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業務上災害で社員の遺族から損害賠償を請求されたら

公開日:2017.02.14

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業務上災害で社員が亡くなってしまった

このようなことが起きるのは、非常に悲しいことです。会社にとっても、人材を失うのはもちろんのこと、社員の家族にとっても、肉親を失うということで悲嘆にくれるものです。それも、多くの場合は、予期せぬ場合なので、余計に悲しみも大きくなるでしょう。

時間は待ってくれない

しかしながら、遺族の方は、収入が途絶える危険もあり、すぐにでもお金がほしいというケースもあります。場合によっては、会社に損害賠償を請求するケースもあるでしょう。

このような時は、会社側も感情的になるのではなく、遺族の方の悲しみを理解しながら、労災の制度をしっかり説明するのが大切です。

遺族は給料の1000日分相当の金額は労災で保障される

結論から言いますと、業務上災害で亡くなった場合、遺族は給付基礎日額(給与の約1日分)の1000日分までは労災保険からの支給が保証されています。

労災保険の遺族補償年金には転給の制度があるため、年金の受給権を失った場合でも次の順位の人に年金は受給されます。また、遺族の中で受給権者が一人もいなくなり、その時にまだ給付基礎日額の1000日分が支払われていない場合は遺族補償一時金の形で差額が支給されますし、もともと受給権者となる遺族がいない場合は、遺族補償一時金が給付基礎日額の1000日分支給されます。

会社は労災保険料を全額負担しているので…

会社は、いざというときのために労災保険料を会社の全額負担で払っています。これは、遺族補償年金等の形で社員の遺族が損害賠償を受けることができるようにしているという面もあります。そのため、会社側は、遺族に対し、労災保険から給付基礎日額の1000日分が支払われるまで、猶予により遺族に対して損害賠償の支払いを待ってもらうことができます。

(法定利率(年5%)による額の控除については、複雑になるため、ここでは省略します。)

待ってもらえるのは、損害賠償部分のみ

ただし、この場合に猶予されるのは、逸失利益により損賠賠償の部分に限られます。

慰謝料については、損害賠償の対象外となりますので、遺族が民事裁判を起こして慰謝料の支払いが認められれば、会社側は別途慰謝料を払う必要があります。

慰謝料の損害賠償請求を防ぐためにも

会社側は、社員の遺族に対して、丁寧に制度を説明し、収入の心配をせずに済むようにすることは大切です。

遺族が会社に対して怒りを持つこともあるでしょう。その場合こそ、余計に丁寧に説明することが大切です。

丁寧に説明することによって、遺族が慰謝料の請求を起こそうという考えを起こさないようにすることも大切ですし、丁寧な対応をすることで、慰謝料請求を考えていた遺族が態度を和らげて、慰謝料請求を辞めたり、請求額の減額を考えたりする場合もあるでしょう。

それでも遺族が強硬な態度を取り続け、当初の通りに慰謝料請求をする場合もあると思いますが、その場合でも、できるだけ丁寧な態度を取って早期和解に結びつけることが大切です。

最後に

業種によっては、その性質上事故のリスクが高い場合もあります。会社によっては、民間の保険会社が出している労災の上乗せ保険を導入しているところもあります。

不幸にして、業務上災害の死亡事故が起きた時は、遺族の方に安心をさせることで、余計なトラブルを防ぐようにしたいですね。

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投稿者について
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小西 広宣

小西 広宣

1973年6月、山口県下関市生まれ。1997年3月、東京外国語大学卒業。 塾講師、海外ビジネスの販促等の業務に携わり、2015年社会保険労務士試験に合格。 2016年8月に開業、現在に至る。

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