みなさんはエストニアと聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?元大関バルトの母国、旧ソ連構成国家の一つなど思い浮かぶ人もいるかもしれません。
エストニアってどんな国?
しかし多くの方はエストニアと聞いてもあまりピンと来ないのではないでしょうか。
面積は九州より少し大きい程度で人口は130万人余り。ヨーロッパの小国と言っても過言ではないエストニア。しかし国民一人当たりのGDPは2万ドル弱(約200万円)でバルト3国の中では最も高く、宗主国ロシアの2倍にもなります。
なぜ人口130万の小国エストニアがここまで裕福になることができたのか?それはこの国が知られざる「IT大国」であることが大きく関係しているのです。
エストニアはマイナンバー制度先進国
日本では2016年になって始まったマイナンバー制度。しかしエストニアでは日本に先駆けて2000年に制度がスタートしています。
また制度自体も、日本よりもかなり進んでいます。エストニアではすべての手続きをネット上で完結させることを目指してe-Estonia構想を立ち上げそれを実現しています。納税から各種登録、選挙、医療記録へのアクセスなど、ありとあらゆるサービスのインターネット上での一元化を行いました。
エストニアでは15歳以上の国民がIDカードを持つことが義務付けられており、紐づけられた番号で公的サービスのみならず民間の各種サービスも利用できます。マイナンバーと紐づけられているサービスは数千以上あると言われています。
もちろん各個人の銀行口座も個人番号と紐づけられており、現金の出納が透明化されているので、エストニアでは税理士の仕事が激減したとされています。
日本ではマイナンバーを各種サービスと紐付けすることの情報漏えいリスクがさかんに議論されています。
日本がエストニアほどマイナンバー制度を深化させるかは別として、マイナンバー先進国エストニアではセキュリティー上のリスクに関して多くの経験とノウハウがあります。エストニアでは情報漏えいに対応するため強力なセキュリティー体制を敷いており、日本が今後マイナンバー制度を円滑に運用して深化させていく上で参考にするべき国ということができるのではないでしょうか。
実はあの企業もエストニア発!?
ソ連崩壊後独立を果たしたエストニアは人口も少なく資源もない小国でした。そんなエストニアが発展していくための方策として、国を挙げてIT先進国になるべく一貫した政策を推進しました。
エストニアではIT教育は日本よりずっと進んでおり小学校からプログラミングが必須となっています。幼少期からのIT教育が功を奏してか国民のITリテラシーも非常に高く、起業意欲も非常に旺盛な国なのです。誰もが利用したことがあるあのSkypeもエストニアの首都タリンで開発されたものなのです。
エストニアは規制緩和が進んでおり(もともと規制がすくないため)ビジネス環境も整っています。例えば行政のペーパレス化も非常に進んでいるため行政手続きが簡素化されています。そのため起業の手続きが非常にスムーズにで、数十分で手続きが完了すると言われています。
また、国民のITリテラシーも高く、多くの国民が英語での意思疎通が可能なためオフショアとしても重宝されています。また多くのベンチャー企業が設立され、また海外から進出してきています。また国民の起業意欲も高く起業率は欧州NO.1とされています。
そんなベンチャースピリットに富むからこそ多くの企業が毎年設立されるエストニア。Skypeのような世界的インフラ企業が誕生したのも偶然ではないのではないでしょうか。日本以外の世界に目を向けるという意味でエストニア起業!というのもアリかもしれませんね。