グローバル最大のLGBTQ向けSNS「Blued」が日本上陸!アジア展開を左右する日本のLGBTQ市場とは?Blued Japan株式会社 邱開洲【起業インタビュー165回目】|起業サプリジャーナル

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グローバル最大のLGBTQ向けSNS「Blued」が日本上陸!アジア展開を左右する日本のLGBTQ市場とは?Blued Japan株式会社 邱開洲【起業インタビュー165回目】

公開日:2021.06.18

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2015年に渋谷区と世田谷区から始まった、同性カップルの結婚に相当する証明を意味するパートナーシップ制度。6年経過した現在、全国64の自治体で制度が導入されている。しかし、未だに国内では結婚は認められておらず、先進国の基準となる「OECD加盟国」36ヶ国中、同性婚を認めていない10ヶ国の中に日本は入っている。少しずつ権利を得てきたものの、決して早いスピードではないとBlued Japan 代表の邱(キュウ)氏は語る。アジア最大級のLGBTQ向けプラットフォームが、本格的に参入!これから闘う日本のLGBTQ市場と展望についてお話を伺いました。

 

 プロフィール(Blued Japan株式会社 General Manager 邱開洲氏)

1990年、中国吉林省長春生まれ、2009 年来日。早稲田大学在学中に3D プリンターの貿易会社や留学生向けの就活塾など を起業。「将来的にもっと大きなスタートアップ企業を立ち上げたい」と感じ、さらに経験を積むべく大学卒 業後は Yahoo! Japanに入社、広告代理店営業や新規プロジェクトの立ち上げを経験した。その後 YJ Capitalにてベンチャー投資・起業家育成プログラム・経営支援等に関わるが、「投資をし、株主定例に参加し ても経営には間接的にしか関われないのは物足りなかった」ことから、もっと「責任者として BtoC のプロダク トに携わり、世の中に影響を与えたい」と Blued Japan の親会社である BlueCity に入社。Blued Japan の立ち上げに携わり、現在は日本事業全般の統括を行っている。

 

 Blued Japan株式会社について

ー 事業内容について、教えて下さい。

私たちBlued Japanは、中国のLGBTQ向けSNSを展開するBlue City Holdings(藍城兄弟)の日本支社となっており、世界200ヶ国以上、約6,300万ユーザー(2021年3月時点)が利用するゲイ向け出会い系アプリ「Blued (ブルード)」の日本展開をしています。

 

ー 世界200ヶ国以上、約6,300万ユーザーが利用するゲイ向け出会い系アプリ「Blued」についても教えて下さい。

現在は、LGBTQの中でもL(Lesbian)以外を対象としたコミュニケーションアプリとなっていまして、アプリで出来る主だった機能は以下の3つです。

 

・知らない人同士のマッチング機能

・リアルタイムでのライブ配信

・1対1でのビデオチャット・メッセージ機能

 

それ以外にもアプリで楽しめる様々な機能によって、ユーザーの方々の新しいライフスタイルを創出しています。

 

ー 今回の日本進出にあたって、日本は海外展開の中で何番目の進出となったのでしょうか?

厳密な進出順序が分からず、少し曖昧な回答にはなりますが、担当チームを付けて積極的な現地プロモーションをしているエリアは、日本を含む世界11箇所程度となります。2015年からグローバル展開をスタートし、日本への本格的な進出は2019年末になりますので、その中でも後発な位置には当たりますが、支社を構えるのは、現時点で日本が唯一となります。

 

ー 国内には、既に競合アプリなどもあるのでしょうか?

日本では10年以上展開されているマッチングアプリがあります。後発である我々の日本でのシェア拡大の施策としては2つを考えています。一つ目はコンテンツマーケティング戦略で、例えば「インフルエンサーを活用したライブ配信」によって、物理的に会えなくともオンラインで楽しみたいゲイコミュニティの中でのシェア獲得を図っていきたいと思っています。そして2つ目は、「マッチングクオリティの向上」です。顔認証機能をはじめとする一連の機能を設け、アプリ内でのなりすましを徹底的に排除しています。ユーザーのリアル性を高めると同時に、Bluedを通じた出会いの質を高める様にしています。

 

 後進国であっても世界平均より高い比率!?気になる日本のLGBTQ市場について。

ー グローバル展開の中でも今回の日本進出が支社としては初だったんですね!ちなみに、御社として日本のLGBTQ市場をどう捉えているのでしょうか?

はい。私たちが考えている日本のLGBTQ市場のプラス面とマイナス面を、それぞれお伝えさせて頂きます。

 

まずプラス面ですが、日本は人口比率に対するLGBTQの割合が約10%前後と、一般的には平均5%といわれるグローバル水準で捉えても非常に高い割合にあります。加えて、文化発信の観点でも非常にポジションの高いエリアとなっていますので、日本でシェアを取れるかどうか?がこれからのアジアでのポジショニングを左右する大事な市場として捉えています。

 

ー 人口比率に対する割合は、世界基準で見ても高い位置にいるんですね!驚きでした。マイナス面については、どうですか?

マイナスの面としては、LGBTQに対する文化的な受け入れ度が高い状況とは言えず、まだまだ浸透するのに時間がかかると予測しています。それに加えて、ユーザーの獲得単価も人件費もグローバル比では比較的高い水準にはあるので、市場的な参入障壁は高いと捉えています。

 

ー なるほど。それらを踏まえて、日本のLGBTQ業界の課題なども教えて下さい。

2点あって、一つ目はやはり「社会的な受け入れが未整備な点」です。まだまだ許容力が足りないというのは本音で、カミングアウトしたいけど出来ずに過ごしている方は多いと感じます。二つ目は「LGBTQに特化したビジネス面での協力者・プレイヤーが少ない点」、業界に詳しいプレイヤーがまだまだ足りないというのは、日本展開をしていく中での我々の課題でもありまして、シェア拡大や文化として根付かせるには、まだまだ協力者は足りていません。

 

 「自分が投資する立場だとしたら、絶対この分野に投資をする」スケールする市場と共に学べる環境を選択

邱さんが、初めて起業されたのはいつになるのでしょうか?

元々大学生の時に一度起業をしていて、その時は3Dプリンターの貿易会社を起業しています。当初は家庭3Dプリンターのニーズが薄く、頻度の低い個人のニーズに対し、デザインからプリントアウトまでOne-Stopプラットフォームを立ち上げるべきだと思っていました。ただ「巨大なものを立ち上げる経験がなく、将来的に、インターネットの力でスケールできるスタートアップを立ち上げたい」という想いから、そのまま新卒ではYahoo! Japanに入社をしました。

 

ー そこから現在のBlued Japanには、どういった経緯で参画しているのでしょう。

ヤフー入社後、幾つか部署を経て、YJキャピタルに転籍。そこからベンチャー投資・起業家育成プログラム・経営支援等に関わるのですが、もっと経営に近い経験をしたいという想いからVCに参加し、その後、 BlueCity Holdingsに参画するといった流れになっています。

 

ー 数あるサービスの中でも「Blued」を選んだのには、どういった理由があるのでしょう?

ヤフー在籍中、副業で留学したい人と留学している(していた)人が繋がり、グロバール留学分野に特化した”ビザスク”のようなC2Cコンサルプラットフォームを立ち上げていたのですが、toC向けサービスはUI/UXがとても繊細な領域だったこともあり、改めてそのプロダクト開発〜マーケティングまでを一貫して学べる、「0→1を任せされるポジション」を探していました。

加えて、過去のVCとしての経験からもLGBTQ市場は「自分でも投資をしたい事業」と思える様な、世界的にみても課題の深い分野でもあった為、「①事業としての将来性」と「②今の自分が学びたいモノが学べる環境が用意されている」、この2つの理由からBluedへの参加を決めました。

 

 今後について

ー 中長期的な展開について、お教え下さい。

現在はコミュニティごとに特化した機能と価値をユーザーに提供していますが、将来的には彼らの生活が豊かになる様な価値を提供したいです。まだ国内での同性婚は認められていないですが、近いうちにパートナーシップを証明する証明式を提供するなど、ユーザーの生活が豊かになる部分にまでサービスの提供価値を広げ、日本のLGBTQ文化醸成にも寄与出来ることを今後やっていきたいと考えています。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

冒頭、BluedではLGBTQの中でもL(Lesbian)以外を対象としたとお伝えさせて頂きましたが、最近本国ではレズビアン向けソーシャルアプリを買収したり、インターネット薬局ライセンスを取得しました。今後は全てのLGBTQにより深く、そして広範囲に価値をグロバールで提供していく予定ですので、LGBTQの皆さんは是非Bluedを活用して、自分にあった素敵なライフスタイルを体験してみて下さい。

参考:中国最大のLGBT出会いアプリ「Blued」、レズビアンSNS「LESDO」を買収

 

ー 御社を通じて、もっとLGBTQの方が生活しやすい日本になるといいですね!これからの展開も楽しみです。今日は有難うございました。

こちらこそ、ありがとうございます。

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