NPO法人のメリット
NPO法人のメリットは、まず、行政受けがよいということが挙げられます。
具体的には、行政からの委託事業が受けやすかったり、行政やその外郭団体が実施する助成金や補助金を受けやすくなるなどのメリットがあります。行政側としては、株式会社などの営利企業に対してよりも、社会貢献を最大の目的とするNPO法人のほうが抵抗感がないということがいえるわけです。
次に、ミッションからの賛同が得られやすいということがあります。社会にとってよい事業なら協力者になってもらえるということがあります。従って、利益追求による株主に対し、責務を負う営利企業に対し、NPO法人は理念(ミッション)が社会貢献に基づくことから、会員、ボランティアのスタッフ、行政、企業などの各々社会資源からの協力を得られやすいということがあります。
そして、なんと言っても社会のための事業展開ができるということがあります。NPO法人は利益を出すことではなく、社会的に意義のある事業を展開して、社会貢献することが最終目的になりますので、そのやりがいは営利企業にはないものを感じられることがあげられます。
<NPO法人の会社に対するメリット>
行政受けがよい
ミッションからの賛同が得られやすい
不特定多数の人に事業の協力者になぅてもらえる可能性がある
事業の中核に参加者の意見が反映できる
助成金を受けやすい
NPO法人のデメリット
NPO法人の会社に対するデメリットとしては、株式会社よりも社会的認知度が低いことが挙げられます。取引社会においては、NPO法人は営利会社に比べてビジネスの相手として資本主義社会に根付ききっていないことは現実問題としてあります。
次に、株式会社に比べて設立手続きが比較的大変です。県への認証申請の書類の多さ、3か月の縦覧など時間も相当かかります。
また、出資や融資を受けにくいということがあります。そもそも利益を最終目的としないNPO法人に対して、投資家などから出資を集めることはできず、融資についても銀行等は法人としての性質から会社と比べて借入が難しいのが実情です。一方で、信金、労金でNPO向け無担保融資を積極的に行う所も出てきつつあるので要注目です。新規開業においては公的融資も使えますので活用を検討するとよいでしょう。
NPO法人のデメリットとして意外と見落としがちなのが、マネージメントが複雑ということがあります。顧客のみをみていればよい会社と違い、NPO法人の場合、顧客はもちろん、会員、ボランティア含むスタッフ、ひいては地域住民を意識する必要があります。従って、必然的に広い視野から物事を見つめる目が経営者に必要になります。また、NPO法人の最高意思決定機関である社員総会は、一人一議決権が原則であることから、株主の出資割合で物事を決められる株式会社に比べて、意思決定に時間がかかることが挙げられます。
<NPO法人の会社に対するデメリット>
株式会社・有限会社よりも社会的認知度が低い
設立手続きが比較的大変
出資金を集めにくい
融資を受けにくい
マネージメントが複雑
意思決定に時間がかかる
再度NPO法人の意義を考える
株式会社に比べて、大変な面も多いNPO法人ですが、社会のために役に立ちたいという熱い想いをもって困難に立ち向かう気概のある方にとっては、最適な法人形態となるのではないでしょうか。
また、人とのつながりや生きがいづくり、環境を守る活動といった、金で買えないサービスを提供することはNPO法人にしかできないのではないかと考えられ、成熟社会、企業社会で失われたものを取り返す事業が求められている現代において、NPO法人の活躍が今、求められているとも言えます。