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グレーゾーン解消制度について

公開日:2016.12.06

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今回は、産業競争力強化法におけるグレーゾーン解消制度についてご紹介します。

起業を行うときに、自分の考えた事業計画が法の規制との関係で問題ないかという点は非常に悩ましい問題です。そういったときに利用できる制度として、グレーゾーン解消制度があります。

グレーゾーン解消制度とは

平成25年12月4日に成立し、平成26年1月20日に施行された、産業競争力強化法におけるグレーゾーン解消制度は、事業者の提案に基づいて、規制改革を推進するための制度です。

グレーゾーン解消制度は、事業者が、現行の規制の適用範囲が不明確な分野において、具体的な事業計画に即し、あらかじめ規制の適用の有無を確認できる制度です。

経済産業省としては、事業開始後、規制当局又は利害関係者との間にトラブルが生ずることを未然に防止することによって、事業者が安心して新事業活動を実施できるよう、後押しすることを目指されています。

この制度は、新たな商品やサービスの開発、生産にとどまらず、生産性の向上に資する新たなビジネスモデルの採用や生産工程の高度化など、システム面で新規性のある取組についても、「新事業活動」として、制度の対象としています。

注意点

一連の手続きを経て確認されるのは、照会のあった法令に基づく規制の適用の有無に限定される点です。その他の法令に基づく規制の適用の有無については、別途、確認することが必要です。この制度は、法令の範囲を限定することなく、新事業活動が、その時点で運用されている全ての法令に基づく規制に照らし、「合法」であることを確認する制度ではないことに留意してください。

利用できる者

「新事業活動」を行おうとする者であれば、 規模、業種・業態を問わず、どのような事業者であっても利用できるほか、複数の事業者による共同での利用も可能です。また、企業だけでなく、NPO 法人や技術研究組合、複数の企業等によって組織されたコンソーシアムであっても、利用できます。

そして、ここでいう「新事業活動」とは、新商品の開発又は生産、新たな役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売の方式の導入、役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動であって、産業競争力の強化に資するものとして主務省令で定めるものをいう(産業競争力強化法2条3項、同施行規則2条)と、法律上広く定義されています。

結果が分かる期間

規制の適用の有無の照会に対する回答は、事業所管省庁から通知されます。通知は、原則として1ヶ月以内に行われますが、1ヶ月以内に通知できない場合には、その理由についても、1ヶ月ごとに通知されます。

照会に対する回答の公開の有無

個別の回答結果がそのまま公表されることはありません。他方、類似した複数の申請があり、回答内容について類型化・抽象化が可能な場合には、事業所管省庁又は規制所管省庁において、それらがガイドライン等の形で公表される場合もあります。

申請の流れ

経済産業省グレーゾーン解消制度利用の手引きをご参照ください。

活用実績

申請案件として、現在75件、例えば下記のような案件が公表されています。

【照会内容・結果】

現行の「特定商取引に関する法律」は、同法第 41 条で定義する「特定継続的役務」を事業者が 一定期間を超える期間に渡り、一定金額を超える対価を受け取って提供する場合、契約締結時の書面交付等を義務付ける他、クーリング・オフ制度や中途解約等の民事ルールを設けています。
これに関連して、今般、事業者より照会のあったインターネットを通じたプログラミング教育の提供が、「特定継続的役務」のうち、「電子計算機又はワードプロセッサーの操作に関する知識又は技術の教授」(いわゆるパソコン教室)に該当するか否か等について、照会がありました。

消費者庁及び経済産業省で検討を行った結果、今般の照会事業については、パソコンの操作に関する知識や技術の教授と一体不可分とならない限り、「特定継続的役務」に該当しない旨の回答を行いました。

【意義】

これにより、インターネットを通じてプログラミング教育を提供する新たなサービスが生まれ、高いプログラミング能力を有するエンジニアの育成に資することが期待されます。

詳細は、経済産業省グレーゾーン解消制度の活用実績をご参照ください。

 

まとめ

グレーゾーン解消制度は、使い方によっては非常に有用な制度ですので、ある程度論点が明確な場合には利用するとよいかもしれません。まずはこういった制度があることを知っておくことが重要だと思います。

 

 

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綴木 晴彦

1982年生まれ。中央大学法学部卒、中央大学大学院卒。教育系の企業にて執行役員として新サービス開発などを統括。ビジネスマンのキャリア開発、資格取得の支援などを行う。その後、人材系のベンチャー企業である株式会社ネオキャリアに参画し、事業部長として新規事業開発に従事。社内起業として行政書士法人jinjerを設立。外国人の就業支援・ビザ取得支援、会社設立支援、企業の資金調達支援、補助金取得支援などを行う。

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