『スタートアップ期に立ち上げるホームページの注意点(前編)』で、起業時に制作するホームページの注意点7つのうち、前半3つを採り上げました。まだご覧になられていない場合は、前編記事から先にご覧いただくことをオススメいたします。
本記事では、後半4つの注意点についてお伝えさせていただきます。まずは、改めて7つの注意点を確認しましょう。
7つの注意点
- ホームページの目的を明確にする
- ターゲット層を明確にする
- 自社の強み・アピールポイント・差別化を表現する
- ページごとに誰に・何を・どのように伝えるかを考える
- ページは、量・質・更新頻度のしやすさ、のすべてを高める
- ページ流入を最大化する(SEO、広告、SNSなど外部連携)
- 継続改善あるのみ
4.ページごとに誰に・何を・どのように伝えるかを考える
1,2,3で、目的やターゲット層、自社の強みなどを考察・確定させたら、ホームページの構成を検討し、どのような階層でどのようなページ作りをするかを考えます。
通常、ホームページは数ページから数100ページと、複数ページで構成されます。各ページでは、その内容や目的、ターゲット層が微妙に異なってくるものです。そのため、ページごとに異なる戦略を立て、異なるコンテンツ要素を盛り込んでいきます。「ページごとに」ということが重要です。
例えば、新規顧客開拓のためのページと、既存顧客のアフターサービスを提供するページは当然、別ページになります。さらには、新規顧客開拓のためのページでも、「健康志向の見込み客」を開拓するページと、「高級志向の見込み客」の開拓ページは別ページとなり得ます。
このように、1ページごとに細かく細分化して役割を分けます。ページごとに検討する分類項目は「誰に・何を・どのように」です。それぞれについて検討することで、漏れなくダブりない検討を進めることが可能です。以下のようなイメージで作成すると良いでしょう。
例)
頁 | 誰に | 何を | どのように |
① | 健康志向の見込み客 | 健康を実現するための○○情報の提供 | 有名ライターに執筆してもらう |
② | 高級志向の見込み客 | 自社ブランド品の紹介 | 映像を利用してページに埋め込む |
③ | ***の見込み客 | ○○○ | △△△ |
5.ページは、量・質・更新頻度のしやすさ、のすべてを高める
ホームページは1回作ってすべて完了ではありません。常にアップデートが必要です。
具体的には、古いページの削除、新しいページの追加、既存ページの更新を継続する必要があります。更新頻度の高いホームページほど検索エンジンにも上位で引っかかりやすくなりますし、なにより見る人が何度も訪問してくれるようになります。
さらに、ページごとの質を高めることも重要です。競合他社のページを検証し、競合にはない要素を盛り込むなどの差別化も必要です。そのためには、社内ルールを定め、担当者や更新タイミング、更新内容などを明確にしなければなりません。
もっとも、ルールを定めても、ホームページを更新する技術がなければアップデートは実現できません。HTMLのプログラムをいじることができないのであれば、HTMLを変更しないでもホームページが更新できるための仕組みを最初から導入しておく必要があります。
HTMLのプログラムを直接触らないでもホームページを更新することができるツールとしてのオススメは「WordPress(ワードプレス)」です。これは、CMS(コンテンツマネージメントシステム)の一種で誰でも無料で利用することができます。ブログと同じような感覚で、簡単にページ更新ができますし、デザインテンプレートも豊富です。ほとんどのレンタルサーバで利用可能であることも大きな魅力です。
ただし、ホームページの初期制作の時点からWordPressを使って作っておくか、WordPressに対応した形式で作っていないと後から導入することはできません。できれば最初から検討しておきましょう。
6.ページ流入を最大化する(SEO、広告、SNSなど外部連携)
ページ流入を高める(アクセス数を高める)ことに関心のある人は多いでしょう。この数値が高いと、5の更新頻度を上げるモチベーションにもなります。
ただし、気を付けなければならないのが、やみくもにページ流入数を高めても意味がないということです。あなたの会社に興味を持たない1000人の訪問者がいるよりは、あなたの会社に強く興味を持つ20人の訪問者がいる方がよっぽど価値は高いです。そのためには、2で想定したターゲット通りのアクセスを獲得する必要があると共に、4で設定したページごとの内容に合わせたアプローチが必要となります。
以下に、アクセスアップの対策と気を付けるべきポイントを列挙します。
SEO(検索エンジン最適化)
アクセスしてほしい人が検索するであろうキーワードをページごとに想定し、そのキーワードをページ内に配置します。
現代では多くのSEOノウハウがあふれていますが、とにかく不自然にならないように実施することが必要です。キーワードの配置も多すぎてはいけません。見やすく、自然に読めて、価値ある情報発信を心がけましょう。
広告
検索キーワードを使ったリスティング広告が有名ですし、使いやすいです。
これにより、SEOによる自然検索(オーガニック検索)では難しかった“ビッグキーワード”からアクセスを期待することができます。細分化されたキーワードはSEOで狙い、広域系のキーワードを広告で獲得する、という戦略を組むと良いでしょう。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)活用
FacebookやTwitterなどのサービスが有名ですが、各種SNS活用は必須です。
ホームページだけだと企業と顧客とのコミュニケーションが一方通行になってしまいがちですが、SNSを取り入れると双方向のコミュニケーションに発展させやすいからです。その結果、ロイヤルティ(忠誠心)を高めることが可能となり、ロイヤルティの高い顧客層をホームページへ誘導することができます。SNS活用をどうするかも検討しながらホームページ制作に活かすとよいでしょう。
7.継続改善あるのみ
前述の通り、ホームページは一度作って完成はしません。最初に想定した通りに現実はうまくいかないものです。アクセス数が思ったより集まらないということもあるでしょう。
その時は、問題点を追及して、改善して、また問題点を見つけて・・・その繰り返しです。改善の結果、徐々に良いものになっていきます。
問題点の見つけ方は、「Google Analytics」などの分析ツールを利用すると良いです。感覚的にではなく、しっかりと数値データを根拠にしながら問題点を見つければ、自然と根拠のある改善策が浮かんできます。改善のサイクルを継続させ、良いホームページを作っていってください。
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