ママソルジャー集団ここにあり!~多様な働き方でママが輝く会社へ~【起業インタビュー第46回】|起業サプリジャーナル

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ママソルジャー集団ここにあり!~多様な働き方でママが輝く会社へ~【起業インタビュー第46回】

公開日:2017.10.20

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Web制作の中で、Webディレクションに特化した事業を行っている株式会社flap(フラップ)。今回お話を伺った小沼さんは、結婚と出産を期に会社員を辞め、フリーランス、フリーランスチームを経て起業したという経歴を持つ方です。

ご自身の働き方の変化や、全ての関係者が幸せになるために経営者として考えていることなどをお話いただきました。

 

小沼 光代
中央大学卒業後、専門商社、企画会社を経て株式会社サイバードへ。主に企業向けのソリューション、キャンペーン等の企画・ディレクションを担当。その後、2008年よりフリーランスのWebディレクターとして大手クライアントのBtoC案件を担当。2014年、自身の経験から「出産後も女性がWeb業界で働ける環境を」と株式会社フラップを設立。

 

Webディレクションという仕事、フリーランスとしての働き方

Webディレクションについて教えてください。

Webディレクションとは、インターネットコンテンツを作りたいクライアントと、実際に現場でコンテンツを制作するデザイナーやエンジニアなどの間を取り持ち、それぞれ双方の調整役を行う仕事です。

例えば、キャンペーンサイトを作りたいクライアントから仕事をいただき、開発・運用までの工程を示し、エンジニアに対して工程に沿って制作するよう、監督・指揮・管理をします。クライアントからは、コスト面、スピード面、その他にも仕様の変更など多くの要望を承ることがあります。もっとも、エンジニアやデザイナーに対して徹夜を強いてまで働かせ、無理難題を押し付けるということはしたくありませんから、クライアントへはしっかりと予算や工程、期間を説明し、適正なプランを提案します。

10年前までは、Webディレクションという仕事の知名度も低く、クライアントへWebディレクションの予算を組み込んだ見積もりを提示すると、「指示・命令は自社でできるから削ってくれ」ということでカットされていました。最近ようやく、Webディレクターが間に入ることで業務が円滑に進行するという理解が深まりつつあります。

 

サイバードに所属していた会社員時代からWebディレクターとして活躍していたということですが、フリーランスになってからの働き方はどうでしたか。

フリーランスは、とにかく働き方が自由でした。もちろん、仕事を取りに営業も自分でしなければいけませんが、Webディレクションというプロジェクトごとに進行する業務の性質から、プロジェクトが終わったら時間が空いて好きなことをして、ふらっと遊んで、子育てもしてと。

一方で、一人で仕事をしているから孤独でした。プロダクトを完成させた喜びを分かち合う仲間がいませんから。

 

“ちゃんとしたい”―けじめのつけ方

フリーランスとして軌道に乗り、フリーランスチームを組み、そして起業に至ったわけですが、どうして会社を作ったのでしょうか。

“ちゃんとしたい”という想いが強かったことが大きいですね。一人でやっていたときは、子供も小さかったということもあり、子育て中心の生活で、そんなに売上が多くありませんでした。その後、フリーランスチームを組み、人数が増え、売上が多くなってきたところで、お金を管理する私が“元締め”みたいになってしまいました。みんなが作った売上にもかかわらず、私の口座にお金が入って、そこからマージンを抜いて給料を支払う。そうすると、私自身なにもしていないにもかかわらず、お金が入ってきてしまうような感覚に陥ってしまったんです。

そういったところに嫌気が差して、しっかりとお金を管理しようということで、会社を作りました。フリーランスチームを法人化することによって、みんなで働いて稼いだお金の一部を会社にストックして備品を購入したり、次の事業につなげたりと、スッキリする形になりました。

 

法人化したことによって心境や環境は変化しましたか。

責任感が大きいことです。会社にするということは、スタッフを守るという側面が発生するので、ものすごく恐怖心がありました。それは今も変わらないですね。

ただ、うちにいるスタッフはみんな優秀ですから、極端な話、うちがなくなっても、何とかなる人ばかりなので、その点少し安心して仕事に臨めます。

また、働き方がガラッと変わりました。経営者という立場上、会社としてやることがないという状況を発生させてはいけません。会社を成長させるためにも、自分で仕事を見つけに行くので、以前のようにフラッと遊んでいる場合ではなくなりました。良い緊張感が生まれて、メリハリのある生活になったと思います。

 

株式会社フラップに“ママソルジャー集団”あり

スタッフの方のほとんどが家庭と仕事を両立されている女性とのことですが、どういった働き方をしているのでしょうか。

自由な働き方をしていますのでリモートワークや時短出社も可能です。ただ勘違いしてもらいたくない点は、緩く働くのではなく、スタッフ全員が本気で働ける環境を求めてフラップに来てくれているということです。

最近ようやく、働き方改革ということで多様な働き方が世の中に認められつつありますが、それでも多くの日本の企業は、9時に出社して18時に退社していますよね。そうすると、時短社員になるか、アルバイトやパートにならないと、家庭と仕事の両立は難しいと思います。

もし育児や家庭を大切にするのならば、ある程度勤務時間を短くしないと子供の幼稚園や保育園の送迎が難しくなってしまいますし、子供が熱を出すことだって度々ありますから、そうしたらいつでも家に帰れないといけません。家庭を大事にする方にも活躍してもらいたいですし、そういった方が満足して働ける必要があります。

先日お会いした方から、「フラップを一言で表すと、“ママソルジャー集団”ですね」と言われて納得してしまった自分がいました。(笑)うちのスタッフは、17時に退社したあと、家庭のことをやって21時から2時間程度仕事をこなしています。皆さん自立したフリーランスだからこそ、本気で取り組むからこそ、家でも仕事をしているようです。

 

小沼さん自身も子育てと仕事を両立されるために大事にしていることはありますか。

特に心がけているのは、食事はちゃんと作ることです。1日24時間しかないなか、仕事をしながら子育てをするとなると、完璧に両方をこなすのは難しいです。ですから、どこかで手を抜いてもいいと思っていますし、反対に手を抜いてはいけないところだってあります。子供が大きくなった時に自分にとってのおふくろの味を考えた時、それはやっぱり、母である私が作った食事であってほしい、と思っています。でも、「お母さんが干した布団」とか、「お母さんが掃除した部屋」は“おふくろの味”と比べるとあまり聞きませんし、別に乾燥機を使っても、ルンバが掃除してもいいと思います。しかし、子供に大きな影響を与える食事には手を抜けません。もちろん、毎日全ての食事を手作りしているわけではなくて、お惣菜や冷凍食品に頼ることもありますが、なるべく手作りしたいと思っています。

 

フラップに関わった人を幸せにするために

今後のフラップの目指しているものなどありましたら教えてください

多様な働き方をこれからも取り入れたいと考えています。Web業界の慣習なのか、クライアントのみなさんの多くは夕方から活動が始まります。夜型の方が多いんですかね。夕方から打合せが始まったり、夕方に指示があって朝までに納品するよう求められることもあります。だから、Web業界では小さな子供がいる女性が働くのは簡単ではなく、肩身が狭い思いをすることも少なくないのではと思います。

フラップでは、徐々にクライアントさんの理解が進み、どうしてもやむを得ない事情がなければ日中の時間帯への調整をして下さるようになってきました。また、Web会議も導入されつつあるなど、働き方が大きく変化していると感じています。

また現在、自社サービスのスタートに向けてラストスパートをかけているところです。自社事業を始めることによって、「2時間だけでも働きたい」、「完全にリモートで働きたい」などさらに働き方に幅を持たせることができる可能性があります。うちは「ママソルジャー集団」です。もっと多様な働き方と、働く場所を提供し、多くの方が輝ける場所になればいいなと思います。

 

常に私が考えていることは、フラップを大きく成長させたいということです。小さな会社で、待遇もよくないにもかかわらず、スタッフのみんなはフラップへ飛び込んできてくれました。また、スタッフの後ろには家族がいて、休めない仕事が入ってきたときには、家族の理解があった上で、仕事をしてくれる。そんなスタッフや家族の皆さんへ何か返さないと申し訳ないなと思うんです。

そしてフラップの経営理念の中に「すべてのお客さま、従業員、パートナーを笑顔に」というものがあります。スタッフへは、少しでも会社を成長させることで還元し、お客様へはクオリティの高いものを納品し、パートナー(社外エンジニアやデザイナー)のみなさんも満足していただけるように、間違っても徹夜して心身がボロボロになるようなことのないよう、仕事量や費用面などをしっかりと調整していく。そうして多くの方を幸せにしたいと、そう願っています。

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投稿者について
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竹澤 駿

2017年に行政書士登録と同時に、行政書士法人jinjerの立ち上げに参画し、現在に至る。 外国籍の方の就労ビザの取得支援に特化し、サービス業を中心に一部上場企業から中小企業までの幅広い顧客を持つ。年間約300件の申請を手がけ、昨今は法改正のあった「特定技能」へも対応し、人材会社の新規事業の立ち上げ支援も実施。

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