外国人留学生の雇用|ビザサプリジャーナル

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外国人留学生の雇用

公開日:2023.02.28

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はじめに

近年、グローバル化に伴い外国人人材を募集する企業が増えています。また、日本で働きたいと考えて留学に来る外国人も増加しています。そこで、外国人留学生の採用を検討している企業は、留学生を正社員として雇用するためにはどのような手続きを経なければいけないのでしょうか。

在留資格『留学』→就労系の在留資格への変更手続き

外国人留学生の多くは在留資格『留学』で在留していますが、『留学』では原則就労が認められません。その為、日本の企業で雇うには『留学』から就労可能な在留資格に変更する必要があり、その手続きの際に一般企業で多く採択されるのが19種類ある就労系の在留資格のうち、在留資格『技術・人文知識・国際業務(以下、技・人・国)』です。
しかし、『技・人・国』で外国人を雇うためには、従事させる業務内容と外国人本人の学歴や実務経験が要件に該当していることが必要になります。

技術・人文知識・国際業務

『技・人・国』業務は

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動
出入国在留管理庁ホームページ

と定義されています。

これは、「①理学,工学その他の自然科学の分野に属する技術を要する業務(技術)」、「②法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する知識を要する業務(人文知識)」、「③外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務(国際業務)」に分解することができ、いずれも専門性や学問的な技術や知識を必要とする業務と言い換えることができます。

つまり、特別な技術や専門知識が求められない小売店でのレジ業務や清掃員等の業務の場合は、この『技・人・国』に該当しない可能性が高く、どちらかというと技術者やマーケターなどのオフィスワーカー向けの在留資格です。

また、『技・人・国』を取得する際の具体的な条件や基準(上陸許可基準)は下記の通りです。

申請人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な技術又は知識を修得していること。ただし、申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは、この限りでない。

イ 当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。
ロ 当該技術又は知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。)したこと。
ハ 十年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連する科目を専攻した期間を含む。)を有すること。

 この法文では外国人が「①理学,工学その他の自然科学の分野に属する技術を要する業務(技術)」、「②法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する知識を要する業務(人文知識)」の仕事に就くために必要な基準を定めており、「学歴要件(イ・ロ)」と「実務要件(ハ)」に分けられています。

「学歴要件」では、従事する業務との関連性のある科目を専攻して大学や大学院で学位取得していることが求められます。なお、「大学」には、日本や海外の短期大学も含まれます。また、また業務内容と関連性を有する科目を専攻して日本の専門学校を卒業している者も、『技・人・国』の許可の可能性があります。

「学歴要件」を満たしていない場合も、就職先の仕事内容と関連性のある10年以上の「実務経験」があれば、要件を満たし『技・人・国』の許可の可能性があります。

つまり、従事する業務と関連性のある知識または経験を有していることが必要とされています。

但し、除外事項として、情報処理技術者として業務に従事する場合、下記のサイトで記されている情報処理技術関連の資格保有者・試験合格者であれば、「学歴要件」、「実務要件」のいずれも満たす必要がありません。

出入国在留管理庁ホームページ

国際業務

申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。

イ 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。
ロ 従事しようとする業務に関連する業務について三年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。

 次に、「③外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務(国際業務)」とは、翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝、海外取引業務、デザイン、商品開発等の業務を指します。『国際業務』の基準(ロ)は、就職先の仕事内容と関連性のある3年以上の「実務経験」です。ただし、翻訳、通訳、語学の指導に従事する場合は、大学を卒業していることに代えることが可能です。

 『国際業務』で採用する場合、当該企業で本当に国際業務の社員が必要なのか?を細かく確認されるため、企業において国際業務の重要性を立証する必要があります。例えばレストランでの翻訳・通訳業務の場合、1日に数組来る外国人客では、十分な量の「翻訳・通訳」が無いと判断されますが、来店数が多い店舗では『国際業務』の資格該当性があると判断されます。しかし、その場合であっても、外国語が堪能ではない外国人を「翻訳・通訳」として採用しても『国際業務』の資格該当性が無いと判断される可能性があるため注意が必要です。

 また、数組の来店であっても1組当たりに要する時間が多い携帯キャリアショップなどの場合、十分な量の「翻訳・通訳」があると判断される可能性もあるため、業務内容などの細かい立証はとても大切です。

おわりに

 技術者やマーケターなどのオフィスワーカー、翻訳・通訳として日本で働くために必要な在留資格『技・人・国』ですが、外国人留学生が『技・人・国』を取得し就労するためには、①従事する業務内容の資格該当性と、②留学生本人が許可基準を満たすことが重要です。

 就労するための在留資格は他にも多く存在し、資格によって業務の該当性や許可基準も異なります。外国人留学生の採用を検討する際はぜひご相談ください。

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