こんにちは!ビザサプリジャーナル編集部です。
今回の「外国人採用初心者向け講座」第3弾では、外国人を採用する際に気になる3つの疑問について解説します。
Q1|ビザを申請する必要があるのはどの外国人?
Q2|ビザの審査にはどれくらいの時間がかかるの?
Q3|在留期限を長くもらうには?
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Q1 ビザの申請が必要なのはどの外国人?
日本に滞在する外国人は、必ずなんらかの在留資格を持っています。日本にいる外国人を採用する際、資格によっては就労ができないケース、在留資格を変更する必要があるケース、すぐに採用できるケース等に分かれます。
まずは、アルバイトもしくは正社員等で外国人を採用する際、外国人が以下のどのケースに該当するかをチェックしておきましょう。
ケース1◆就労制限のない外国人
就労制限のない外国人とは、永住者や定住者、日本人の配偶者等などが該当します。(上図参照)
このカテゴリーに属する外国人は、他の資格と違って就労制限がありません。日本人を雇用する際の手続きとほぼ同様のため、在留期限などに問題がなければ、ビザ手続きを行うことなくスムーズに採用することができます。
「永住者」には、在日韓国・朝鮮人を中心とする特別永住者と、日本に10年以上在留して永住権を取得した一般永住者に分かれます。2019年6月の時点で、永住者の数は783,513人、特別永住者の数は317,849人と永住者の割合が大きく増加しています。
「定住者」に多いのは、南米出身の日系人3世など。「日本人の配偶者等」は日本人と結婚すると取得することができますが、近年就労のために偽装結婚を行う事例も多いため、日本人と戸籍上婚姻関係にあれば無審査でビザが下りるわけではありません。実質的に婚姻生活を営んでいるかどうかがしっかりと審査されます。
ケース2◆一定の範囲内で自由に就労できる外国人
一定の範囲内で自由に就労できる外国人とは、就労が認められない留学生、家族滞在等が該当します。
このケースに該当する外国人は、「資格外活動許可」を取得すると一定の範囲内での就労(アルバイト等)が認められます。留学生の場合、原則週に28時間(学校の休み期間は週40時間)までなら、風俗業以外の業務に従事できます。資格外活動許可を受けているかどうかは、在留カードの裏面に記載されます。
近年では、週28時間を超えて働いている留学生の「オーバーワーク」が発覚し、就職する際に就労ビザの許可が受けられい事例も増えていますので気を付けましょう。
アルバイトとして外国人を採用する際は、在留資格と資格外活動許可の確認を行いましょう。
ケース3◆就労ビザを新たに取得する必要がある外国人
専門的な業務をおこなってもらうために、外国人を正社員(または契約社員)として雇用する場合には、職務内容に合わせた就労できる在留資格を取得する必要があります。
観光またはワーキングホリデー等で在留している外国人を雇う場合、原則一旦帰国してから「在留資格認定証明書交付申請」を行い、留学や家族滞在もしくは就労できる外国人を雇う場合、一般的に「在留資格変更許可申請」を行います。
職務内容に合わせて取得する必要のある在留資格は異なりますが、最もメジャーな「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を例に挙げると、就労ビザを取得する条件として①外国人が大学以上(または日本の専門学校以上)を卒業しており、かつ職務内容と関連性があること、②職務内容と関連する実務経験が10年以上あること、などが求められます。
上記に該当しない場合は「特定技能」や「特定活動46号」などの選択肢もあります。どの在留資格へ変更する必要があるのかは、専門家に相談することをおすすめします。
Q2 ビザの審査にはどれくらいの時間がかかるの?
就労が認められている在留資格へ変更または取得するには、法務省の「出入国在留管理局」への申請を行うため一定の期間を要します。日本人を採用するペースと同じ認識だと、入社日に遅れが生じ会社の損失につながる可能性があるため、前もって申請準備を進めておきましょう。
出入国在留管理局は、申請してから結果通知までの標準処理期間を約1~3ヶ月と公表していますが、申請内容や提出する場所、申請の時期などによって大きく差があり、1週間で許可が下りるケースもあれば、最長で6ヶ月かかる場合もあります。
申請書類に不備があると追加書類の提出が求められたりなど、余計な手間と時間を浪費してしまうため、申請に不安がある場合は専門家である行政書士や弁護士に相談しましょう。
対応できる専門家は、管轄の地方入国管理局長から「届出済申請取次行政書士(弁護士)」として証明書の発行を受けている行政書士または弁護士が該当します。
Q3 在留期限を長くもらうには?
すべての在留資格には有効期限があります(永住権を除く)。日本で長年就労するためには在留資格の更新をし続けなければなりません。
在留期限は、3か月・6か月・1年・3年・5年のいずれかが付与されます。たとえ5年を希望して申請したとしても、申請した出入国在留管理局に裁量があるため、希望通りにもらえるわけではありません。
3~5年の長い在留期限を取得できる要件は申請内容によって様々ですが、傾向として雇用元企業の規模が大きいほど長期の在留期限を許可されやすいと言えます。
雇用元企業の規模は法務省が定めるカテゴリー1~4によって定められており、1または2に該当する企業であれば長期の在留期限を取得できる可能性が高まります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事の内容を以下の通りまとめてみます。
日本にいる外国人で「身分系」のビザを持っている方は、就労制限がないため日本人とほぼ同様に採用できる
ビザの審査は通常1~3か月ほどかかるが、申請内容や申請時期、申請場所によって変動する。
付与される在留期限は1年・3年・5年のいずれかであり、企業規模が大きいほど年数が増える傾向にある。
申請に不安がある方は、専門家へお問い合わせください。