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1人会社の社長でも社会保険に加入することで得られる3つのメリット

公開日:2018.01.10

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会社を設立したら、社長1人の会社であっても社会保険に加入しなければなりません。

しかしながら、会社を設立したばかりの起業家の方から「社会保険に加入しなくても良い裏技はありませんか?」などという相談を受けることがしばしばあります。

私は、以前は「国のルールなので加入しなければなりませんよ」という法律面の話をして加入を促していましたが、私自身も色々と勉強していくうちに、社長が社会保険に加入することによって得られるメリットは意外に大きいということに気が付きました。

そこで、本稿では、社長が社会保険に加入することによって得られる3つのメリットについて紹介をしたいと思います。

 

社会保険には「収入保障保険」の役割もある

第1のメリットは、社会保険が「収入保障保険」の役割を果たしているということです。

社会保険は厚生年金と健康保険で構成されていますが、健康保険には医療費の軽減だけでなく、実は、収入保障保険としての役割も持っています。

1人会社の場合、社長が病気や怪我で働けなくなったら、会社の売上は立たなくなってしまい、当然、役員報酬を得ることも難しくなります。

もし、社会保険に加入していなかったら、貯蓄を切り崩して耐えるか、貯蓄が無ければその時点で「ゲームオーバー」です。社会保険に加入していない社長が加入する国保には、収入保障機能がないからです。

ところが、社会保険に加入している社長の場合は、役員報酬がストップしたら、健康保険の「傷病手当金」という制度を使えば、元の役員報酬の約3分の2が、最大1年6か月にわたって支給されます。

この期間に傷病手当金を受けながら傷病を治して、会社を立て直すことが可能になるのです。

 

障害や死亡に対する補償が手厚くなる

第2のメリットは、役員報酬の額によっては、国保・国民年金の場合と保険料の負担はほとんど変わらず、社会保険の手厚い保障を受けられるということです。

保険料の一例を挙げれば、たとえば、まだ起業したてで、あまり売上が立たないので役員報酬を月10万円とした場合、厚生年金の保険料は、月額17,934円(平成30年1月現在、本人負担分・会社負担分合計)です。これに対し国民年金の平成30年1月現在の保険料は月額16,490円です。国民年金の保険料に1,000円少々追加することで、厚生年金の条件で社会保障が受けられるのです。

厚生年金に加入していると、老後の年金額が増えることはもちろんですが、障害を負った場合には「障害厚生年金」、家族を残して亡くなった場合には「遺族厚生年金」が支給されます。

この点、社会保険に加入していない場合であっても、確かに国民年金から「障害基礎年金」や「遺族基礎年金」が支給されますが、たとえば、「障害厚生年金は3級まであるが、障害基礎年金は2級までしかない」とか、「遺族厚生年金は子の無い配偶者にも支給されるが、遺族基礎年金は子の無い妻には支給されない」、というように、基礎年金は厚生年金よりも支給要件が厳しくなっています。

また、金額面で見ても、社会保険に加入して障害厚生年金や遺族厚生年金を受け取ることができる人のほうが当然有利です。

 

万一の倒産時などのリスクヘッジになる

第3のメリットは、自己破産の場合のリスクヘッジになるということです。

経営者は会社の存続に全力を尽くすのは当然のことですが、やはり事業ですから、会社が倒産するというリスクを0にすることはできません。

中小企業では社長が連帯保証をしていたり、合同会社のように社長が無限責任を負っている事業形態もありますから、会社の倒産に伴い、社長個人も自己破産が避けれられないという場合も起こり得ます。

自己破産をすると、個人の預貯金などが無くなることはもちろん、民間の生命保険や個人年金保険なども解約して債権者への弁済に充てなければなりません。

しかしながら、国に納めた社会保険料は、たとえ自己破産手続を行った場合でも払い戻されたりすることは無く、自分が将来受け取ることができる年金額に反映されます。もちろん、将来受け取る年金が差し押さえられることもありません。

自己破産の際、たとえ老後の備えなどであったとしても、財産を隠していたことが発覚した場合には免責が受けられないなど大問題になりますが、社会保険の保険料を国に支払っておくということは、合法的に自己破産を乗り切って老後の生活に備えるための一手となるのです。

なお、同様に確定拠出年金の拠出金や、小規模事業主共済の掛金も、自己破産に際して払い戻されることはありませんので、さらにリスクヘッジをしたい方は確定拠出年金や小規模事業主共済に加入しておくこともおすすめです。

そして、社会保険料、確定拠出年金の拠出金、小規模事業主共済の掛金は、いずれも全額が所得税や住民税の計算をする際に所得から控除されますので、税制面でのメリットがあることも忘れてはなりません。

 

まとめ

足元のことだけを考えると、確かに社会保険への加入や社会保険料の支払いを負担に感じてしまうかもしれません。しかし、社会保険に加入しておくことで、怪我、病気、倒産など様々なリスクに備えられるというメリットがあるということも認識して頂き、是非正しく社会保険に加入して下さい。

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投稿者について
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榊裕葵

東京都立大学法学部卒業後、上場企業の海外事業室、経営企画室に約8年間勤務。独立後、ポライト社会保険労務士法人を設立し、マネージング・パートナーに就任。「社員から信頼される会社作りをサポートする」を経営理念として、顧問先の支援に当たっている。

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