の中で、人を巻き込み・ワクワクを会社の中で見つけ、実現してきた同氏の在り方について書籍の紹介と共に伺いました。

 

プロフィール(猪原祥博氏)

1973年生まれ。連続社内起業家。500万人に1人しか持ち得ない社内ベンチャー実績を持つ日本でただ一人の会社員。広島県出身。NTT西日本の新規事業の創出組織に所属。国内最大級の電子コミック配信サイト「コミックシーモア」を運営するNTTソルマーレ、太陽光発電の遠隔監視装置「エコめがね」を展開するNTTスマイルエナジー、ねむりのDXによって未病ケア社会を創るNTTパラヴィータの戦略子会社を3社連続して立ち上げた。社内ベンチャー・新規事業創出のプロフェッショナルとして、NTTドコモ、NTT東日本、オムロン、パナソニック、旭化成、アサヒビールなど複数の企業社員に対して講師を勤め、慶應義塾大学、大阪市立大学などでも講演を行なっている。

 

著書「会社員3.0 会社にいながら自由になれるストレスフリーな働き方」について

平社員から、国内最大級 電子コミック・電子書籍ストア「コミックシーモア」を立ち上げ、会社にいながら連続して業界シェアNo.1の会社を創業した社内起業家である猪原氏が、会社と対等に自由に働く、新しい会社員の在り方を「会社員3.0」と定義し、不確実な時代だからこそ自由になれる会社員としての働き方を説く。会社に所属することは、一見不自由さとのセットや組織の為に自分を犠牲にするというイメージがある中、会社に所属して、会社の名前、お金、人脈、その他資源を存分に使いながら自分で好きな仕事をつくって、自由に働く方法を本書では説いている。まずは今回の出版に至る経緯から同氏に伺ってみました。

 

ー 書籍の刊行おめでとうございます!まずは今回どういった経緯で書籍を出すに至ったのでしょうか?

初めは新規事業に関連する書籍を出したいと思っていました。私自身、「事業開発を通じて世の中をより良い場所に変えていく」ということをライフワークにしており、NTT西日本という会社に所属しながら、これまでに3つの新規事業と会社を立ち上げてきました。こういう事例を世の中で増やそうと思った時に、私がそれをやり続けるのだけではなく、ノウハウを世に出すことが最も効果的だと考え、私の持っているノウハウに関連した書籍を出すつもりでいました。ただ、編集者の方と打ち合わせを重ねる中で「新規事業という限られた領域向けの内容にした書籍を出すより、 “会社を活用して自分の好きなことを実現する”ノウハウに焦点を当てて書籍を出した方が、会社に属する色々な人たちを勇気づける内容になるのでは?」と言われ、今回の内容に振って書籍を出すことを決めました。

 

ー 改めて、書籍の内容についても差し支えない範囲でお教えください。

一般的に会社では、仕事を与えられることがほとんどだと思いますが、その与えられたものが楽しくなければ、それを楽しくなる様に変えてしまえ!というのが私が一貫して思っていることです。書籍内では、これを“カスタマイズ”と呼んでいますが、そうすることで自分が楽しめ、継続性が生まれ、結果成果も生まれやすくなるということを(書籍では)うたっています。ある研究では、自分の強みが発揮出来る領域は生産性が6倍高まるとも言われており、私は会社の中でそういう状態をつくれることが理想と考えます。詳細については、是非書籍もみて頂けると嬉しいのですが、自分の仕事を変えていくポイントとしては【自分の仕事を大義と結びついた大きな仕事に変えることで共感を生み出し、その共感で周囲を巻き込んでいく】ということを書籍内では説明しています。

ー なるほど!組織の中で自分のやりたいことを、“大義”と結びつける最初のステップについては、猪原さんご自身はこれまでどう見つけてきたのでしょうか?

一つ一つ見つけ方は違うのですが、初めのコミックシーモアの時は、日本が誇る漫画家という天才たちの作品をもっと広めるんだ、という想いで立ち上げています。その次にオムロンさんと合弁で立ち上げた(株)NTTスマイルエナジーという会社は、原発に依存しない社会の実現に向けて、再生可能エネルギーを未来に向けて普及させるという想いだったり、立ち上げに際した想いは様々ですが、その大義との出会いにおいて重要なことは「インプットとアウトプットの繰り返し」です。

自分の貴重な人生の時間をどこに投下するかを決めるのは自分です。これだったらやってもいい・これは嫌だ、という自分の心のセンサーは誰しも持っているはずです。インプットしながら、その心のセンサーが反応するものを探していきます。そして、次は心が反応したものをどんなカタチでもいいので、アウトプットします。生煮えでも、「こんなことをやってみたい」「こんな社会をつくりたい」と人に話すだけでも、今自分がどれくらい本気でその事象に向き合えているかが分かります。そして、それを続けるうちにやりたいことの輪郭が定まりはじめて、最終的には、自らが成し遂げたいこととして腹落ちできる状態になります。私はそれを大義に腹落ちした状態と呼んでいます。

 

楽しいと思えることは放っておいてもやる。仕事をワクワクするテーマに書き換えろ

これからの時代、会社をどのように活用するチカラが会社員に求められているか?

一般的には、与えられた仕事をワクワクしないまま取り組んでしまう方が大半だと思います。

ただ、自分がおもしろい!と思える仕事なら放っておいてもやりますよね?「言われたことをやる」から少し考え方を転換し、自分がワクワクするテーマを添えたり、そこに自分の気持ちが向かう様に仕事をデザインすることが出来るだけで、会社という枠組みが貴方にとって有用なアセットであるという風に見えてくると思います。また、これからは誰にでもできる仕事は機械に取られていき、自分の強みを発揮しながら新しい価値を生み出す人材が求められるというのは、どの会社でも共通して言えることでしょう。

個人が持つ価値観は多様ですが、これからは個人が持つ価値観に合わせた仕事を、社員個々がカスタマイズしていくと会社はものすごく多様な集合体へと変化をしていき、皆んなの力が発揮される場所になっていくんだと思います。社員個々の価値観を大切にして、それらを結集することにより競争力を生み出していくのが、これからの会社の望ましい状態であると私は感じています。そのために、会社・社員双方が「個性を大切にする考え方」に変わっていく必要があります。

 

お金か?リスクか?社内起業のメリット・デメリットについて

ー 社内起業家として猪原さんが感じる、社内起業のメリット・デメリットがあるとすれば、どんな点が挙げられますか?

まずデメリットで言うと「お金(リターン)」ですかね。初めに社内で立ち上げた「コミックシーモア」を運営するNTTソルマーレ(株)の年商はおそらく500億円は超えていて、これがもし0からの立ち上げだったなら、上場していて、私のお財布には今ごろ・・と考えたこともありますが(笑)、私自身そんなにお金に執着もないので、実際デメリットに感じているかと言えばそうでもないのですが、成功したときの経済的なリターンの大きさはやはり社内起業では得にくい点ですよね。

 

ー なるほど、確かにそうですね。逆にメリットとしては、どんな点がありますか?

これは所属しているNTT西日本に関してですが、大きな社会課題を解決するためなら、ベンチャーキャピタルなら絶対出さないだろうリスクマネーも出してくれる組織体としての強さ、そして個人で負担する金銭的なリスクを背負うことなく、新しい事業領域を開拓できることはとてつもないメリットだと感じます。

VCであれば、まずは小さくても実績がないと話が進まないという場合も一定存在しますが、いきなりアクセルベタ踏みでスタート出来る様な環境が大企業にはあります。またそれによって、初速のスピード感も変わってきたりと、実はメリット・デメリットを比較した時、メリットの方が多いんじゃないかと個人的には感じます。

 

ー そもそもの社内起業家となった最初のキッカケは、どんな経緯で始まっているのでしょうか?

私が入社した時代のNTTは「マルチメディア」という言葉を会社が掲げており、私自身もマルチメディアの火付け役になる!という気概を持って入社しました。ですので、元々会社の中で何か新しいことをしたいという気持ちは持ち合わせていました。そして、あるタイミングでNTTが東西に分割されることになり、首都圏をマーケットとして持っていないNTT西日本は、最初からメイン事業で収益が安定しないことが分かっていたのもあり、必然的に新しい事業をしなければいけない状態でした。その時に、コミックシーモアの前身になる企画を持ち合わせていた私も、NTT西日本の新規事業をやる部署に移ることになり、現在コミックシーモアを運営するNTTソルマーレ(株)を立ち上げたという経緯になります。

そこからおよそ5年間在籍をして、帰ってきた先でも新規事業を立ち上げることになり、途中から事務系と技術系の2つしかなかった会社の中で「事業開発スペシャリスト」というタグを付けてもらう様になり、今の立場が築かれていったという経緯ですね(笑)

 

最後に

ー 最後に、記事内でお伝えしたい事項もあればお願いします。

これは他の書籍ですが「死ぬ瞬間の5つの後悔」という書籍の中で、多くの方の死を看取ってきた著者が、人間の後悔で最も多いものは【もっと自分に正直に生きればよかった】ということだと語っています。それを自分の仕事に当てはめた時、「自分に正直に仕事出来ていますか?」と皆さんにも問わせて下さい。もし、そうじゃないと思うのであれば、私はそれが少しでも変わるといいなと思っていますし、そういった状況を変えることの出来る一つの方法論として、この「会社員3.0」を手に取って欲しいと感じます。自分に正直に仕事が出来てないかも?と感じている方がいたら、是非読んで頂けると嬉しいです。

自分のやりたいことをやれる人が増えると、日本はもっと元気になります。会社員という有利な立場にいるうちに、会社を活用して、やりたいことにチャレンジしていただければと思います。

 

ー とても勇気づけられるお言葉ありがとうございます!Amazonレビューも非常に評価の高いものばかりでした、一人でも多くの方に読んで欲しい書籍です。

ありがとうございます。読んで頂いた方には、是非レビューもお願いします(笑)

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