【起業インタビュー24回】“新たな営業スタイル”の確立は始まっている。|起業サプリジャーナル

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【起業インタビュー24回】“新たな営業スタイル”の確立は始まっている。

公開日:2017.05.22

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―今回インタビューを快くお受けいただいたのは、ベルフェイス株式会社の中島一明氏。お若くして現在2社目の起業家。2015年設立の企業がビジネスの可能性を無限大に広げる―

ベルフェイス株式会社代表取締役中島一明氏 
1985年 兵庫県生まれ、福岡育ち。起業を志し高校を一年の一学期で退学し15歳で土木会社に就職。貯めた資金で19歳で世界一周の旅をしながら200枚のビジネスプランを作成。21歳で一社目を起業し、社長.tv(ティービー)という各県の中小企業経営者を動画で紹介する広告メディアを全国展開 。紆余曲折を経て2015年4月に同社を退任しベルフェイスを設立、現在に至る。

 

起業を志す

中学生の頃に世の中に影響を与えられる男になりたいと、ふと思ったわけです。高校は起業を志すなら学校へ行くよりも働いたほうがよいと思い中退し、社会人になりました。飛込み営業などで一通り働いた後、19歳のときにそろそろ起業しようと思いました。

当時、現ソフトバンク社長の孫氏の本を読んでみて、孫氏が学生時代に留学して一日ひとつ特許のアイディアを考え続けることを習慣にし、そのひとつを大手企業に売って起業の軍資金を稼いだことを知りました。それを真似しようと思いました。(笑)ただ、特許では丸パクリになるので私の場合は、一日一枚ビジネスプランを作成しようと考えました。それはアイディアベースではなく、社会的背景から顧客への価値、必要な資金やビジネスモデルという最低限の事業計画を毎日3~4時間かけて作ることを日課にし、また若いうちにやれることをやろうと、海外を回ってきました。

 

1社目の起業

日本に帰ってきた後、中学時代からの友人とSNSで知り合ったエンジニアと福岡で起業しました。結論から言いますと、全然うまくいかなかったです。ビジネスプランは手元に200枚近くあるのに。半年後には消費者金融にも手を出し、そこから仲間に給料を払いました。いろいろなビジネスプランを試すのですけど、全くなにも形にならないのです。世の中の社長や創業者と自分は何が違うのだろうと、努力が足りないのか、そもそも才能がないのか、自信を失い始めました。

そこで悩んでも仕方ないと思い、趣味で参加していた経営者の交流会で名刺交換をし、その方々にいろいろ教えてもらおうと聞きに回りました。お話を聞いていると、とてもタメになると思い、せっかくなのでビデオで撮影しておりました。
良い会社もたくさんあって世の中に出てない中小企業なだけにもったいなく、若い人にも知ってもらおうと考え、インタビューのお礼の気持ちでその動画を編集して無料でアップしました。すると、100社を超えた頃から掲載したいと問合せが来るようになりました。そこに掲載されていることにより、「若い人から応募が来て採用が決まった」など、付加価値を生むようになりました。これ自体がビジネスになるということは、あとから気づき、月額での掲載料をいただくことにしました。

 


中島一明氏――社名を決めるときは、本当に楽しかったです。たくさんの候補がありましたが、「グラハム・ベル」が電話を作ったから、ベルフェイスです。――

 

ベルフェイス株式会社設立

実は、前社の全国展開時に各都道府県に代理店を作って営業をしていたのですが、全く売れませんでした。そこで福岡からインサイドセールス、つまり電話での営業をリモートで行いました。2年間でリモートだけで顧客を6000社まで獲得したということになります。これは、インサイドセールスを新規でやった規模感としては“ぶっちぎり日本一”やっていると自信あります。

しかし、インサイドセールスのやりづらさはありました。電話だけではなかなか説明しきれないのです。対面での営業なら資料や映像を見せたりできるのですが。当時はインターネット電話サービス(Skype等)もありましたが、どれも営業には向いていませんでした。なぜなら、これらはテレビ会議システムを前提に作成されたものであり、社内での利用を考えられてたからです。

これだけ、遠隔コミュニケーションが発達してきて、マーケティングやオウンドメディア、リマーケティング、マーケティングオートメーションは素晴らしいのに、セールスの手法は30年前となにも変わっていません。営業マンの人数ってマーケティングの何倍いるのか、それこそ営業マンの人件費は何兆円規模なのに、テクノロジーが入っていないのが不思議でしょうがなかったのです。世の中が発達しているのに、このセールスの市場規模はどれだけあるのか、と当時思いました。

私は営業をやってきた人間であり、テクノロジーにもある程度精通している自分ができることはなにかと考えたことが、今回のベルフェイスのスタートです。

 


ベルフェイス――インサイドセールスに特化した、インストール・ログイン不要のオンラインチャットシステム。訪問を伴わない営業のため、例えば訪問時間や交通費の削減といった効果が得られる。また営業に特化したシステムなため、資料の共有やスクリプトシステムの機能が備わっている。――

 

ベルフェイス

ベルフェイスの開発については苦労しました。現状、いろいろな会社がブラウザを作っています。また企業によって使用しているブラウザも違うわけで、バージョンも違うのだからこそ、他のサービスはアプリで対応しています。そこをベルフェイスではアプリ等を使用せずに、全ブラウザに対応し全バージョンにも対応、かつ統一の挙動で高機能なものを実現しています。とても大変なことですが、そこが私の強みを生かしてできることだと思っています。
資本金は100万からスタートしましたが、翌月給料を払ったら債務超過でしたね。しかし開発費だけは、毎月400~500万は捻出しました。それだけこの開発は大変でした。

ベルフェイスは、まだまだ発展途上です。このサービスがご支持いただけている理由は、ものすごく簡単に使えるシンプルさにあることだと思います。私は必要な機能だけに絞っていく、そこを追求していきたいと考えます。本当にいる機能だけ追加していくと。
最近リリースしたものですと、名刺プロフィール機能です。接続したときに、私のプロフィールが表示されます。例えば出身地や似ている芸能人など。(笑)これって訪問営業だといやらしいですよね。でもベルフェイスを通すといやらしくありません。オンラインを通すと、少しおふざけがあっても許されるのです。

また、相互のPCデータを送りあうことができます。エクセルや画像などですね。このおかげで、後日提出してほしいデータなどその場でやりとりできます。例えばあとで提出ですと、面倒くさくなって後回しにしやすいですよね。このベルフェイスの一番のヘビーユーザーは私たちなのです。私たちがベルフェイスを使ってベルフェイスを売っているので、一番良く理解しています。

 

実は、今はまだ集客活動もせず、また広告を出していません。マーケターもおりません。にもかかわらず、月間100件以上の問い合わせがきています。これは、ベルフェイスがBtoBの営業システムなので使っていただくことがプロモーション活動になるのです。ユーザーの方々がベルフェイスを使って結果を残してもらうことが、一番の宣伝効果です。またBtoC的な、消費者が使えば使うほど顧客が増えております。ユーザーがユーザーを呼び寄せています。
ですから私たちは、このベルフェイスを深堀しつづけることで、顧客を支援し続けることで、我々が見たことのない高みにいけるはずだと、信じています。

 


――「東京都インキュベーションHUB推進プロジェクト ベンチャードラフト会議 In 虎ノ門ヒルズ」の最優秀賞を受賞。――

 

編集後記

「なぜ再度起業しようと思われたのですか。ほかにも道はありませんでしたか。」という質問に対して、「一度、起業した人の大半の人は再度起業するといわれます。自分もそうです。ほかの例えば、就職という選択肢は微塵も思わなかったです。」と答えが返ってきました。さすが、多くの起業家にお会いしているだけあって起業家に寄り添っていると思い、私自身まだまだ勉強が足りないと感じました。

今回で、起業サプリジャーナルの記事が200本目になります。多くの起業家・経営者の皆様、各分野でご活躍されている専門家の皆様、また読者の皆様の多くの支えがあった上での結果でございます。編集部一同、この場でお礼を申し上げさせていただきます。

 

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投稿者について
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竹澤 駿

2017年に行政書士登録と同時に、行政書士法人jinjerの立ち上げに参画し、現在に至る。 外国籍の方の就労ビザの取得支援に特化し、サービス業を中心に一部上場企業から中小企業までの幅広い顧客を持つ。年間約300件の申請を手がけ、昨今は法改正のあった「特定技能」へも対応し、人材会社の新規事業の立ち上げ支援も実施。

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