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【イベントレポート】Japan Venture Awards 2018

公開日:2018.02.14

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今年で17回目を迎えるJapan Venture Awards 2018に参加をしてきました。世の中に新しい革新を起こす新進気鋭のベンチャーの集い。熱気につつまれた会場のイベントレポートをお届けします。

Japan Venture Awardsとは?

独立行政法人中小企業基盤整備機構が主催する志しの高いベンチャー企業経営者を称える表彰制度。

審査の基準は大きく分けて4つとなっています。

・新規性・革新性(Innovation)
・成長性・将来性(Growth)
・経営者の資質(Entrepreneurship:意欲、キャリアの活用度や経営方針など)
・社会性・地域性(Model:社会貢献性、地域での雇用創出、他の模範となるなど)

2000年からスタートした同イベントはこれまでに260名超の経営者を表彰しており、世の中に新しい価値を発信するベンチャー企業と、そのベンチャー企業の成長を支えるベンチャーキャピタリストの2者をそれぞれ称える表彰制度となっています。

 

JVA2018 受賞者紹介

2018年に表彰された11名を紹介。どの企業の取り組みも素晴らしく、今後の活躍に目が離せない企業となっています!

 

[ 経済産業大臣賞 ]

株式会社ミライロ 代表取締役社長 垣内 俊哉氏

障がいを価値に変える「バリアバリュー」を企業理念に、高齢者、障害者などの多様な方を対象としたユニバーサルデザインのコンサルティング(施設、製品、デザイン)、ユニバーサルマナーの研修、障害者モニターによる調査、バリアフリー情報共有のアプリ開発ならびに運用などを展開。

 

[ 中小企業庁長官賞 ]

株式会社MUJIN CEO 兼 共同創業者 滝野 一征氏

「産業用ロボットを知能化することで、社会的課題の解決に貢献し、生産性向上に寄与する」を理念に、全ての産業用ロボットの操作を共通化し、知能化する知能ロボットコントローラ「MUJINコントローラ」の開発・販売及び自動化ソリューションの提供。

 

コネクテックジャパン株式会社 代表取締役 CEO 平田 勝則氏

人と人、技術と技術、企業と企業を結び、「変える力」と「つなぐ力」で世界初に挑戦し続ける同社。世界初極低温極低荷重実装技術「MonsterPAC」をコア技術にIoT実装技術革命に挑む。

 

[ 中小機構理事長賞 ]

株式会社ツーセル 代表取締役社長  紘一郎氏

「再生医療を通じて世界の医療や人々の健康に貢献する、21世紀のグローバル企業」を目指すバイオベンチャー。再生医療の産業化を目指し、体性幹細胞の一種である、間葉系幹細胞(MSC)をターゲットとし、MSC周辺の培養技術や再生医療システムの構築に取り組んでいる。

 

株式会社光コム 代表取締役社長 福沢 博志氏

もの創りニッポンのリーディングカンパニーを目指し、光コム形状測定システムの開発・製造・販売及びそれらを応用したスマートファクトリー推進事業を展開。

 

[ JVA審査委員会 特別賞 ]

株式会社Liquid 代表取締役 久田 康弘氏

「生体認証で生活をより便利に安全に。」をミッションに、】①クラウド型生体認証サービス「PASS」、②洋服向け画像解析システム「Symbol Scanner」、③空間画像解析システム「My City」、の提供・運営を手がけている。

[ eコマース推進特別賞 ]

株式会社エアークローゼット 代表取締役社長 兼 CEO 天沼 聰氏

日本初の普段着に特化した女性向けファッションレンタルサービス「airCloset」を運営。ライフスタイルの変化がはげしい女性を対象に、ファッション×ITで新たな価値を提供している。

[ ワークライフバランス推進特別賞 ]

株式会社minitts 代表取締役 中村 朱美氏

「1日100食限定」がコンセプトの飲食店「国産牛ステーキ丼専門店 佰食屋」「佰食屋すき焼き専科」「佰食屋肉寿司専科」を3店舗展開。過酷な労働環境のイメージが強い飲食店の働き方改革にも取り組み、シングルマザーや障害者・高齢者が働くことができる環境整備と組織の仕組みづくりに力を入れている。

[ バイオ産業推進特別賞 ]

サンバイオ株式会社 代表取締役社長 森 敬太氏

脳梗塞、外傷性脳損傷、アルツハイマー病等、既存の医療・医薬品では対処できない中枢神経系領域の疾患を対象にした再生細胞薬の研究、開発、製造及び販売を手掛ける。シリコンバレーでも起業した経験を持つ森氏が、日本から再生医療分野のグローバルリーダーを目指す。

 

[ ベンチャーキャピタリスト奨励賞 ]

プライマルキャピタル 代表パートナー 佐々木 浩史氏

 

モバイル・インターネットキャピタル株式会社 ディレクター 元木 新氏

 

パネルディスカッション「スタートアップと エンジェル投資の未来像」

エンジェル投資家が集まり、それぞれの立場と視点で、日本のスタートアップ支援の未来像について熱く議論を交わしたパネルディスカッションの内容を一部書き起こしで紹介します。

モデレーター:レオス・キャピタルワークス株式会社藤野 英人氏

スピーカー:公益社団法人 日本ニュービジネス協議会連合会 会長 NSGグループ 代表 池田 弘氏、一般社団法人 TXアントレプレナーパートナーズ 代表理事 國土 晋吾氏、D4V Founder & CEO 高野 真氏、個人投資家、千葉 功太郎氏

 

藤野氏:資金提供だけではない、エンジェル投資の魅力についても伺いたいと思います。まずは高野さん、お聞かせください。

高野氏:エンジェル投資の魅力というと、投資をされる側(ベンチャー企業側)・する側(エンジェル投資家側)の2つの魅力があると思っています。私自身、ベンチャーキャピタル(以下、VC)としてもエンジェル投資家としてもそれぞれ経験があるのでその差を体感しているのですが、まずVCというのは他人のお金なんです。従って、他人のお金を使って投資をする時に最も重要視されるのは「パフォーマンス」です。しかもVCの場合だと、大体10年という期間が決まっています。一方でエンジェル投資家の場合ですと、必ずしもパフォーマンスではないです。「この人に投資してあげたい」「この人をサポートしてあげたい」と言った、「思い入れ」の部分も加わりますので、投資をされる側から見た時のエンジェル投資家というのは、より経営者目線に近い目線とメンタリティを持って接してくれる魅力があります。投資をする側としての魅力の1つは、想い入れを持った投資先の成長というのは、得られる対価(リターン)以上に「一緒にやってきた」という喜びが大きいです。

 

藤野氏:ありがとうございます、千葉さんいかがでしょうか?

 

千葉氏:「夢」ですね。エンジェル投資家の魅力は、個人が叶えたい夢をレバレッジをかけて実現する方法なのではないかなと思っています。私自身はテクノロジーを通じて、社会課題を解決する様なベンチャー企業が本当に大好きなのですが、投資の先には常に日本を良くしたいな、と考えています。(中略)エンジェル投資家として、その起業家の描いている夢に、お金+αのサポートをしなければならない。ただ起業家自身は1人なので、起業家同士で切磋琢磨出来る環境であったり、日々起きる難問題を解決する場であったりを提供するサポート組合の様な位置付けで、私自身では千葉道場というコミュニティを三年半ほど運営していたりします。

 

藤野氏:元々、千葉さんはベンチャー起業家(投資をされる側)から現在のエンジェル投資家(投資をする側)として活動をされていますが、それぞれの立場を経験した上で活きていることはありますでしょうか?

 

千葉氏:そうですね。前職のコロプラは当時2人からスタートをし、現在では社員1,500人を超える東証一部上場企業になっていますが、その過程で経験した様々な苦労や成長過程をダイレクトに起業家に伝えられるという点は非常に効率的に活きていますね。投資をされるベンチャー側がつまずいてしまうであろう問題も予測をして解決が出来たりなど、最短距離で良い成長が出来るアドバイスに繋がっています。もう1つが、私の経験や情報も時代の流れと共に古くなってしまうので、今の起業家が直面する課題を学んで、吸収する事が出来る。以前は前職1社の経験だったものが、今度は投資先50社を含めた経験が一同に集まってくる、これは現在の立場として面白いな、と感じています。

 

フォトレポート

当日の会場をフォトレポートでお届け。来年は是非このイベントに参加・足を運んでみてはいかがでしょうか。

※ほぼ満席となっていた会場の様子

 

※表彰式の様子① eコマース推進特別賞を受賞した株式会社エアークローゼット天沼氏。

 

※表彰式の様子②経済産業大臣賞を受賞した株式会社ミライロ垣内氏。

 

※表彰式の様子③

 

※交流会での様子①。表彰された企業のブースには長蛇の列が出来ていた。

 

※交流会での様子②こちらはベンチャーキャピタル側との交流の様子。

 

編集後記

満員の会場と熱気につつまれた同イベント。会場の雰囲気もそうだが、登壇された方が口にしていた「昔はベンチャーなんて言葉もそうだし、こんなイベントも無かったんです。今はとても恵まれた環境になりつつある」という言葉が印象的でした。日本はまだまだベンチャーに流れるお金の意味でも米国と比較すれば10分の1と言われるのかもしれないですが、起業する事に対するハードルやチャンスが数多く掴める環境への過渡期にいるのかもしれない、と感じた編集部でした。

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