「こんなサービスが欲しいから、起業してみよう」
「自分の好きなことに特化したサービスをつくりたいから起業したい!」
「正直、自由な生き方に憧れる!」
様々な想いがありますが共通するのは
何かをカタチにしたいということ。
何かをつくってみたいということ。
そんな生き方に憧れるものの、
やっぱり初めての事業は不安も大きいし仲間もいないことがほとんど。
しかし世の中をよくする、面白くする可能性を秘めているサービスのアイディアは、なんと多いことでしょうか。
「起業」「副業」は時代のひとつのブームです。
しかし、ブームでできるほど甘くはないし、
事業モデル次第ではリスクが大きいものもたくさんあります。
そうした現代のニーズを叶える環境が今回、取材に伺った「TOKYO-DOCAN(トーキョードカン)」。
21人の高き志が集結したイベントの魅力を特集します。
◆ 「TOKYO-DOCAN」とは?
東京都の創業支援施設「Startup Hub Tokyo(スタートアップ ハブ トウキョウ)」(以下、SHT)が実施をしている、起業家育成プログラムです。
マサチューセッツ工科大学の起業家育成プログラムのメソッドに基づき、全7回のフィールドワークや講義を実施されています。
事業アイデアの創出から事業化までを体験できるので、これから事業をしてみたい人にはイチオシのベースキャンプ。
参加者は無料で受講ができ、年齢層も幅広く、6期は4人の中学生・高校生も参加をしていました。
世の中にドカンとインパクトをもたらす起業家の「たまご」が集まり、共に切磋琢磨できる、かけがえのない仲間とも出会える機会は非常に貴重ですよね。
名称の「DOCAN」とは、「他の誰でもない、自分のチカラ(DoとCan)で人生を切り開く術を学び、自分だけの仕事を創り上げましょう」ということを込め、「ドカン」という音で読んでいるネーミングセンスの高さも印象的です!
ちなみにfacebookページではこのプログラムに参加する人に関して、
こんな人集まれ!
・将来起業しようと思っている人
・自分の「好き」を仕事にしたい人
・起業アイデアが頭の中でモヤモヤしている人
・起業に向けて動き出しているが、事業化までの基礎ステップを学びたい人
と記載されていました。
◆「Startup Hub Tokyo」(SHT)とは?
東京・丸の内にある「Startup Hub Tokyo」は、起業を考えている人のための東京都の創業支援施設です。
1,000冊以上の書籍が並ぶ本棚がある共有ラウンジや、コンシェルジュによる起業相談、イベント開催など、無料で多数の支援メニューを受けられます。
ちなみに年末に当メディアは『【イベントレポート】先輩ママ起業家に学ぶマル秘・情報収集術。「1日10分で教養アップ!働くママ応援ガイド」』でも取材をさせていただきました。
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起業家の「たまご」たちによる熱いプレゼン21
今回のイベントでは、これまでの講義のまとめとして21人のプレゼンターが3分間のプレゼンテーションをし、講評を株式会社ゼロワンブースター 代表取締役の鈴木規文さんがされていました。
「DOCAN」というネーミングの企画だからか、プレゼンターは大人であっても非常に熱い人が多い印象でした。
一番後ろの席で取材をしていると、オーディエンスも集中をして聴いているのが伝わってきて、「このプランが実現されたらワクワクするな」「プラン実現に向けて頑張れ!」という非常にいい雰囲気です。
発表されていたビジネスモデルの傾向としては
- 自分が好きなものを、もっと周りの人たちにシェアしたい!という願いが込められた好きをビジネスにするモデル
- これまでの人生で自分が困ったことを解決する「あったらいいな」「これが必要!」という問題解決のモデル
- 周囲の人や社会課題としたテーマを取り扱い、「これが必要!」であるソーシャルな問題解決のモデル
に分けられるように思いました。
好きなことをビジネスにしているのは、高校生である風間 美海さんの『日本が作った洋画のパンフレットやグッズを海外市場で販売』や、
松野 ゆかりさんの『知識がない人でも花の良さを知れる・花を送れるサービス』、
原 詩織さんの『果物のプロが伝える果物専門のメディア×EC サイト』
がありました。
特に松野さんはスイートピーのお花を、参加者の方がお土産で持ち帰れるように準備をしてくださったり、原さんはご自身のプレゼンテーション中にドライフルーツのお試しを配ってくださったり。好きなものをみんなにシェアしようという気持ちと行動が伝わってきました!
自分がつらかったことや、大変だと感じることをビジネスにしているのは、
登壇者の中で唯一、紙でプレゼンテーションをした橘木 良祐さんの『ひきこもり版リアル脱出ゲーム「Hikip(hikikomori × Step)〜ひきこもりからのきっかけを〜」』、
酒井 理子さんの『子育て・家事に役立つプロダクトがまとまっている「テック子育てパッケージ」』、
望⽉皓笛さん(なんと中学生…!)の『学生運営による起業カフェ』
などがこれに該当するのではないかと思いました。
社会問題をビジネスとして取り組んでいるのは、こちらも高校生の美並 涼花さんの『妊婦さんとママさん限定のタクシー「フォーチューンタクシー」』、
赤塚 真貴子さんの『お産に不安を抱く女性向けサービス「お産の窓口」』、
渡慶次 りささんの『学童保育で多言語の出前授業を展開』
などがありました。
そうしてプレゼンターの熱い想いに心を惹きつけられます。
「これができてくれたらいいな!」と思っていても、講評の鈴木さんが現状の問題点をピックアップして投げかけていました。
こうしたイベント流れによって、個人事業主である私は、途中から
「自分が鈴木さんだったら何て指摘、もしくは質問をしているんだろう?」
という視点で、みなさんのプレゼンテーションを聞いていました。
ですのでビジネスが気になる人はもちろん、今、小規模でもビジネスをしている人は、人のビジネスモデルを聞いて「ここがわかりにくいな」という点が、自分もできていなかったり、全く気がつけていない視点で指摘が入っていたり。
ビジネスを振り返るきっかけにもなりますので、その観点で発表会に参加されるのも勉強になる時間でした。
◆起業家に必要なたったひとつのこととは
21人がプレゼンをすると、最後に鈴木規文さんの総評です。
0から1をつくるプロのお言葉に、会場が一丸となって耳を傾けていました。ここで起業家にとって必要な要素や不必要なことなどもレクチャーしてくださいました。
その中で特に印象に残っているのが
「悪夢がきたときに、乗り越えられるかどうか。
ここを乗り越えられるためには、本当にやりたいのか。そして、続けられるのかが問われる」
とおっしゃっていたことでした。
上手くいっているときに辞めることを考える人はそういません。
きっと、この記事を読んでくださっているみなさんも、人生でいろいろなことがそうだったのではないでしょうか?
けれど何事も上手くいかないときがあります。
特に事業をしていると、顕著に上手くいかないときが誰にでもきてしまうのです。
そんなときに逃げずに向き合うのかは、本人の想いが決定打になるはずです。
だからこそ、ビジネスにはサービスが市場に対してニーズがあることも重要ですが、それ以上に自分がやるべき理由が必要なのだと感じました。
「お金になるからやる」ではお金にならなくなったときに辞めたくなるでしょう。
「面白そうだからやる」では面白くなかったときに辞めたいですよね。
けれどその先に叶えたいビジョンがある人、創り出したい価値がある人こそ、起業家としてつらいときでもまっすぐに歩み続けることができるのだと感じました。
最後に、もうひとつだけ印象に残った言葉を紹介します。
起業家には必要な、たったひとつのことです。
あなたならなんて言いますか?答えは
〝Just Start〟
プレゼンターでも、この言葉を受け取っている方がいました。
また、そのときに「あなたのビジネスモデルは準備をするためのお金がかからないものだから、すぐにやってみて!」と。
もしもあなたのビジネスモデルが、このプレゼンターの方のようにお金がかからないなら、今すぐできることからスタートしてみることがよいでしょう。
そしてお金がかかる場合はSHTのようなところで、プロに相談をしたり、「TOKYO-DOCAN」へ応募してみるのもひとつでしょう。
まもなく第7期の募集が開始されるようなので、こちらにもご注目です。
次のチャンスを掴むのはあなたかもしれません。この春、どのようにお過ごしになられますか?