外国の文化を知ろう~バレエ編③~|ビザサプリジャーナル

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外国の文化を知ろう~バレエ編③~

公開日:2023.04.21

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 前々回の記事ではバレエの始まりと発展を、前回の記事では日本においてのバレエの歴史を見ていきました。バレエ編の最後となる今回の記事では、バレエの代表作である3大バレエと呼ばれる作品について見ていきたいと思います。

 

3大バレエとは?

 3大バレエとは『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『眠れる森の美女』の3つの作品のことを指します。バレエを習っている人もそうでない人も、一度は耳にしたことがあるであろう有名なバレエ音楽です。作曲はすべてチャイコフスキー、振付はすべてマリウス・プティパというゴールデンコンビで作り上げられた作品です。今やクラシックバレエの代名詞である「白鳥の湖」も、初演はかなりの不評だったようです。改訂を加えた再演で現行の作品になり、それからは32回転するフェッテという大技を入れ盛り上げるなどし、人気演目の座を得たのです。

 

3大バレエのストーリー

白鳥の湖

 悪魔ロットバルトに呪いにより白鳥の姿に変えられ、人間の姿に戻れるのは夜の間だけになってしまった美しい娘オデット姫が、妃選びを迫られているジークフリート王子と湖で出会います。オデット姫に魅かれたジークフリート王子は、彼女の呪いを解くために「永遠の愛の誓い」を約束すしますが、翌日の舞踏会でロットバルトが用意したオデット姫そっくりのオディールという娘に騙されて、オディールに永遠の愛を誓ってしまいます。ジークフリート王子は騙されていたことに気が付きますが、不運にもオデット姫がその様子を見てしまいました。オデット姫は絶望して湖に帰ります。同じく呪いをかけられてしまった侍女たちが励ましているところにジークフリート王子が弁明に現れます。オデット姫は、はじめは拒絶しますが、葛藤の末に彼の過ちを許します。しかし既にオディールに永遠の愛を誓ってしまっている為呪いは解けません。オデットは湖に身を投げ、王子もその後を追います。その後真実の愛の力によって悪魔は滅び、二人はあの世で永遠に結ばれます。

何度も改訂されている白鳥の湖は上記で紹介した結末以外にも、2人が悪魔に打ち勝ちハッピーエンドになるものなどがあります。白鳥の湖のみどころは、主役を踊るダンサーが純粋な娘オデットと妖艶な娘オディールを1人2役演じるところで、対照的な2役の演じ分けには心を掴まれます。

 

くるみ割り人形

 クリスマスの夜に少女クララがおじさんからくるみ割り人形をプレゼントされます。しかし床に落として壊してしまいます。クララはくるみ割り人形が心配になりベッドを抜け出すと、クララの体は小さくなりネズミに囲まれます。そこへくるみ割り人形が他の人形たちと一緒に助けに来てくれますが、ネズミが優勢です。クララは勇気を出しネズミにスリッパを投げ勝利へと導きます。そうするとくるみ割り人形の呪いがとけ、実はお菓子の国の王子様だったことが分かります。雪の国で雪の女王や雪の精に出会ったり、お菓子の国で王女の踊りを見たりします。現実と夢の世界が両方とも描かれ、ファンタジーかつロマンティックな世界観の作品となっています。

くるみ割り人形はクリスマスを題材にした作品です。毎年クリスマスの季節になると世界中のバレエ団で公演が行われます。クララと王子が雪の国を訪れるシーンでは雪の精の一糸乱れぬ美しい群舞を堪能することができます。その他にも登場人物が多い作品なので様々な踊りが楽しめます。

 

眠れる森の美女

 ある国の王と王妃の間に、オーロラ姫が誕生しました。彼女の誕生を祝う盛大な洗礼式には、多くの人が招かれました。6人の妖精も招かれ、それぞれ願いを込めた魔法をかけていきます。最後に妖精の長リラが魔法をかけようとした時、悪の妖精カラボスが現れます。自分が招待されなかったことに腹を立てたカラボスは、オーロラ姫に「16歳の誕生日に紡錘(つむ)の針にさされて死ぬだろう」という呪いをかけました。人々がオーロラ姫を心配する中リラの精が王様に、もし針にさされても100年間眠るだけで死ぬことはありません100年が明ける頃、運命の人とのキスで目を覚ますことでしょうと伝えます。

オーロラ姫は成長し16歳の誕生日を迎えます。オーロラ姫には4人の求婚者がおり、彼らがバラをオーロラに渡し踊ります。しかしその後老婆に渡された花束に隠されていた針で指を刺してしまいます。その老婆は悪の妖精カラボスだったのです。オーロラが100年の眠りにつくとリラの精がやってきて国全体を100年の眠りにつかせます。

100年後隣国のデジレ王子が森で狩りをしていると、リラの精が現れ王子にオーロラの幻影を見せます。あまりの美しさに王子は一目で恋に落ち、リラの精とオーロラの元へ向かいます。カラボスを倒し、オーロラの元へたどり着いた王子は真実の愛のキスをします。オーロラは100年の眠りから目覚め、国全体も目覚めます。王子は愛を誓い華やかな結婚式を行います。

眠れる森の美女の魅力はまず、1つの作品で100年の時が流れることです。セットや衣装、オーロラ姫の成長を通して観ることができます。オーロラ姫誕生のお祝いと最後の結婚式のシーンはどちらも宴の場面なので変化が分かりやすくおもしろいです。また結婚式の場面での来賓たちの踊りも個性豊かで見ごたえがあります。赤ずきんや長靴をはいた猫、ブルーバードなどが登場します

 

さいごに

 今回は3大バレエについて見ていきました。3大バレエのすべての音楽を作曲したチャイコフスキーですが、この三大バレエを完成させたのは晩年の1891年のことでした。1893年に彼が最高傑作だと語る「悲愴」を完成させ、その初演から9日後に亡くなりました。「リズムの天才」と賞されたピョートル・イリイチ・チャイコフスキーの、情緒的で親しみやすいメロディーラインは、今もなお愛され続けています。今回紹介した3大バレエの中に気になる作品があれば劇場に足を運んでみるのもいいかもしれません。

 

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