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「企業を取り巻く法律トラブルと対処法」セミナーレポート

公開日:2017.05.11

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先日、「企業を取り巻く法律トラブルと対処法」セミナーに参加して来ました。

講演者は弁護士の武山茂樹先生です。

今回のテーマから企業の法務部の方が多かったのではないでしょうか。
直近の話題を含めた企業法務への事前対処、事後対処について、またその周辺知識を事例形式で解説いただきました。

ですので少しこの場で簡単なレポートを書かせていただきます。

 

事例 会社の出張でA旅行会社でチケットを取ったがA旅行会社が倒産してしまった。

これは最近話題になっただけあって、聞いたことあるのではないでしょうか。
もちろん破産してしまった場合は、財産を清算して分配しますが、残余財産によって弁済を受けることになります。

また弁済業務保証金という制度で旅行業を営む会社は旅行業協会に保証金を納めています。そこから一定金額保証してくれます。

この弁済業務保証金は、○○業を営む会社は~という制度としてもよくありますね。
例えば、宅建業を営む不動産会社です。

このあたりも周辺知識として解説されていました。

 

事例
当社(Y社)は、A社が製造する浄水器をいったん買い取り、消費者に販売していた(販売店方式)。しかし、販売していた浄水器に欠陥があり、顧客からクレームが殺到している。

ここは、販売店方式と代理店方式での違いも説明されていました。
今回は瑕疵担保責任(民法)と商法の特則ですね。
顧客からY社へ瑕疵担保責任の追及により、損害賠償や解除等。もちろん実務では代替品を納入したりしますね。
Y社とA社の関係は特別法による商法の特則により、損害賠償や解除等。

 

事例
弊社は、Y会社といい内装工事の施工業者です。今回、A社から服を販売する店舗の内装工事を受注しないかと言われています。しかし、初めて取引する業者なので、代金が本当に支払われるか不安です。

今回は、工事代金が支払われなかった場合の対処についてと、事前対処についてです。

まず、支払われなかったときは、

  • 内容証明郵便送付
  • (仮差押)財産が処分されないよう仮に差押える
  • 訴訟提起
  • 勝訴判決
  • 強制執行

差押える場合は、相手方に財産がないとできません。弁護士として相手方の資産を調べるのがとても大変と強調してお話しており、事前対処の時点で相談して欲しいとお願いしていたのが記憶に残ります。
次に事前対処についてです。
1、支払先の確保 こちらは、先払いにしたり、工事完了後に支払うのではなく、途中で支払いを受けることですね。
2、担保の設定 不動産に抵当権を設定、保証人の確保、債権譲渡担保といった手段があります。ただ、今回のような工事代金であれば、債権譲渡担保を選択することが多いようですね。

 

事例 今度、「美肌効果!最強!!」って化粧品の広告を打ちたいんだけど、これって法的に問題ないかなあ?

広告規制のお話ですね。広告はさまざまな法律で規制されていまして、また基準やガイドラインが多いです。

例えば、特定商取引法や不当景品類及び不当表示防止法ですね。

今回は、医療品医療機器等法です。「美肌」=特定の身体の部位の機能を増強、医薬品的な効果効能の表示になり、化粧品はあくまで「美しく見せる」「隠す」もの。よって「美肌効果」と謳ってしまうと、化粧品の効能効果の範囲を逸脱し、医薬品と誤認されるおそれがあるので、NG。また「美肌」という言葉もあいまいで、「最強」も実証できないとのことです。

 

事例 弊社は株主3人(すべて親族)の株式会社であるが、株主総会が開催されている様子がない。これって大丈夫?

株主総会は会社法の規定により毎事業年度の終了後一定の時期に召集する必要があり、また議事録を作成する必要があります。
しかし、株主総会は会議室でやる必要はないのです。またテレビなどでは大きなホテルで行われるイメージがつきますが、親族3人ならば、ご家庭の食卓とかでも問題ありません。
また、株主全員の同意があれば株主総会の決議は省略できます。

 

事例
会社の従業員が書いたブログが、盗用だとして、内容証明郵便が届いた。確かに、他者の書いたブログの一部をコピーして貼り付けている部分があった。

今回は著作権のお話です。

著作権は、

  • 思想または感情の表現である
  • 表現に創作性がある
  • 文芸、学術、美術または音楽の範囲に属する

この3つがあると、著作物として保護されます。例えば、小説や写真、歌詞などは、有名人が作成したものでなくとも著作権が存在します。しかし、アイディアや発明は、著作権としては保護されません。

 

この場合は、引用をすれば適法になります。引用をすれば著作権者の許諾も不要になります。

  • 他人の書いた部分と自分の書いた部分が明確に区別できること
  • 自分の著作部分が主であること

これが要件になります。
では、映画の違法ダウンロードも引用すれば問題ないのか?という話になりますが、これは、映画の著作部分が主ではないですね。

 

おわりに

以上が、今回のセミナーでした。短い時間でしたがボリュームがありました。さまざまな分野についてお話されていて、とてもタメになったと感じます。特に私もこのように執筆している身ですので、著作権には十分に気をつけていきたいと思います。

 

今回のセミナーはLEC東京リーガルマインドと東京商会議所の協同での開催でしたが、次回も開催されるとのことです。
詳細はHPのリンクを添付いたします。
テーマ:明日から使えるマネジメントの基礎知識~チームの力を引き出す「3つの柱」~

講演者:大庭聖司氏

場所:LEC東京リーガルマインド新宿エルタワー本校

参加無料の事前予約制になっており、先着順定員150名となっております。

LEC東京リーガルマインド

 

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投稿者について
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竹澤 駿

2017年に行政書士登録と同時に、行政書士法人jinjerの立ち上げに参画し、現在に至る。 外国籍の方の就労ビザの取得支援に特化し、サービス業を中心に一部上場企業から中小企業までの幅広い顧客を持つ。年間約300件の申請を手がけ、昨今は法改正のあった「特定技能」へも対応し、人材会社の新規事業の立ち上げ支援も実施。

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