2月9日に日本経済新聞が報じた内容によると、4月より外国人留学生の在留審査の厳格化対象地域を7か国から80か国へ拡大する方針が出入国在留管理庁によって発表されました。
法務省の調査によると、令和元年7月1日現在の不法残留者数は7万9,013人であり、平成31年1月1日現在の7万4,167人に比べて4,846人(6.5%)増加しています。(下図1)
不法残留者を国籍・地域別にみると、TOP10を占めているのはベトナム・韓国・中国・タイ・フィリピン・インドネシア・台湾・マレーシア・スリランカ・シンガポールの順。平成31年1月1日現在と比べて8か国増加しましたが、特にベトナムが2,194人(19.7%)増、インドネシアが631人(19.0%)増、スリランカが168人(19.5%)増と大きく増加しています。(下図2)
[引用元:法務省/本邦における不法残留者数について(令和元年7月1日現在)]
特に外国人留学生の中には、出稼ぎ目的で来日し、卒業後も不法残留してアルバイトを続けているケースが多数発生しています。
これに対し出入国在留管理局は、不法残留ケースが多い7か国(中国(香港など一部地域を除く)、ベトナム、ネパール、スリランカ、ミャンマー、バングラデシュ、モンゴル)の留学生を対象に、在留審査において(1)最終学歴の卒業証書(2)日本での生活費を出す親族の預金残高証明書(3)親族との関係を示す公的文書などを求め、基準を厳格化してきました。
今回は約30年ぶりの大幅な審査方法の変更で、在留審査厳格化の対象国籍・地域を7か国から80か国へと拡大しました。(下図)
[引用元:日本経済新聞]
一方で、「比較的経済状況がよく、不法残留のリスクが低い」と判断された国・地域は出入国在留管理局の「ホワイトリスト」に指定されています。中国は今回、留学生の富裕層が増えた影響もあり、不法残留が少なくなっているためホワイトリストに指定されています。
[記事引用元:日本経済新聞「留学生の在留審査を厳格化 入管庁、対象国10倍超に」]