仕事をしている最中や通勤途中に怪我をしてしまった場合、「労災保険」という社会保険が利用できるのはご存知の方も多いのではと思います。
しかし、いったいどの範囲までが労災の対象になるのかはなかなか分かりづらいもので、実際ちゃんと把握されている方はあまりいらっしゃらないでしょう。
そこで、今回の記事では、具体的なシチュエーションを紹介しながら「こんなことでも労災って下りるんです!」ということを解説していきたいと思います。
そもそも労災保険って・・・
「実は労災保険ってよくわかってないんだよね」という方のために、まず労災保険の概要について確認しておきましょう。
労災保険とは、仕事中や通勤中に起こったことが原因で生じた病気やケガなどの補償を行う保険です。仕事中・通勤中のことは「労災保険」、プライベートのことは「健康保険」と理解しておけばいいでしょう。
ちなみに、労災保険は労働者であれば自動的に強制加入となるので、会社がとくに手続きをした認識がなくても実は自動的に加入しています。(※経営者が加入する場合には手続きが必要です。)
治療費は無料!
仕事中にケガをして労災保険を使う場合、健康保険と違って窓口負担は一切ありません。つまり無料です。そもそも仕事が原因だから本人負担させるのは可哀想だよね・・・という理屈からこのような制度になっています。
欠勤する場合は所得補償も
病気やケガが会社を休まなければならないほどの重症だった場合には所得補償も受けることができます。具体的には、おおよそ月給の8割程度欠勤した期間について給付金が下りることになります。
具体的なケース
通勤中、駅の階段で転んで骨折
ではここから労災が下りる具体的なケースを見ていきましょう。朝の通勤ラッシュでは急いでいる人がとっても多いので、駅の階段なんかで転んでしまう人をよく見かけますよね?それが原因で骨折などのケガをした場合には、「通勤災害」として労災が下りることになります。
「転んだソイツが悪いんじゃ?」と思う方もいるかもしれませんが、そもそも通勤をしなければ転ぶこともなかったはずなので、それは労災保険で補償しようじゃないかというのが社会保険の考え方になります。
職場のドアに指を挟んだ
急いで仕事をしている時など、オフィスでケガをしてしまうのは割とあるあるなんじゃないかと思いますが、そのほとんどが労災保険の対象になります。例えばここに挙げているようにドアに指を挟んでケガをした場合なんかでも対象です。
営業中に見知らぬオジさんに絡まれ殴られた
外には色んな人がいるので、自分に何の落ち度がなくても絡まれてしまうことがあります。そんなことが原因でケガをしてしまった場合でも、実は労災保険で治療を受けることができます。
ただ、もちろんこれは立派な傷害事件になりますので、相手が逮捕されるなどして特定できる場合はその人は治療費を弁償することになりますが。