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起業するときはビジネスモデルが「I」か「We」かを意識しましょう

公開日:2019.01.15

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起業するにあたって、どのようなフィールドで起業するのかは誰もが考えることです。飲食業、IT産業、コンサルタント業、士業など、起業するフィールドは様々です。

この点、どのようなフィールドで起業する場合であれ、もう一歩踏み込んで、起業家が意識しておいたほうが良いことがあります。それは、自分が「I」のビジネスを行おうとしているのか、「We」のビジネスを行おうとしているのかということです。

 

「I」のビジネスと「We」のビジネス

「I」のビジネスとは、起業家自身の高いスキルを活かしたビジネスモデルです。たとえば、飲食業の場合であれば起業家自身が一流シェフで、本人の高いスキルを売りとして、洗練された料理を提供するレストランを開店するような場合です。あるいは、士業やコンサルタント業であれば、起業家が大企業や有名コンサルティングファームで経験を積み、そのスキルを活かして独立した場合ということになるでしょう。

一方、「We」のビジネスとは、起業家自身のスキルに頼らず、仕組みやチームワークで運営されるビジネスモデルです。飲食業であればファストフード店やラーメン店などが想定されるでしょう。士業であれば給与計算や登記など、パターン化・仕組化された業務を、大量かつ反復継続的に請け負うようなビジネスモデルが考えられます。

 

「I」のビジネスの場合の留意点

「I」のビジネスでは、起業家自身が事業の生命線になります。ですから、起業家自身は本業に集中したり、自身のスキルを磨き続けたりする時間を確保する必要があります。

従業員を雇用するのであれば、起業家自身の右腕、左腕になって脇を固めてくれる人材が最適でしょう。起業家本人と考え方が合っていて、相性が良いかが採用のポイントになってくると思います。

また、経理や総務などのバックオフィス業務においては、事務担当者を早期に雇用するか、あるいは、税理士や社会保険労務士と契約して、起業家本人がバックオフィス業務で悩まないよう全面的にアウトソーシングしたほうが良いでしょう。

 

「We」のビジネスの場合の留意点

「We」のビジネスモデルでは、起業家はできるだけ自分が実務の歯車の1つにならないように気を付けなければなりません。

起業当初は起業家本人もプレイヤーの1人にならざるを得ないのは仕方がないにせよ、「We」のビジネスでは、企業家本人は「仕組み」の構築や、その「仕組み」が自分無しでもちゃんと機能しているかをチェックすることが本来の役割です。いかに早く起業家本人が本来の役割に集中できるようになるかが事業成否のポイントと言っても過言ではないでしょう。

「We」のビジネスで採用を行う場合は、起業家本人との相性が良いにこしたことはありませんが、それよりも大切なのは、協調性を持ち、仕組みの中でルールを守ってしっかりと働いてくれる人を集められるかどうかということです。

 

まとめ

起業をする予定の方に話を伺っていると、起業家自身が「I」のビジネスを行おうとしているのか、「We」のビジネスを行おうとしているのか明確にイメージできていない場合が意外と多いものです。

「I」のビジネスと「We」のビジネスでは、起業家本人の役割は大きく異なります。採用をするにあたっても「I」のビジネスと「We」のビジネスでは必要とする人物像が異なります。

最初は「I」のビジネスモデルであったのを、事業が大きくなってきたことを機に、仕組化して、途中で「I」から「We」に変更するというようなことももちろん可能ですが、起業家は、現時点で自分が目指すべき方向が「I」なのか「We」なのかを意識し、それに合った振る舞いをすることが重要だということです。

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投稿者について
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榊裕葵

東京都立大学法学部卒業後、上場企業の海外事業室、経営企画室に約8年間勤務。独立後、ポライト社会保険労務士法人を設立し、マネージング・パートナーに就任。「社員から信頼される会社作りをサポートする」を経営理念として、顧問先の支援に当たっている。

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