販売情報でも、仕入情報でも、在庫情報でも、会計情報でもデータで管理することが当たり前となっています。しかし、規模が大きくなるに従ってデータ量も膨大になり、人員もたくさん割きながら、時には残業もたくさんしながら対応しないといけなくなってきます。
一方、それと同じくらいの膨大なデータ量を管理していても、効率的に業務を回している会社もあります。この違いを解明することで、業務効率のヒントが得られます。
データの無駄な保管方法
特に気を付けないといけないのが、自前でエクセルやアクセスを作り込んでそれでデータ管理している場合です。
表形式でデータを管理する際には、項目レイアウトなどを十分に検討しないままデータをため込むと危険です。不整合の発生や、ミスの増加、多重登録の必要性など無駄がどんどん出てきて、管理に手間と労力が膨大にかかってきます。
例えば以下のような販売データがあるとします。
販売日 |
商品コード |
商品名 |
商品単価 |
販売数量 |
2018/3/1 |
Xxxx001 |
電子部品A |
1,500 |
2 |
2018/3/2 |
Xxxx002 |
プラスチックB |
23,000 |
1 |
2018/3/3 |
Xxxx003 |
基盤C |
4,400 |
3 |
2018/3/4 |
Xxxx001 |
電子部品A |
1,500 |
5 |
エクセルシートなどでこのようなレイアウトで保存していると問題が発生します。
注意すべき問題点
その問題とは、無駄な入力項目が発生しているということです。
この無駄な入力項目の発生により、データ不整合の発生の可能性やミスの増加の可能性が高まり、何度も同じ情報を入れなおす作業が発生してしまいます。
無駄な入力項目とは、以下の赤く囲んだ箇所です。
どうして無駄かといいますと、商品の名前や単価は、商品コードに紐づいて一意に決まる項目だからです。本来は、わざわざ毎回入力する必要はありません。
ところがこのレイアウトだと、販売の都度、品目名称や単価を入力しないといけない状態です。どこかで名称の入力間違いなど発生すると不整合となりますし、ミスや無駄な労力を使うことになります。
このような積み重ねで、膨大な無駄が発生していくのです。
どういうデータ管理が理想なのか。
データ管理の基本は、マスタ情報を独立して管理するということなんです。
マスタ情報とは基本となる情報で、この例でいうと「商品」です。「商品」は「商品マスタ」として独立させて管理するのです。
エクセルでいうと、シートを分けて商品の基本情報だけを管理する表を作ります。
商品コード |
商品名 |
販売単価 |
仕入単価 |
Xxxx001 |
電子部品A |
1,500 |
800 |
Xxxx002 |
プラスチックB |
23,000 |
11,000 |
Xxxx003 |
基盤C |
4,400 |
3,000 |
この商品マスタを作ったうえで、販売管理は以下のようにすればいいのです。
販売日 |
商品コード |
販売数量 |
2018/3/1 |
Xxxx001 |
2 |
2018/3/2 |
Xxxx002 |
1 |
2018/3/3 |
Xxxx003 |
3 |
2018/3/4 |
Xxxx001 |
5 |
商品はコードだけを入力すればいいので、圧倒的に楽になります。不整合の可能性はほぼゼロになりますし、超効率的なデータ入力が可能です。
これを作っておくと、あとから仕入管理を足す場合にも、以下を足して商品マスタを共通利用しればさらなる相乗効果が得られます。
仕入日 |
商品コード |
仕入数量 |
2018/3/15 |
Xxxx002 |
5 |
2018/3/18 |
Xxxx003 |
10 |
2018/3/19 |
Xxxx002 |
37 |
2018/3/22 |
Xxxx001 |
4 |
まとめ
ちょっとした工夫や、ちょっとした正しい知識によって莫大な無駄をなくすことが可能です。働き方改革が進むこの時代。ベンチャー・中小企業に合わせたちょっとした改善活動を進めて、効率的な業務運営を目指してみませんか。