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資金調達先としてのベンチャーキャピタル

公開日:2016.12.19

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創業当初の資金源となる3つのF

創業時には資本金や運転資金といった一定の資金が必要ですが、これらを確保する源は3つのFが中心となります。

1つ目のFはFounder(創業者)です。つまり自己資金が最初の資金源になります。
2つ目のFはFamily(親族)です。創業する際には家族の理解と協力が必要であるからです。親兄弟や結婚相手以外に祖父、祖母、叔父、叔母、従兄弟などから幅広く資金を募ることが考えられます。
3つ目のFはFriends(友人)です。

創業当初に必要な資金は、以上3つのFで賄うことが可能です。事業を軌道に乗せて、成長していく過程で事業計画を立案します。
事業計画に基づいて、銀行などの金融機関から資金を調達する、すなわち積極的な投資を行う段階が訪れると、3つのFでは資金を賄いきれなくなります。したがって、成長のために積極的な投資を行うには、資金力がある調達先と関係を築くことが経営者に求められます。

 

ベンチャーキャピタルからの成長資金確保

高い成長意欲を持つ経営者は、株式公開を目標として設定します。
株式公開を実現するためには、中長期的に高い成長率を持続しなければなりません。そのためには数千万円から億円単位の成長資金が必要になることから、選択肢の1つとして、ベンチャーキャピタルから出資を受けて資金を調達するという方法が考えられます。

ベンチャーキャピタルにとっての主要な収益源はキャピタルゲインです。
まず、魅力的な事業計画を持つ、有望なベンチャー企業の株を取得することで、成長資金を投資します。
そして投資先の企業が事業計画に基づいて株式を公開した後、保有している株を売却することで、株価上昇分の金額をキャピタルゲインとして獲得します。

投資を受けるベンチャー企業にとっては、ベンチャーキャピタルは株主になります。
株主からの出資には返済義務がなく、支払利息も発生しません。そのため中長期的に自社の事業計画に沿って活用することができます。しかしベンチャーキャピタルは株主であるため、経営者としては、その意向を尊重しなくてはなりません。

ベンチャーキャピタルとしての投資目的は株式を公開することであり、キャピタルゲインを獲得することです。株式公開時に、魅力的な株価がつくような売上と利益の高い成長を実現させることが、経営者に求められます。

 

ベンチャーキャピタルとの付き合い方

株式公開を目標とする企業にとって、ベンチャーキャピタルからの出資は魅力的です。ただし株式公開を断念する場合や、株式公開が困難であると判断される場合には、ベンチャーキャピタルは、その企業の株を売却します。
この売却は、「ベンチャーキャピタルが、別の株主をみつけて売却する方法」と「ベンチャー企業で資金を準備して株を買い戻す方法」という、大きく2つのパターンに分類されます。

ベンチャー投資の成果は3対4対3が基準になるといわれています。①株式公開を含めて期待水準以上の収益を獲得できる割合が3割、②苦労した末に期待を下回る資金の回収にとどまる割合が4割、そして残りの3割は倒産してしまう、という内訳です。ベンチャーキャピタルから資金を調達した企業が自社の株を買い戻す場合は、②の4割に含まれます。

ベンチャーキャピタルから資金を調達する場合、事業計画を達成できず、結果的に株式公開ができないと、株の買い戻しをすることを覚悟しなければなりません。ベンチャーキャピタルが別の株主をみつけて売却するケースが、さほど多くないためです。
もっとも、自社の株を買い戻すといっても、ベンチャー企業にとっては資金繰りの点で決して容易ではありません。3つのFを駆使して、苦労して買い戻し資金を準備したベンチャー企業の経営者を数多く知っています。

 

また株式公開に成功する場合でも、その過程でベンチャーキャピタルから社外取締役を送り込まれるなどの制約を受けることがあります。特にベンチャーキャピタルの株式保有率が高いほど、制約を強く受けます。
ベンチャーキャピタルの制約を回避するには、経営者の交渉力が重要です。交渉力を発揮して制約を回避した事例を紹介します。

ベンチャー企業J社は、ベンチャーキャピタルF社から出資を受けた約1年後、F社から社外取締役を送り込みたいという打診を受けました。
J社の社長は、F社に対し、社外取締役の条件を「売上や利益の増加といった事業貢献できる人材であること」と伝えました。条件伝達の背景には、F社には金融業界出身者が多く数字のチェックはできるが事業貢献できる人材がいない、というJ社の社長の仮説がありました。
結果的にJ社はF社向けの月例の業績報告をより詳細に行うことに落ち着き、交渉によって社外取締役を送り込まれる事態を避けることができました。

 

ベンチャーキャピタルと付き合う場合、経営者は交渉力を発揮することで、自社にとってメリットがない制約は回避すべきです。ベンチャーキャピタルからの制約を回避しつつ、事業計画を順調に達成して、株式公開を実現して下さい。

 

 

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