【イベントレポート】起業にまつわるオカネのはなしシリーズ〜起業するなら個人・法人どっち!?〜 前半|起業サプリジャーナル

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【イベントレポート】起業にまつわるオカネのはなしシリーズ〜起業するなら個人・法人どっち!?〜 前半

公開日:2018.08.30

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起業前に気になるお金の話!最近は、”フリーランス”や”個人事業主”なんて言葉もよく目にするし、、起業=法人設立というワケでも無くなってきていますよね。今回は、そんな起業前に気になる「お金」の話題から、個人事業主・法人設立それぞれのメリットを説明してくれるイベントに参加してきました。イベント内容の一部をレポートにてお届けします。

 

会場紹介〜Startup Hub Tokyoとは?〜

「東京都長期ビジョン」の都市戦略や政策指針の事業の一環として2017年1月27日にオープンしたインキュベーション施設です。起業を具体的に準備している人から、まだ検討段階の人まで、「これから起業しよう!」という思いを持っている人をサポートする場所となっています。

→施設の詳細に関してはコチラの記事から

 

登壇者紹介

加瀬 洋 氏(アカウティングフォース税理士法人代表税理士)
青山学院大学経営学部卒業後、公認会計士に合格。資格の学校TAC財務諸表論講師、監査法人トーマツ、ドリームインキュベータに歴任した後、税理士の兄と共に開業。現在、『従来の税理士業務を超えるサービス』をモットーに、創業支援を中心に新規気鋭の企業様のサポートに従事。トーマツにおけるIPO支援、ドリームインキュベータ時代のベンチャーインキュベーション及び戦略コンサルティングの経験を活かし、経営者の視点に立ったサービスに注力している。

 

レポート一部:自分に合った起業を見つける

イベントの前半では、起業時に悩む「個人事業主」としてスタートするか、「法人設立」をするか、という論点に対して加瀬氏から「自分にあった起業を見つける4つの評価軸」と「事業展開にあった会社形態」をレクチャー。

 

個人事業 or 法人設立、自分にあった起業を見つける【4つ】の評価軸とは?

加瀬氏:起業をする際、個人事業主でスタートをするか・法人設立をするか、というお悩みに対しては、4つの視点で判断するのが良いと思っています。

1つ目は、『社会的信用の有無』です。
例えば、皆さんが行う予定の事業が”居酒屋”だった場合。
お客様が利用するお店を選ぶ際には、「店舗の運営主体が株式会社だから・個人事業だから」という基準で選ぶことは、無いですよね?通常であれば、美味しそうだから・安そうだから、という理由が先にくるかと思います。これは、その事業を行う上で『社会的信用』が売上に直結しない事業の例です。
別の例を挙げれば、“訪問介護や老人ホームを運営する事業”を行う場合。
利用者の身内の方は、自分たちの親が利用する事を検討する際に、その運営主体が信用に足る所かどうか調べることがあるかもしれないですよね。運営主体が大きな会社であれば、安心するかもしれないですし、個人経営の場合であれば、会社の場合と比べて少々不安に感じること事もあるかもしれません。つまり、皆さんが行おうとしている事業が、「社会的信用を必要としているのか、いないのか」を考えて、どのような器で事業をスタートするかを検討した方が良いのです。
仮に社会的信用を必要とする事業であれば、法人設立(株式会社)の形態でスタートすることをオススメします。

2つ目は、『設立時のコスト』。
設立時にどれくらいの費用がかかるか?という話ですが、『設立時のコスト』という点では、個人事業主として始めた方が低コストでスタートできます。もっと言うと、個人事業主自体は、極論するとスタートする段階では0円で始められます。”開業届”を、税務署に出せば良いだけですので、特にお金はかかりません。一方、法人の場合は、設立時の登記費用として株式会社であれば25-30万円、合同会社であれば10-12万円のコストが必要となるのが一般的です。「スタート時は、なるべくコストをかけずに始めたい」という場合であれば、個人事業主を選んで下さい。

3つ目は、『税金』。
こちらに関しては、ケースバイケースとなっており、事業規模の大小で変わってきます。皆さんが始められる事業の規模が大きくなれば、法人設立の方がメリットを受けられますし、そんなに事業規模が大きくないという話であれば、個人事業主の方にメリットがあります。ここでいう規模の目安は、一年間の売上が1,000万円を超える場合、もしくは、売上から費用を引いた所得が400万円を超える場合です。この金額を超えるような事業規模が見込まれる場合は、法人を設立して始めた方が、個人事業主と比較して税務面で有利になり易いです。

最後は、『融資』。
創業時の資金調達方法の一つとして検討されることの多い日本政策金融公庫の融資。現在、同行では創業時に無担保・無保証で融資を受けられる制度があります。無担保・無保証の融資の場合、社長が何かしらの保証をするという行為抜きに、会社で融資を受けることが出来ます。そのため、(当然そうならないように経営すべきですが、)万が一、会社が倒産してしまったとしても、法律上、社長個人の財産に影響が及ぶことがありません。一方、個人で融資を受けた場合には、無担保・無保証関係なく、自身の手持ち財産(家・車・株など)も含めて返済を求められる事になります。創業融資を利用する場合は、会社として借りた方が万が一の時に対するリスクヘッジが出来ます。

このように、皆さんが考えている事業が『社会的信用の有無』・『設立時のコスト』・『税金』・『融資』、それぞれの観点で、どちらに向いているのかを判断しつつ、それに優先順位をつけて、個人事業主としてスタートするか・法人設立としてスタートするか、判断されるのが良いと思います。

 

会社設立は、自分の働き方と事業展開に合った形態を選ぶ!

加瀬氏:「会社を立ち上げよう!」となった時に、どの会社形態が良いか?という話ですが、日本の主要な会社形態は5つとなります。

 

・株式会社

・合同会社

・社団法人

・財団法人

・NPO法人

 

一番メジャーな形態としては「株式会社」です。株式会社を選択するメリットとしては、株式会社と付くことによる、「社会的な安心」や「知名度の付与」があります。更に、株を発行してお金を調達することが可能になりますので、資金を柔軟に集められる利点も株式会社にはあります。

次に「合同会社」ですが、合同会社のメリットは、「設立コストの低さ」です。株式会社と比較して、半分以下のコストで設立出来ます(約10-12万円)。ただ、所得と経営が分離していないという点、要は、お金を出す人が経営者になってしまう点においては、株式会社と比べて多少自由度が低くなってしまうこともあります。一昔前では、合同会社自体、知名度の低い会社形態ではあったものの、最近では合同会社を設立する人も増えてきて、合同会社という形態自体の知名度は徐々に上がっている傾向にあります。設立コストを抑えて、スタートさせたいという方には、合同会社から始めるのをオススメします。

 

最後に、「社団法人」「財団法人」「NPO法人」ですが、こちらのメリットとしては、税務上、税金のかからない取引があり、「税務面」で優遇されている点があります。加えて、「イメージ的に公的・オフィシャル感を演出できる」点もメリットになるかと思います。これから始める事業に、社会性や公的な一面をアピールして事業を展開していきたいという方や、税務上のメリットを受けたいという方であれば、この3つの法人の中からスタートさせるのをオススメします。
ただ、手続きが少し煩雑になっており、NPO法人であれば設立に5~8ヶ月の時間を有するなど時間がかかってきます。また、設立に必要な人数も、1名から始められる株式会社・合同会社とは違い、社団法人であれば最低2名、財団法人であれば最低7名、NPO法人の場合は最低10名と、それぞれの形態によっても変わってきます。そういった制約も勘案して、どの形態でスタートするか検討する必要があります。

 

おまけ〜知っている様で知らない、オカネの小ネタ〜

最後にイベント中、加瀬氏から出てきたオカネに関する小ネタをご紹介!知っているようで知らない、編集部も思わず、「へ〜」と頷いてしまった話の要点を簡単にご紹介します。

 

え!領収書っていらないの?実はレシートで良かった!領収書・レシートの違いとは?

・一番の違いは、宛名を入れる項目があるか・ないか。

・経費処理上は、レシートでもOK!

・ただ消費税法の観点から、一回の支払いが税込で三万円を超える場合は、支払った人の名前が無ければ消費税を減らせる効果がない、というルールがある為。三万円を超える支払い時には、領収書を貰って置いた方が良い。

 

知らないと損!「金融機関」と「投資家向け」融資の説明は、実は別に用意しておくべき!?

・金融機関と投資家では、お金を出した見返りとして求めているものが違う。
・金融機関の大きな関心は、貸したお金と利息分が滞りなく返済して貰えるかどうかということ。
・(その為)金融機関(銀行)向けの事業説明では、事業が安定的に儲かっていくという保守的な説明に注力した方が、納得してもらいやすい
・一方、投資家の大きな関心は、投資した先がどれだけ儲かって伸びてくれるかということ。
・(その為)投資家向けの事業説明では、調達した資金を活用して飛躍的に伸びる成長性・将来的な魅力に注力して説明した方が良い。

→第二部では、起業に必要な「資金」をテーマに、
・【オカネの準備】事業スタート時のお金の集め方
・【オカネの借り方】創業資金であてにすべきは〇〇
上記内容のレポートをお届けします。お楽しみに!

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