音楽、映画、漫画などのコンテンツに加え、最近では家電や家具などモノのサービスなども出てき、日々の生活にも大きく浸透してきた「サブスクリプション」というビジネスモデル。現在はビジネス分野でも、多くの企業がサブスクに切り替えたサービスを展開してきている。ビジネスモデルのキーになるのは「LTV(顧客生涯価値)」「解約率」の大きく2つになってくる、と今回取材をした起業家 山田氏は話してくれた。国内初サブクスに特化をした分析ツール「KiZUKAI」を開発した同氏、「ユーザー想いのサービスで溢れる世の中に」という組織のビジョンに裏打ちされた想いを伺いました。
プロフィール(株式会社KiZUKAI 代表取締役社長 CEO 山田耕造氏)
大学卒業後、株式会社ソフトクリエイトに新卒入社。CRMに着目し同分野でリーディングカンパニーである株式会社ベルシステム24に転職。トップセールスとなりMVPを受賞。CXに関する幅広い経験と知識を深める。株式会社モンリッチを創業。代表取締役に就任し、大手企業を中心にCX戦略のコンサルティングを開始。株式会社KiZUKAIに社名変更し、顧客の”今”を可視化しLTV/解約率を改善するCXMツール「KiZUKAI」の提供を開始。CXの普及と活性化に率先して取り組む。
株式会社KiZUKAIについて
ー 事業内容について、教えて下さい。
サブスクリプションサービスやSaaS事業を展開している企業様向けのLTV/解約率改善ツールの「KiZUKAI(キヅカイ)」を企画・開発しています。
ー サブスク・SaaS事業者向けのLTV/解約率改善ツール「KiZUKAI(キヅカイ)」とは、どんなサービスなのでしょうか?
KiZUKAIは、自社サービスのLTV向上や解約率改善に繋がるデータ分析ツールです。
ユーザーの利用動向や属性情報を連携すると自動でヘルススコアと解約リスクが算出され、利用企業が提供するサービスに対するユーザーの満足度が把握しやすくなり、解約率を低下させる行動につなげることを可能にしています。
サブスクリプションは、ユーザーに継続的に利用してもらう為のコミュニーケーションがとても重要になってくるビジネスモデルです。「解約率を下げながら、いかにLTVを上げていくか?」が各社重要なテーマになってくる為、ユーザーの利用フェーズに応じた適切なコミュニーケーションが問われてくるなど、とても繊細な領域です。それらを改善していく為にはデータが必要で、そのデータの集計と活用を圧倒的に楽にしてくれるサービスがKiZUKAIとなっております。
ー なるほど。具体的に、どんなことが出来るのでしょう?
メインとなる機能は「顧客ステージ管理」と呼ばれる、サービスの新規加入者から長期利用者に分けられる様なステージの違うユーザーごとの定義をサービス内で決めれば、API連携で自動でデータ集計をし、ユーザー推移の前後比較や効果検証の結果を簡単に確認することが可能です。さらに、定めたKPIやLTVにまつわるデータも自動で集計されます。最終的には、それらのデータをまとめて、AIが「解約リスクの自動算出・スコアリング化」まで行ってくれる様になっています。
ー サービスを利用する企業としては、サブスクのサービスを展開している以外に何か特徴などあるのでしょうか。
ビジスネモデルがサブスクリプションであれば、業種業態・BtoC〜BtoB向けを問わずに、どんなモデルの企業でもハマります。
ー 競合するサービスと比較した時の優位性などもあれば教えて下さい。
まず、サブスクリプションカテゴリーに特化した分析ツールは、国内だと我々が初めてのサービスになります。AIを入れた顧客分析自動化のツールは、国内外含め存在しますが、専門知識が必要になる、かつ、年間の運用コストが数千万円を超えてくるサービスもある為、導入企業が限られてくるといった課題が存在します。我々はそこを「サブスクリプション」カテゴリーに特化して、機能と顧客を選定している為、サブスク事業者が本当に必要な機能だけを適正価格で提供出来ています。
20代は起業の「テーマ」を探す時間。キャリアが築いた“専門性“と見つけた“課題“がハマり、起業へ。
ー 起業することの意識についてはいつ頃からお持ちだったのでしょうか?
起業したいと考えたのは、20歳くらいの時ですかね。その頃に、一年ほど海外にいまして、旅の終盤はバックパック一つで色々な国を回っていました。最後に滞在していた国がフィリピンだったのですが、そこで人の死に直面する様なボランティアをきっかけに自分の価値観が大きく変わりました。そこで芽生えた”力強く生きよう”という想いが、将来の起業へと志向を変えてくれました。
ー そこからどう起業に向けて動いていくのでしょう?
「(起業するなら)20代までには」とぼんやり考えていましたが、時間に迫られ適当な気持ちで起業をするのも嫌だった為、20代は仕事を通して起業の「テーマ」を探す時間になりました。そこでハマったのが、CRM(顧客管理)とCX(カスタマーエクスペリエンス)の分野でした。顧客軸でモノゴトを考え仕事をするのが好きだったのと、コンサルタントの立場で様々な分野の企業の顧客管理を見てきた中で、大きな課題を見つけ、この分野で起業しようと決めました。
ー 「KiZUKAI」は、どの様にして生まれたサービスなのでしょう。
起業をしてからの数年は、コンサルの立場として企業の顧客データに紐づく業務を請け負っていたのですが、大手企業であっても、CRMの領域はまだまだデータの活用が弱いということに気づいたんです。当時からCXとは叫ばれていましたが、
・まだまだデータを活用したアクションには、改善と提案の余地が大きくあったこと
・そのタイミングでサブスクリプションのサービスが浸透し始め、サブスクは【データの活用】と【顧客体験】が密接に関わってくること
この2つのポイントと、これまでのキャリアで自分がやってきた専門性がハマり、サブスクリプションに特化した分析ツールの構想が生まれました。
今後について
ー 中長期的な展開についてお教え下さい。
本当に一番やりたいことは「ユーザー想いのサービスを増やしたい」ということでもあるので、
企業がKiZUKAIを使って、LTVや解約率が改善されること自体が必然的にユーザーに寄り添うサービスが作られることに繋がっていくことになると感じています。
国内のサブスクの動向を見ていると、toB向けの方は多くの成功事例が出ていますが、toC向けのサービスについては、成功の瀬戸際にいる印象を受けています。その成功要因になるキーは、”データの活用に基づいた顧客とのコミュニケーション”です。まずは、そこをしっかりサービスで支え、サブスク会社と並走して、我々も成長していきたいと考えています。そして結果的に、「ユーザー想いのサービス」でいっぱいの世界を作っていきたと考えています。
ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。
その他弊社では、顧客体験にまつわる情報発信メディア「CX Lab.」も運営しており、ノウハウ記事や各社のCXへの取り組みなども発信しておりますで、サービス提供だけに収まらないサブスク事業者のサポートをしていきたいと考えておりますので、興味のある方は是非お読み下さい。
ー ユーザーにも自社にとっても結果的にハッピーになる。そこに御社も入り、正に「三方良し」なサービスですね!本日は有難うございました。
こちらこそ、ありがとうございます。