iPhoneをリリースしたジョブズが仲間と飲む酒は、どんな味がしただろう【起業インタビュー第31回】|起業サプリジャーナル

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iPhoneをリリースしたジョブズが仲間と飲む酒は、どんな味がしただろう【起業インタビュー第31回】

公開日:2017.07.19

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―今回はWeb集客や成果獲得に特化したMOLTS、ミナオシの代表取締役のそめひこさんにインタビューをお受けいただきました。

 

寺倉そめひこ氏

1987年生まれ。立命館大学を卒業後、経営コンサルティングファーム、広告代理店、藍染師を経て株式会社LIGに参画。入社1ヶ月半でマネージャーに就任、その後新規事業の立ち上げ、企画、事業構築、採用など幅広く行う。2015年3月に人事部長、同年9月に執行役員就任。2016年3月に株式会社MOLTSを立ち上げ、5月から本格稼働をスタート。オウンドメディア、人事領域を中心に複数のパートナーとプロジェクトベースで活動する。

 

転職か起業か?

―そめひこさんの経歴を教えてください!―

新卒で経営コンサルティング会社に入社し、広告代理店へ転職し、その後藍染を行なっていました。最初に2社入って気づいたのですが、「この人と働きたい」と思える人に出会えなくて、じゃあもうこれは「自分でやるしかない」と思いまして、やるからには徹底的に0からスタートしてやろうと、知識人脈経験何もないところに飛び込もうと思い、「職人だ」となり、藍染を行ないました。藍染すごく大変で、人生を舐めていましたね。今はとても反省しています笑

1年半くらい修行をして、綺麗にある程度コントロールして色を吹き込むことができるようになったタイミングで、そろそろマネタイズしようかと考え始めて、ではどうやってマネタイズしていくか等を検討していたのですが、なかなか難しくて。

それで、いろいろインターネットを使って調べてみたら、前職先のWeb製作会社の記事を見つけました。

なにをやっている会社なのかわからなかったですが、この記事を書いている人たちと一緒に働きたいと思い、求人に応募したら拾ってもらえました。

 

―前職は、なぜそめひこさんを採用しようと思ったのでしょうか―

おそらく、情だと思います。拾ってやらないとかわいそうって感じたのでしょう笑

前職では、メディア事業や人事業務をやりました。

メディア事業も人事業務も今までやったことがなく、大変でしたけど正直楽しかったです。あまり大きな声で言えないですけど、仮に「残業代はやらん。」と言われても仕事をしていたと思います。それだけ仕事が楽しく熱中して、また多くを勉強できました。

藍染時代に、死に物狂いでお金を稼いでは藍染に打ち込んで。誰も支えてくれる人はいなかったので、0から学んで形にして明日を活きて未来につなげるみたいな生活が続いていて。そのときの生活が生きたなと、「あ、ここで線につながるのね」みたいな。

 

―事業責任者になってまで退職したのは?―

前職と私の考えの間で少しズレが生じていたことにあります。事業責任者がズレを感じていると、下にいるものもズレを感じて、歯車くるっちゃう。なら、潔くいなくなった方がいいと思いました。

 

―転職については検討されましたか―

実は、転職しようと考えてました。

いくつかの魅力的な企業からも声をかけていただいたのですが、結論として転職しませんでした。

いろいろ悩んだのですが、やはり僕は甲子園にいきたいというか、「なんか目標に向かって気の合うやつらと走って、達成していくその協働体系が好き」で、ある程度出来上がっている会社に入って合うのかっていうと、どうだろうかと思いました。迷惑かけるんじゃない?って。

そうしたら独立しかありえませんでした。つまり、消去法で独立しました。独立失敗したら、頭下げて誘ってもらったところに入れてもらう気満々でいたけど笑

 

―それでMOLTSの設立ですね―

不安がなかったかと言われたら、そりゃ不安でしたけども、「一人で生きていける覚悟」みたいなものは、そもそも藍染時代から変わりませんし、案外するっと登記しましたね。

 

何を仕事にしたいかより、誰と働きたいか!

―そめひこさんは“ヒト”を軸とした働き方ですよね―

基本的には、なにを仕事にしたいかより誰と働きたいかを重視しています。ですから今回のMOLTSでも特にやりたいことがあったわけではないです。

 

―今回のMOLTSの採用はいかがでしたか―

現在いるメンバーは、リファラル採用が3人であとは、wantedly経由です。wantedlyでは、90名くらいの応募がありました。

採用する基準はいろいろあるのですが、最後に決めるのは「好きかどうか」です。

MOLTSの理念は、「美味い、酒を飲む。」です。どうしたらうまい酒が飲めるかを考えます。例えば、ジョブズがiphoneを発表して世界が沸いたとき、そのチームは絶対うまい酒が飲めたと思います。そういう美味い酒がのめそうかなーと自分に問いかけて、飲めそうとなったら採用します。正直絶対この人は組織に対して貢献します、みたいな採用は今現時点のMOLTSでは厳しいと思っていて、あとは会社のカルチャーや、枠組みの中でアジャストは自分がどこまでその人と一緒にやっていく覚悟があるかみたいなところで決めますね。

また、しっかりと時間をかけてヒトを選別していられないというのもあり、リファラルとwantedly経由という今の形になっています。wantedlyでは、私自身が気になった人材に声をかけて一本釣りをしています。現在は6名ですが、7月にさらに1名増えて7名となります。10人程度まで増やします。

 

これから思い描くものは上手い酒を飲むこと!

―起業して一年ですが、今はどんなことをやっていますか―

現在は、コンサルティング業務とメディア運営です。メディアについては、近いうちにリリースする予定です。コンサルティング業務は、以前からお付き合いがある方からお仕事をいただいたりしています。もちろん前職とはバッティングしないように注意しています。

 

―チームの状況はいかがですか―

少し特殊な組織論ですが我々のチームは、知的労働者でないとやっていけません。チーム全員がフリーランスの方みたいに、自ら動ける人であることがいいと考えています。それこそ、出社義務はないですし、お給料もインセンティブでガンガン変わります。どういうやつらと一緒に働きたいかを考えていき、また目標に愚直なチームを作ろうとしたら、危機意識を感じ続けられるチームであることが重要だと思います。

今のメンバーはとても個性的でプロフェッショナルな集団です。例えば、WEB集客に特化した人間、マーケティングに特化した人間、エンジニアに特化した人間などがいます。みんながプロフェッショナルな人間であり、それぞれが自分で考えて動いてくれています。しかし、それと同時に、メンバー全員が同じ方向性を持っているかが難しいところです。

今までが起業の第一フェーズと考えております。そしてこれから起業の第二フェーズへ移行していきます。第一フェーズでは、私自身もプレイヤーとして現場で仕事をしていましたが、第二フェーズは、同じ方向を向けるように社内運営にも注力していきます。

 

―起業時と今の第二フェーズではどちらが大変ですか―

今です。むしろ起業した時が大変だったっていうことは成長してないってことですもんね。私の考えですと、会社を運営していくことは壁にぶつかることの連続だと思います。昔のほうが大変ってことは、壁を乗り越えてないですよね。つまり、会社が停滞している可能性があるということです。

 

―将来は上場を目指しているのでしょうか―

見えていないですし、現在は考えていません。美味い酒が飲めるかを考えたときに、例えば、上場する規模の会社になり、従業員が100名になってしまったら、おそらく全員は同じ温度感で達成した喜びを分かち合えない可能性があります。そうであれば、少人数の10名の会社を10個つくっていきたいです。

どうやって上手い酒を飲むかを常に大事にしています。

一つは、一緒に働くチーム

一つは、仕事の達成感

この二つを実感し続けることができる環境を整備することが今の役割だと考えています。

 

編集後記

そめひこさんから、「こんなに真面目な話ばかりで大丈夫ですか」と何度も気にかけていただきました。本当にありがとうございました。

―せっかくなので貴重なお話いただきました。―

起業しようとしたときに、設立する際に自宅を会社所在地にすることになったわけですが、私が住んでいたところは実は私の名義で借りていたわけではなかったんですよ。それで、家を新しく借りることになりまして。

“そめひこ”はビジネスネームで本名は別にありまして。

アマゾンの名義を“そめひこ”で登録していて、アマゾンのウィッシュリストを公開していたら、家に大量のものが届くんですよ。“そめひこ”名義で。

家の名義と郵送物の名義が違うから、玄関にわかるように“そめひこ”って書いていました。

そうしたら、大家さんにバレまして。

そめひこって誰だってなって。それで事情を説明したら、大家さんがネットでそめひこを調べ始めて。

どうやら、そめひこってやつは、家を勝手に改造されたり、ビーチにされたりしているぞ。

こんなやつには家を貸せないってことになり、強制退去になりました。

 

このとき、キャッシュフローが大変になりました。

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投稿者について
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竹澤 駿

2017年に行政書士登録と同時に、行政書士法人jinjerの立ち上げに参画し、現在に至る。 外国籍の方の就労ビザの取得支援に特化し、サービス業を中心に一部上場企業から中小企業までの幅広い顧客を持つ。年間約300件の申請を手がけ、昨今は法改正のあった「特定技能」へも対応し、人材会社の新規事業の立ち上げ支援も実施。

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