あなたのマイスター~壮大なサービスづくりの根底に大義名分あり~【起業インタビュー第32回】|起業サプリジャーナル

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あなたのマイスター~壮大なサービスづくりの根底に大義名分あり~【起業インタビュー第32回】

公開日:2017.07.26

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「社会に貢献できるものを生み出したい」と語られるのは、サービスEコマースをビジネスにしているユアマイスター株式会社の星野貴之さんです。星野さんはEコマース業界で日本トップシェアを誇る楽天で同社代表の三木谷氏を間近に見ながら経験を積み、海外に比べて遅れている日本のEコマースを何とかしたいという想いで独立を決意した起業家です。

 

星野 貴之氏

慶應義塾大学経済学部卒業後、2010年楽天株式会社に入社し、楽天市場事業にて年間MVP、全社社長賞などを受賞。2013年には九州全域の副責任者を担当。グロービス経営大学院にてMBAを取得後、2014年楽天初の幹部候補生プログラムに最年少で選出。2015年IRに異動後、国内のEコマースをメインとして増資・決算・投資家対応を担当。2016年8月にユアマイスター株式会社を設立。

 

永続するビジネスの根底にあるものは大義名分

起業したきっかけを教えてください

営業マンとして新卒で入社した楽天で、配属された部署が当時の基幹事業である楽天市場の九州エリアでした。右も左も分からなかった僕にとって、この一年目が人生で一番つらかったのを今でも記憶しています。

もっとも、お客様が優しく、ときに厳しく私を育ててくれたおかげもあって、当時、全国トップの売上を誇る九州エリアでナンバーワン営業マンになることができ、同時に日本一になったんです。

その実績を評価いただいたこともあり、また若い人材を積極的に抜擢してくれる楽天の社風もあって、25歳でマネージャーを経験させていただきました。そのとき、九州エリアの売上規模は数百億円から一千億円以上に拡大しました。これだけの影響を与えるとなると、九州という街の産業が変わり、さらには雇用を生み出し、これがビジネスの醍醐味なのか、と強く実感したんです。

その後、楽天の役員候補生として、グロービス経営大学院に通わせてもらいながら、IRに異動し、Eコマースをメインとした投資家対応を担当しました。海外の投資家が多い楽天のIRでは、海外のEコマース事情を知ることができたんですが、当時はサービスEコマースが登場していて、併せて日本のEコマース市場が遅れていることを思い知りました。

楽天のIRでは、大株主の対応となると代表の三木谷さんが対応するんです。すぐそばで、一緒に仕事をしていて、この人みたいになりたいな、なるにはどうしたら良いのかなと思うようになっていきました。ただ、楽天の役員では三木谷さんにはなれません。だからベンチャー企業への転職などを考えていました。

実際、ベンチャー企業の社長のオファーもいただいていました。しかし、楽天のビジネススケールを活かした仕事とベンチャーでは、どちらが社会的価値を生めるか、自分の成長を望めるか、と天秤にかけると楽天のほうが優れていました。

そんなときにNET jinzai bank社の志水社長と出会いました。志水社長から起業を勧められて、上場企業を支援するファンドの紹介をいただき、チャンスを活かそうと思い、今に至ります。

 

星野さんから見て、三木谷さんとはどういった方なのでしょうか。

一緒に欧州などにグローバルオファリングなどで行かせてもらい、本気で世の中を変えようとしている様子や話を聞いていると社会貢献という大義名分を成し遂げるのは自分であるという意思、そして実行に移そうとする決断力を間近で見て、人の上に立つリーダーになる人は三木谷さんみたいな人なんだな、と思い知りました。私は小さい頃から政治家で世の中へ貢献をしようと考えていましたが、ビジネスを通した社会貢献が実現されていていくのを見て、そのスケール感と影響力で私も実現しようと決めることができました。

 

「社会貢献という大義名分」とはなんでしょうか

まず利益を追求しただけのビジネスは、永続的なビジネスにはなりえません。利益を生み出してくれるユーザーやパートナー企業は、社会貢献に共感した上で、お付き合いをしてくれるんですね。

そして、社会貢献とは、世の中を良くするということです。例えば、伝統工芸や職人の技術を後生に伝えていく、ということです。そのなかで、もっとも大きな社会貢献は、意味のある雇用を生むこと。短期的な雇用創出でなく長期的な雇用を生む、雇用が生みづらい職人のところにこそ雇用を創出する。これは社会的に価値があることだと思います。

その点、楽天は価値を生み出し続けています。

僕たちも同じように、「雇用を生むサービス・場所を作りたい」、「途絶えそうな技や能力を継承できるような仕組みを作りたい」、そういった社会に貢献するという大義名分を持って、ユアマイスターを設立しました。

 

みんなが幸せになる世の中に

「あなたのマイスター」について教えてください

僕たちのサービスである「あなたのマイスター」とは、それぞれのプロとユーザーをマッチングする、サービスEコマースのプラットフォームです。

例えば、ハウスクリーニングを依頼したいユーザーは、パートナー企業として契約しているハウスクリーニングのプロを「あなたのマイスター」を通して紹介しています。

BtoCで物販を取り扱うEコマースだと楽天市場が有名ですが、サービスEコマースの場合、BtoCでモノではなくサービスを取り扱います。僕らが目指しているプラットフォームは、楽天市場のモノがサービスに置き換わったものです。

 

そうすると、社会貢献は具体的にどちらにあるんでしょうか。

ハウスクリーニング業界全体には、IT化が進んでいないという弱点があります。ですから「業者ごとにサービス・料金にばらつきがあり、比較できない」、「電話のみしか対応していない」、「そもそも職人の技を知る機会が少ない」などユーザーが感じる課題が多くあります。

一方、中小企業が成長しない理由、ベンチャー企業の廃業率が高い理由の一つに、経営効率が悪いということが挙げられます。いまだに、資料のやり取りはFAXを活用したり、帳簿はノートで付けている、という中小企業はまだまだたくさんあって、このアナログがインターネットに置き換わるだけでも大幅な効率改善が見込めます。経営効率が高まれば、安定して収益を生み、最終的には雇用へとつながる。ですから、顧客企業が、「あなたのマイスター」を使い、受注システムのIT化、そして僕らが提供する経営効率を高めるノウハウを吸収することで、僕たちは社会貢献を果たしたと言えるんです。

「あなたのマイスター」というプラットフォームで、パートナー企業は経営効率を高め、受注することで最終的に雇用を生み、ユーザーには、プロの仕事を受ける機会の提供をし、世の中の不を解消できたら、みんなが幸せになると思いませんか。

 

代表は後ろを振り向かず、前だけをみる

設立からちょうど1年を迎える今、星野さんが力を入れていることはなんでしょうか

今は組織作りに注力しています。その一環として、リファラル採用をメインに人を集めるということには、時間を割いています。

 

どういった人材に声をかけているのでしょうか

リーダークラスと若手とでは求められることが違いますが、リーダークラスとしての条件は、「マネージメントができること」です。ユアマイスターという会社を大きくすることを前提に組織作りをしていますから、早い時期から幹部として活躍できる人材に参画していただきたいと思っています。

「自走できる力」も必要だと思います。いま、僕が組織作りに注力できるのは、営業・開発などそれぞれの部門のリーダーが責任を持って業務に臨んでくれるからです。だから僕はみんなに背中を預け、後ろを振り向かず、前だけを向いていられるんです。

そして、みなさん共通で持っていて欲しい力は、「応援される力」です。自分たちに自信がないというわけではありませんが、僕たちベンチャー企業はいつ無くなるかもわからない存在です。

ですから、この会社だったら成功して欲しいな、応援したいな、と相手から思われるような力がサービスやプロダクトの良し悪しを超えて必要になる時が出てくるかもしれないと考えています。

 

(事務所を見渡すと)学生のインターンが多く在籍していますね

そうですね。いまは社員よりインターン生のほうが多いです。もともとインターン制度に力を入れていたわけではないんですが、最初に出会ったが学生たちがすごくて、それはもう大人顔負けに仕事するやつらばっかりで。今の学生たちってこんなに力あるのか、と驚きました。同時にそれは、ユアマイスターの希望を垣間見た瞬間でもありました。

こうして立ち上げた事業が、「RELIVERS」というオウンドメディアです。インターン生を中心に運営している「RELIVERS」では、住まいや暮らしに関する情報発信をしています。

実は、僕は今は慶応高校のソフトテニス部で監督もしていまして、学生と出会う縁を大事にしたい。

今では「RELIVERS」もユアマイスターの重要な事業の一つです。

会社事務所の入り口に掲載されている社員に向けたメッセージ

―ユアマイスター株式会社は、ここで働く人にとっては、成長するためのある場所です。そして、その自らの成長によって世の中に貢献することを共通の目的としています。(一部抜粋)―

 

壮大なサービスを作り上げるために

今後のサービスの展開について教えてください

「あなたのマイスター」の最終形は複合モールです。その壮大さを基準にすると、サービスの仕上がり具合は、まだ全体の一合目くらいです。

これから成長する市場で、かつ競合が少ないハウスクリーニングというカテゴリーでまずはナンバーワンをとる。その上で、しっかりと組織、業務オペレーションを形にし、成功パターンをつくる。これが直近の目標です。

 

というと、今はある意味、勉強期間でもあるんですね。

そうです。そのあと、修理、ダビングなどカテゴリーを一つひとつ増やしていき、様々なカテゴリーが組み合わさって、サービスの複合モールになる、という構想です。

リクルートで例えると、飲食ならホットペッパー、美容ならホットペッパービューティー、不動産ならスーモといったように、カテゴリーごとにブランドがありますが、僕らは、複合カテゴリーとして、「あなたのマイスター」という1つのブランドを確立します。

そのためにも、今は足元をしっかりと固めていこうと思っています。

 

パートナー企業の反応はいかがでしょうか

おかげさまで良いお付き合いをさせていただいています。立ち上げた当初、ハウスクリーニング業者にも営業をしていたんですが、口コミが広がり、今ではほとんど営業をしていません。それだけ、パートナー企業に付加価値を提供できているのかな、と思います。

また、受注という売上に直結する仕事を提供することも大事ですが、それを上回る、経営効率を高めるという付加価値を提供できるような仕組みをつくり、ユアマイスターと付き合うメリットを感じてもらいたいと考えています。

そして、ユーザー、パートナー企業に対して社会貢献という大義名分のもと、世の中のタメになる、永続するサービスを提供したいと思います。そのためにも僕らの壮大な夢である「あなたのマイスター」をメガサービスにし、今できる一つひとつのミッションを地道にこなしていこうと思います。

 

編集後記

インターン生に関する話の中で、「優秀な学生が多い理由には、そもそもスタートアップに興味がある学生がうちを選ぶことにもあります。だからみんな自走する力を持っていることが多いし、実際、卒業したメンバーのなかには起業している人もいます」とありました。「だから、インターンに来てくれた学生には、仕事の面白さを全力で教えます!」とのことです。これも後進育成という大義名分なんだなと思い、同時に、星野さんのブレない信念を感じたインタビューでした。

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投稿者について
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竹澤 駿

2017年に行政書士登録と同時に、行政書士法人jinjerの立ち上げに参画し、現在に至る。 外国籍の方の就労ビザの取得支援に特化し、サービス業を中心に一部上場企業から中小企業までの幅広い顧客を持つ。年間約300件の申請を手がけ、昨今は法改正のあった「特定技能」へも対応し、人材会社の新規事業の立ち上げ支援も実施。

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