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いま農業ビジネスがアツい!食べチョクで課題解決に奔走する26歳の女性起業家【起業インタビュー第28回】

公開日:2017.06.19

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―せっかくいいモノを作っているのに高く売れない―農業には課題が多く、自分のバックグラウンドを活かして解決していきたいです。

 

株式会社ビビッドガーデン代表取締役社長 秋元 里奈 氏

神奈川県相模原市の農家に生まれる。慶應義塾大学理工学部を卒業した後、株式会社ディー・エヌ・エーへ入社。webサービスのディレクター、営業チームリーダー、新規事業の立ち上げを経験した後、スマートフォンアプリの宣伝プロデューサーに就任。2015年より、業務と並行し実家で保有している遊休農地の活用方法を検討開始。その中で農業分野の課題に直面し、起業を決意。2016年11月にvivid gardenを創業。

 

25歳で起業!秋元さんのバックグラウンドとは?

証券業界に入りたくて大学では金融工学を学んでいました。

しかしいざ就職活動の時期になると、“5年後、10年後になにをやりたいか”が全く想像できませんでした。

大学受験当時の自分と就職活動時の自分ではやりたいことが違いましたし、そう考えると、5年後の自分はまたやりたいことが違ってるんじゃないかなと思うようになりました。

結果、新規事業にも積極的で、「5年後にやりたいことがみつかり実現できる力」を身につけられそうな職場環境、なおかつ女性が創業した会社であるDeNAに就職を決めたのです。

DeNAでは様々な経験させていただきました。サービスを作ることや、広告の営業、そしてマーケターとしてCMを作成することにも携わることができ、これらの経験は今の仕事にとても活きています。

 

株式会社ビビッドガーデン―社名には「色鮮やかな農地をもう一度」という願いが込められています。女性らしさが感じられるワードを選びました。ちなみに設立は11月29日で、“良い肉の日”です。扱っているのは野菜なんですけどね。笑―

 

アイディアが生まれたのは実家のお手伝い

起業したきっかけは、実家がやっていた農業に課題を感じたからです。私が働いていたIT業界での知識を農業の課題に活かせると思いました。

小規模農業では耕作面積が小さいため、売上を上げるには単価を上げていく必要があるのですが、そういった小規模農家の場合は独自の販路を開拓することも難しいです。結果、市場に出荷するしかなくなるのですが、そうすると、こだわった商品もそうでない商品も、同一規格であれば同じ価格が付けられます。せっかくいいモノを作っているのに高く売れない、これが具体的な課題でした。

個人事業主として自身の畑を再建するビジネスもできましたが、それよりもDeNAの経験を活かし、より多くの生産者の力になれる場を提供したいと考え、会社を設立しました。

 

食べチョク―他の産地直送サービスの場合と違い、倉庫などを一切介せずに農家さん自ら箱詰めして配送するため、新鮮な野菜が最短で収穫当日に届くサービス―

 

食べチョクを良いものにしようと、がむしゃらに走り回る!

食べチョクのシステムの開発は、知人から紹介されたエンジニアへ依頼しました。また“インスタントチーム”という開発チームを募集できるサイトを利用してメンバーを集めました。初めからこのサイトを知っていたわけではありません。外部の業者に開発を依頼することも検討しました。しかし資金力が乏しかった私は、どうやって開発コストを抑えようかといろいろと調べて、そしてこのサイトを見つけました。サイトの利用者には、「自分のスキルを活かしたい!」、「良いサービスをつくろう!」という強い思いがあり、それぞれ本業の仕事を抱えながら週末などのスキマ時間を活用し、一緒になって開発に取り組んでくれました。

営業先である東北、四国、九州などへは、私が出向きます。なるべく移動費を抑えるために夜行バスを利用し、宿が取れない際には漫画喫茶で寝泊りすることもあります。

コミュニケーションの手段として、農作業のお手伝いもします。農業は何よりも現場を知ることが大切だと思いますので、実際に手で触れて勉強しています。

 

―出張とは言いつつ、旅行している感覚に近いかもしれません。農家さんとお酒を飲むこともありますし、たくさんの方とお話ができて楽しいです。―

 

日経新聞主催のAG/SUM(AgriTech Summit)に参加

アグサム(AG/SUM)は、国内外のアグリテックのリーダーが集結し、5月23日~25日の3日間にわたって東京・虎ノ門ヒルズで開催されるアグリテックイベントです。シンポジウム、ワークショップ、ランド(スタートアップ等の展示)、ハーベスト(アクセラレーション・プログラム)から構成されます。

AG/SUM(アグサム/アグリテック・サミットのHPより引用

 

AG/SUM(アグサム/アグリテック・サミット)は主催者側からお声をかけていただき、参加しました。イベントの主旨が「産業・国境を越える」なので、海外の企業も多く参加されていましたね。

農業業界は狭い業界なので、横のつながりが強いことが特徴です。みんなで協力して農業業界を盛り上げていこうという空気感があるように感じています。AG/SUMも知り合いの企業の方が多く参加していらっしゃって、非常に勉強になる良い機会でした。

 

―今までメディアなどの取材や前に出て話す機会はありましたが、ピッチイベントは初めてで、苦手意識がありました。―

 

「生産者と消費者の縁結び」を届けたい

有機栽培は農薬や科学肥料に頼らずに栽培する方法ですから、季節ごとに収穫できる野菜が限られてしまいます。ですので、これからは年中販売できる加工品についても取り扱っていく予定です。ジャムや野菜ジュースなど、オーガニック農作物を使った加工品は、小規模の農家さんも作っているところが多いのです。

また、現在は商品がただ買えるだけのサービスですが、今後はストーリーも紐づけて販売したいと思ってます。例えば、「冬が旬の根菜類には体を温める効果があります。だから冬は根菜を食べましょう」といったように、野菜のストーリー理解した上で購入する仕組みにしたいのです。

食べチョクのテーマは「生産者と消費者の縁結び」です。両者の距離を近付けることで、両者の生活がより一層豊かになることを目指しています。小さい頃から慣れ親しんだ農業を少ずつでも盛り上げられたら嬉しいです。

 

編集後記

官民あげて農業を盛り上げようとしています。政府も農林漁業の6次産業化を目指し、補助金も多く、またファンドの設立をしています。これから農業業界を活発化させていくことを考えると、秋元さんのような若い方が業界を引っ張っていって欲しいです。

 

食べチョクはコチラ

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投稿者について
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竹澤 駿

2017年に行政書士登録と同時に、行政書士法人jinjerの立ち上げに参画し、現在に至る。 外国籍の方の就労ビザの取得支援に特化し、サービス業を中心に一部上場企業から中小企業までの幅広い顧客を持つ。年間約300件の申請を手がけ、昨今は法改正のあった「特定技能」へも対応し、人材会社の新規事業の立ち上げ支援も実施。

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