こんにちは!ビザサプリジャーナル編集部です。
先日、入国管理局が発表した内容によると、
2018年に日本で就職した外国人留学生は約2万6000人と過去最多を記録しました。
今後も年々増加することが見込まれており、その背景には「留学生の総数増加」と「人手不足で外国人労働者に対する企業のニーズが高まっている」ことが挙げられています。
そこで今回は、「留学生を採用する前に確認しておきたい3つのこと」をご紹介したいと思います!
外国人留学生の就職状況内訳|9割はアジア諸国出身
2018年に在留資格の変更が許可された留学生を国籍別で分析したところ、
1位 中国 10,886人
2位 ベトナム 5,244人
3位 ネパール 2,934人
4位 韓国 1,575人
5位 台湾 1,065人
の順でランクインし、全体の95.3%はアジア諸国出身であることがわかりました。
また、在留資格の種類別で分析してみると、「技術・人文知識・国際業務」という資格が全体の93.2%を占めており、職務内容の主なものは
「翻訳・通訳」 9,884人
「販売・営業」 5,615人
「海外業務」 3,753人
「技術開発(情報処理分野)」 2,717人
の順に多いことがわかっています。
[関連資料:平成30年における留学生の日本企業等への就職状況について―法務省]
外国人留学生の採用STEP3つ
人手不足により日本にいる外国人留学生の採用を検討している企業は増えています。留学生を採用するにはどのような手続きが必要なのでしょうか?
採用する前に必ず確認しておきたい3つのポイントをご紹介します!
STEP1 「在留カード」を確認する
日本に中長期(3か月以上)滞在する外国人は、「在留カード」が交付され、常に携帯することが義務付けられています。
在留カードとは、外国人の個人情報や、法律によって日本で行うことが許可されている活動内容、在留期限などの情報が明記されている身分証明書のことを示します。
在留カードに書かれている期限が切れていたり、就労資格がない外国人を誤って雇用してしまうと「不法就労罪」に問われてしまいます。雇用する前に、まず在留カードの以下の3か所を確認しましょう!
01|在留資格 |
外国人が現在許可されている、在留資格の名称が書かれています。日本語学校や大学、専門学校などに留学している学生は「留学」、すでに働いている場合は「技術・人文知識・国際業務」等と記載されています。
就労できるビザは全部で24種類あり、それぞれに「業務内容に制限があるもの」と「制限がないもの」があります。詳しくはコチラの記事をご覧ください。
どの在留資格を持っているのかを、まず確認しましょう。
02|就労制限の有無 |
ここには法律上、外国人の就労可否が記載されています。留学生は基本的に「就労不可」となっていますが、カード裏面の資格外活動許可欄に「許可:原則28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と書いてあれば、週に28時間まで(長期休暇中は1日8時間まで)の就労が可能となります。
もしアルバイトとして雇用したい場合は、この資格外活動許可があるかどうかをチェックしましょう。
03|在留期間(満了日) |
外国人が日本に在留できる期間を表しています。在留期間の更新または変更の申請を行わないまま期限を過ぎると、満了日の翌日から「不法滞在」扱いとなります。
ただし、期限が過ぎていてもカード裏面に「在留資格変更許可(または在留期間更新)」と書いてあれば、在留資格の変更または更新中という意味になりますので、不法滞在にはなりません。
申請中でも満了日から2か月経過する時点までは日本に滞在することができます。2か月を過ぎてしまうと不法滞在となりますが、基本的に出入国在留管理庁が2か月以内に審査が終わるよう対応しています。
期限が過ぎていないか、更新中なのか等をチェックしましょう!
STEP2 職務内容と学歴の合致性を確認
就労ビザに変更するには、留学生の最終学歴と専攻内容が重要なポイントとなってきます。
例えば、エンジニアを雇いたい場合、日本でエンジニア関係の専門学校を卒業しているか、日本か母国にある大学で関連分野を専攻していることが条件となります。そのため、「大学では経済を専攻していたけどエンジニアになりたい!」という新卒はエンジニアとしてのビザを取得することはできません。
これに関して「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得する場合、以下の書類が必要になります。
学歴又は職歴等を証明する次のいずれかの文書
ア 大学等の卒業証明書又はこれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書。なお,DOEACC制度の資格保有者の場合は,DOEACC資格の認定証(レベル「A」,「B」又は「C」に限る。) 1通
イ 在職証明書等で,関連する業務に従事した期間を証明する文書(大学,高等専門学校,高等学校又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に係る科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。) 1通
ウ IT技術者については,法務大臣が特例告示をもって定める「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書 1通
※【共通】5の資料を提出している場合は不要エ 外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合(大学を卒業した者が翻訳・通訳又は語学の指導に従事する場合を除く。)は,関連する業務について3年以上の実務経験を証明する文書 1通
なお以上の書類は基本的に、雇用元が「カテゴリー3」もしくは「カテゴリー4」に該当する場合です。自分の会社がどのカテゴリーに該当するか確認するには、出入国在留管理庁のWEBサイトをご参照ください。
STEP3 在留資格の変更
「留学ビザ」から「就労ビザ」へ変更する場合、大きく以下の2つのパターンがあります。
在学中にビザを変更する場合 |
日本語学校や専門学校を卒業し、新卒として入社する場合は、入国管理局へ「在留資格変更許可申請」を行います。
申請の方法や必要な書類については、コチラをご参照下さい。
審査期間はケースによって、2週間~2か月ほどかかります。春に卒業し、4月に入社する新卒に合わせて受付は12月から行っており、12月~3月の間は出入国在留管理庁が大変混雑するため、早めに手続きを行いましょう。
就職活動をする場合 |
卒業すると留学生ではなくなりますが、在留状況に問題がなく、就職活動継続につき卒業した学校の推薦があるという場合は、「就職活動をおこなうための在留資格」に変更することができます。
これを「特定活動」ビザと言い、6か月の在留期間が付与されます。ビザは1度更新が可能なので、卒業後も最大1年間は日本に滞在することができます。
必要書類は以下の通りです。
・申請書
・証明写真 1葉
・日本での活動資料に応じた書類
・資格外活動許可書(交付されている場合)
・旅券
・在留カード
まとめ
外国人留学生を採用するにあたり、就労ビザの変更手続きの流れや注意点をまとめました。
海外にいる外国人を採用するケースも多いですが、留学生を採用するメリットとしては、
①日本での生活や文化に慣れている
②日本でのアルバイト経験のある留学生が多いため、適度なマナーやルールを携えている
③ビザを変更するだけのため、採用から入社までの期間が短い
等といった点ではないでしょうか。
留学生の採用を考えている、またはこれから検討したいという企業は多いと思います。ケースによって書類や手続きが多少変わってくる場合がありますので、不安な方は専門家に聞くことをお勧めします。
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