水道橋で行われたセミナーに参加してきました。以下簡単なレポートになります。
日時:2019年12月11日(水)15:00~17:00
タイトル:外国人雇用の巧拙で差がつく企業成長~外国人材紹介事業から見える企業の盛衰~
会場:LEC東京リーガルマインド水道橋本校
講師:三笠崇仁 氏(株式会社WORKERS代表/株式会社渋谷フェイス代表)
主催:外国人雇用支援センター
<ご経歴>
1976年8月18日うまれ。
代表を務める株式会社WORKERSにて、2018年に外国人求職者マッチングサービス「お仕事ウォーカー」を開発。「お仕事ウォーカー」は現在では月間1300人の外国人雇用を生み出すサービスに成長した。 現在は大手飲食店等、企業の外国人雇用のコンサルティング業務に携わる。
事業目標:外国人労働者に向けた「仕事」と「住まい」を中心に外国人生活全般のインフラサービスを提供します。
事業領域:全国で増加し続ける空き家、空室物件を中心に外国人寮として改築、活用してまいります。
上記のような事業目標のもと、人材斡旋事業と不動産事業をしております。
まず、人材斡旋事業としては、SNS上で企業と求職者をマッチングする日本で唯一の求人サイト「お仕事ウォーカー」を運営しています。これは、弊社独自のSNSネットワークを使用するもので、既に1,300人/月の求職者を企業に斡旋しています。
特徴としては、4点あります。
①世界中に広がるSNS上で高精度なターゲティング広告を配信し、効率的な集客が可能、
②国籍、在住地、勤務エリア、在留資格、性別、年齢、仕事のスキルなど、企業様からリクエストを収集し、その条件に合う方に対してのみターゲティング広告を配信して効率よく求人を行うことが可能です。
③従来のWeb等広告とは違い、ムダなく効率よくマッチングすることができます。
④日本人だけでなく、国内外に在住の外国人も募集可能です。
仕事と住居を提供することで外国人のアカウントを収集することにより、様々なサービスを提供するプラットフォームを構築します。具体的には、海外渡航券手配、送迎サービス、行政書士サポート、多言語通訳サービス、賃貸保証による入居サポート、電化製品販売、銀行口座開設サポート、携帯電話・Wi-Fiサービス、クレジットカード取次ぎなどがあります。
現在は、国内在住の外国人を対象としていますが、今後海外在住の外国人も対象にする予定です。
また、2019年秋にシステム提供事業として、求人募集のフロントページだけを企業・自治体が担当し、外国人募集・リスト送付などの作業全般を弊社が行うという形のサービスを始めました。システムの提供先としては、株式会社東京リーガルマインド、株式会社エイジェック、DELTA Holdings株式会社、シグマHoldings株式会社などがあります。
その他、2019年冬より、金融機関様(西武信用金庫)への提供も開始しております。
次に、不動産事業については、外国人住居提供サービス「住まいウォーカー」という空き家をシェアハウスとして利用するサービスを展開しています。こちらもSNSを使ってマッチングをしています。就労斡旋と組み合わせることで、外国人向け寮の提供と入居に関わる周辺サービスをサポートしています。
総務省が発表した2018年10月時点の調査によると、国内の住宅総数に占める空き家の割合は過去最高の13.6%でした。戸数も最多の846万戸でした。こういった状況の中、外国人に空き家を貸すことで空き家を減らすことができると考えています。弊社は、空き家を借りるか購入して、寮として企業様に貸しています。外国人が家を借りるのは保証の問題などでハードルが高いので、その問題もクリアすることができます。外国人に仕事を紹介しても、企業様が家は外国人に自分で探してもらうということも多いですが、これだと外国人にとってはハードルが高く、結局仕事のほうもできないという事態もあります。こういった課題を今後も解決していきたいと考えています。
最後に、会場の方からの質問がありました。
Q 外国人雇用は今後どうなっていくのでしょうか?
A 労働力不足という問題はもちろんありますが、今後、特に地方に人が足りなくなってきます。外国人を助っ
人としてうまく活用していくことが重要であると考えています。
Q 外国人を採用しているのですが、思っているほど戦力化ができていないと感じています。その大きな理由は日本人側にあるのではないかと感じています。この点どのように考えられていますでしょうか?
A 大手企業でも、技術者としての日本人は採用できなくなってきている事例があります。外国人の管理専用の方を配置すると変わっていくのではないかと感じています。また、大手企業でも、採用した外国人の友人に声をかけてもらうなど、個人ベースで声をかけて外国人を採用しているというケースもあります。こういった場合もどのポジションの方がどのように外国人に教えていくか、で変わってきます。今後、一定量人材を採用していくという仕組みのない企業は、ますます苦しくなるだろう、特に日本人人材が足りない部分は外国人人材で補っていくという発想の強い企業が今後伸びていくのではないかと感じています。
Q 外国人の住居の問題について改めて教えてください。
A 地方の企業様は、家は就労する外国人で自分で探してほしいという企業が多いのが現状です。ただ、外国人が自分で家を探すのはハードルが非常に高いといえます。そのため、就労の斡旋と家の斡旋をセットにするのがよいと考えています。例えば、給料を3万円上げるよりも、3万円の家賃保証をつけて家を手配してあげるほうが絶対いいという感覚がこれまでの経験からあります。
また、自治体は空き家を埋めたいと思いが強く、企業様は少しでも安く家を借りたいという思いがあり、ここが合致します。自治体に対しては、ただ空き家を貸すというのは難しい、お仕事とセットにすることが重要だと説明させていただいています。この考えを理解していただいていまして、現在自治体との取組みが進んでいます。実際の形では、例えば、一軒家を借りて、3人の外国人に貸すというパターンが多いです。
Q 今後外国人雇用を始めたい企業に対してアドバイスをお願いします。
A まずは、ビザの問題が大きいといえます。ビザの正しい知識がないとそこから先に進めません。次に、外国人の出身の国に対して尊敬を持つことが重要です。文化を知ること、外国人の側に自分から寄っていくこと、日本人に対するのとはまた違った感覚で接することが重要です。距離感も日本人とは違います。チャットセンターでは、外国の方から「ハーイ」との言葉から始まります。日本人ではこの感覚はないでしょう。自分自身も、過去に3人外国人従業員が辞めていて、雇ってあげているという感覚があると思われていました、彼らに対する尊敬が足りなかった点を反省しています。