「どこで・どんな上司と働こうが、その人の可能性が活かされる社会の実現を目指す」株式会社KAKEAI 本田英貴【起業インタビュー124回目】|起業サプリジャーナル

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「どこで・どんな上司と働こうが、その人の可能性が活かされる社会の実現を目指す」株式会社KAKEAI 本田英貴【起業インタビュー124回目】

公開日:2019.11.29

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組織が大きくなるにつれ、必ずと言っていいほど出てくる中間管理職を中心としたマネジメント層のスキルアップ問題。大きな組織であれば、(マネジメント層の)スキルアップとボトムアップの両軸で常に人事・経営層は頭を悩ませているのではないでしょうか?今回、取材をした本田氏は、そんな属人的かつブラックボックス化していたマネジャーのスキルをAIの力で解決することにメスを入れた起業家です。上司と部下の”掛け違い”をAIの力で解決するAIクラウドサービス「KAKEAI(カケアイ)」について、お話を伺いました。

 

プロフィール(株式会社KAKEAI 代表取締役 本田英貴氏)

筑波大学卒業後、2002年に株式会社リクルート入社。商品企画、グループ全体の新規事業開発部門の戦略スタッフなどを経て、㈱電通とのJVにおける経営企画室長。その後、㈱リクルートホールディングス人事部マネジャー。人事では「ミドルマネジメント層のメンバーマネジメント改善」施策や、「Will,Can,Must・人材開発委員会・考課・配置等」のデジタル化を実施。2015年リクルート退職後、スタートアップ数社での役員を経て2018年4月に株式会社KAKEAIを創業。

 

株式会社KAKEAIについて

事業内容について、教えて下さい。

上司と部下の”掛け違い”を AI の力で解決するAIクラウドサービス「KAKEAI」の開発・運営をしています。

 

 AIクラウドサービスの「KAKEAI」とは、どんなサービスなのでしょうか?

テクノロジーが進化し、私たちの生活やビジネス環境をより豊かに、そして便利にしてくれている現代となっていますが。組織における上司・部活の関わり方は、まだまだ属人的、かつ、ブラックボックス化されている領域です。KAKEAIは、そんな領域をAI × クラウドによって解決するサービスです。

特徴としては、2つあります。

①マネジャーの“思い込み”から変えていく

既存のマネジャーたちが持つ、勘や経験、思い込みから行われているマネジメントを変えていきます。

②上司・部下間のやり取りを可視化することで、人事・経営がより現場に介入していける様にする

これまで属人的、かつ、ブラックボックス化してしまい、可視化することの出来なかった上司・部下間のやり取りを可視化することで、人事・経営も的確に現場に介入出来る様にしています。

 

確かに“マネジメント”って属人的であるが故に、定量化したり体系化をしにくい領域だと思いますが、KAKEAIでは、それをどの様にして体系化しているのでしょう。

ポイントとしては、3つあります。

1つ目は、脳科学によるセルフアセスメントの実施により、個人の特徴を「見える化」します。

これにより、メンバーそれぞれが持つ異なった特性をグラフ化し、またその結果から上司が部下に対して実施すべき適切なマネジメント方法をAIから現場にアドバイスします。

そして、2つ目はメンバー同士が現場の変化をタイムリーに報告できる、「気づき」の設定です。

インターネットの発展により、これから益々リモートワークやサテライトでのやり取りが進んでいくかと思いますが、便利になる反面、部下が置かれている状況を上司が把握しづらくなるといった側面も持ち合わせています。KAKEAIでは、そんな部下が置かれている状況を、同僚やメンバーからキャッチアップする機能も設けています。例えば、ちょっと業務量が多くて疲弊しているAさんのことをプロジェクトメンバーのBさんから「Aさんは、こんな状況で困っています!」とアラート(=気づき)を出せる様なイメージですね。ここから出る「気づき」に対しても上司は、AIから適切な対応をアドバイス受けることが出来ます。

そして、最後は過去データをクラウド上に蓄積することで実現する、ナレッジの「レコメンドと共有」です。

部下からの「気づき」に対して取った対策や、これまで対応した面談等のログをクラウド上に蓄積することで、それを組織の上司間で共有することを実現しました。そして、行った対処の正否に関して、部下から評価がつく仕組みになっており、次回以降の対応改善とノウハウの蓄積としても機能しています。

それらを共有することで蓄積されたナレッジは、類似の問題に対してAIから「××な時は、〇〇した方がいい」といったレコメンドとしても同様に機能します。

それは上司にとっても嬉しい機能ですね!KAKEAIは、組織に関わる全てのメンバーが見るものになる認識ですよね?

そうですね。ただ、メンバーの階層によって確認できる項目が違うといった部分は当然あります。

 

一般的に企業に導入されている様な、目標管理の仕組みとはまた別になるのでしょうか。

そうなんです!KAKEAIで提供している領域は、目標管理・業務管理の領域ではない、ピープルマネジメントの領域に当たります。例えば、メンバーが業務過多で困っている・社内の人間関係で困っている・意見調整の間挟みで困っているなど、どの会社にもあるヒトとの関わり方、そしてそれをマネジメントする上司との関わり方を可視化するサービスになります。

ユーザーとなる企業は、どういった課題を持っているのでしょうか?

大手企業の場合は、現状行われているマネジャー・メンバー間の1 on 1ミーティングを見直したい・改善したいというニーズから、これまでマネジャー向けの研修をやってきたが、効果が不透明な部分を見直したい・研修に変わる次なるマネジメントスキル向上の施策を打ちたい!と思っている企業ニーズが大半となっています。

スタートアップの場合は、社員100名前後の急激な成長タイミングで起きる離職の防止策として、マネジャー・メンバー間のやり取りの可視化をしたいといったニーズなど。組織がおかれているフェーズによって、ニーズは多様化してきています。

 

「測る」ツールは沢山出てきていますが、測っているだけでは(組織は)何も変わっていかないと感じたんです。

サービスを思いついた経緯についても伺いたいのですが、KAKEAIはどの様にして生まれたのでしょうか?

キッカケとなった出来事は、2つありました。

一つ目は、リクルートに在籍時の業務が、正に【中間管理職の育成】だったのですが、育てる為に色々な施策を講じたところで、最終的には「現場に任せる」しかなかったのは当時から変わらずでした。もう一方で、人事異動に関しても「Aさんには、こっちの部署がいい」と理解していても、部署側の受け入れ姿勢や、そもそもそこに空きポストがないなど、データでいくら相性が数値化されていても、現実的にそれが100%うまくいくわけではないといった問題もありました。そうなると、ヒトがどの上司と働くかって、結局のところ「運」なんです。

「運」にも関わらず、最後は現場のマネジャー任せとなってしまう、この現状に対して(こういったサービスが必要になってくるだろう)と思った点が一つ。

二つ目は、現在の世の中において社員のモチベーションだったり、組織へのエンゲージメントなど、「測る」ツールは沢山出てきていますが、測っているだけでは(組織は)何も変わっていかないと感じたんです。

 

 なるほど。そこから、どの起業に至ったのでしょうか。

リクルート退職後にスタートアップを数社経験しているのですが、そこで事業の立ち上げ方・伸ばし方、資金の集め方などを一通り経験していく中で(これなら自分でも出来る)と自信がつき、起業することに決めました。

 

スタートアップへの転職で起業に近い経験をしたということですね。実際、それを実行してみる立場になったとき、想像通りに進んでいくものですか?

現在は、想像していた通りに進んでいます。ただ、実際に立ち上げた感想としては、想像以上に、毎日事業のことばかり考えているな、と感じます。例えば、夢の中でもお客さんに営業していたり、資金調達で金融機関を回ったり、社内で打ち合わせをするとか、そんなリアルな夢ばかりを見るんです(笑)

 

それは、すごいリアルな話ですね(笑)

たまに社内で会話していても、夢で話したのか?現実で話したのか?を混同する時が出てきますね(笑)

 

今後について

中長期的な展開についてお教え下さい。

【どこで・どんな上司と働こうが、その人の可能性が活かされる社会の実現】を目指して、サービスを拡大していきたいと考えています。その為には、現在はB to Bのみの展開ですが、それがto C向けに直接ソリューションを提供するという手法も出てくるかもしれません。オンラインスクールが既に色んな分野で普及している様に、何かに課題意識を持つ方たちが、自発的にそれを解決しようとする動きは、この上司・部下の関係においても、きっと出てくるであろうと考えています。

今、日本の組織が抱えている上司・部下の課題は何も日本特有の課題ではなく、世界の企業が抱えている課題であると思っているので、長期的には、サービスを国内だけにとどめるのではなく、海外展開も視野には入れて大きくしていきたいとも思っています。

 

最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

現在、弊社に問い合わせを頂いている各担当者の多くは、「自分の会社をもっとよくしていきたい」という強い想いをお持ちの方多く、その中でも大事なことは、マネジャー・メンバーの関わり方にもっと人事・経営がタッチしていかなければいけない、といった現在の人事トレンドの中でも、かなりイノベーティブな発想を持っている方が、とても多い印象です。

そういった方々の期待に応えるべく、これからもサービス改善に努めると共に、そういった方々も一緒に巻き込みながら、これからの社会の変化をつくっていきたい!という想いでいます。

現場のマネジャー・メンバーの関わり方に課題感をお持ちの方がいましたら、是非お気軽にお問合せを頂ければ幸いです。

 

 “社会”という枠組みで変えていく為には、まず組織一つ一つの変化からですね!上司に左右されることなく、個人が輝ける社会の実現を応援しています。今日は有難うございました。

ありがとうございます。

 

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