誰かに話したいけど、人に話したくない」誰にも相談できない感情をAIロボットとのコミケーションで解決するメンタルヘルスケアアプリ「emol」emol株式会社 千頭沙織【起業インタビュー149回目】|起業サプリジャーナル

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誰かに話したいけど、人に話したくない」誰にも相談できない感情をAIロボットとのコミケーションで解決するメンタルヘルスケアアプリ「emol」emol株式会社 千頭沙織【起業インタビュー149回目】

公開日:2020.10.23

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感情を記録してAIロボと会話するアプリ「emol」が掴むユーザーのニーズは、「人に相談できないけれど、誰かに話したい日々の悩み」。【人に相談できないが、誰かに話したい】という、一見すると相反する、この言葉にemolユーザーの心理が詰まっている。自らの経験も重なり、辿り着いたメンタルヘルスケア × AIの領域に挑戦する起業家 千頭氏にお話を伺いました。

プロフィール(emol株式会社 CEO 千頭沙織氏)

2014年に株式会社エアゼを創業、webやアプリの企画・デザイン・開発の業務に携わる。

2018年にAIとチャットで会話をしながらメンタルケアをするアプリ『emol』をリリースし、2019年にemol株式会社を創業。

 

emol株式会社について

ー 事業内容について、教えて下さい。

emol株式会社では、メンタルヘルスケアの事業に特化して、個人・企業向けに2種類のアプリ、Webサービスを提供しています。

emol・・感情を記録してAIロボと会話するアプリ

emol work・・チームメンバーの本当の悩みを引き出し、悩みを共有してお互いにサポートし合うことで、心理的安全性が高い自律型組織の実現を目指すwebサービス

 

ー 今回は、感情を記録してAIロボと会話するアプリ「emol(エモル)」について伺えればと思うのですが、emolとはどんなサービスなのでしょうか?

emolは、個人のメンタルヘルスに関連する課題を、カウンセラーや産業医などの人ではなく、AIと会話することで解決していくサービスです。

サービスの使い方として、emolはサポートAIの「ロク」とチャットで会話をすることで、ユーザーの感情の記録を取っていく仕組みになります。まずはじめに、ユーザーはその日の感情を9つのカテゴリーから選択をし、それについてAIとチャットでコミュニケーションを取ります。最終的には、それらを1週間の単位で過去の記録として振り返ることが出来る機能に加えて、これからは認知行動療法をベースにしたセラピーもアプリ内で出来る様になっていきます。

ー メンタルヘルスケアアプリといえば、どうしてもカウンセラーなどの「人」が介在してくるサービスを思い浮かべてしまいますが、そういったサービスと比較してemolはどんな特徴を持っているのでしょう?

大きくは2つ、あります。

一つ目は、「人ではなく、AIである」という点。”人”が介在するカウンセリングも一長一短ありまして、人によってはカウンセラーとの相性が合わない・嫌な気持ちになる、などということは意外とよくあります。また、よくチャットボットとも比較をされますが、ボットの様に無機質で定型的なやり取りではなく、ユーザーの心に寄り添う様なAIのキャラクター性もユーザーから評価されています。

二つ目は、emolは「全ての機能が無料」という点。カウンセリングにいかれた方は分かるかもしれないですが、本格的に通うとなると費用もかかってきますし、カウンセリング自体決して安い値段ではありません。無料で使えるというのは、現時点では分かりやすく特徴になっているかと思います。

 

ー 実際にどんな方々が利用しているのでしょうか?ユーザーの特性などもあれば教えて下さい。

年齢層でいうと、10代後半から30代前半まで幅広いです。特徴としては、ライフステージの分岐点にいる様な方々が多く、例えば、受験を控えているとか、就活中の学生だったり、結婚や転職といった、大きなライフイベントの前後で起きる精神的なストレスを抱えていたり、不安になっている人が傾向としては多いです。

 

「人に相談したいけど、人に話せない」人たちにとって、安心できる場所をつくりたい。

ー 起業をされた経緯についても伺いたいのですが、いつ頃から起業を意識していたのでしょうか?

意識としては、大学4年生の時から持っていました。大学卒業後は、派遣社員やアルバイトをしながら独学でプログラミングを勉強し、一年経ったタイミングで会社とサービスを立ち上げています。残念ながら、そのサービス自体はうまくいかず、既にクローズしていますが、そこからはエンジニアとしてWebやアプリ開発の受託をしながら、次のサービスのアイデアを色々と考えていました。

 

ー 大学4年生といえば、丁度就職活動の時期でもあったと思うのですが、そのタイミングで何かキッカケがあったのでしょうか?

私が就職活動をしている時期は、就職氷河期の時代でもあって、元々美大出身だった私は(就職活動に)とても苦労していました。それに極度のあがり症を持っていて、面接になると頭が真っ白になってしまい、自分のことを何もアピール出来ずに、面接に落ちていくということを繰り返していたんです。その時に、どこかの企業に入って働くのではなく、自分のやれることを仕事にしていこう、と思考を変えたのが起業を意識するきっかけにはなりました。

ある意味、就活に挫折したと言われてもしようがない理由なのですが・・(笑)

 

ー いやいや!それでもそこから独学でプログラミングを学んで起業しているんだから、とてもすごいことかと思います。そこから、どの様にして「emol」は生まれたのでしょう?

今はそうでもないのですが、昔の私は本当にメンタルが弱くて、常に人の顔色ばかりを気にしてしまい、すぐに傷ついてしまう様な学生でした。実際に、それで学校にいくのがシンドくなる経験も何度も経験しました。その時に、私はそれを「人に相談する」ということが出来なかったんです。

周りに相談できない時の代替案といえば、精神科やカウンセリングに行くということになりますが、それにも抵抗感があって、拒んでいました。ただ、「誰かに相談したい」という気持ちは常に持っていました。

当時は、それを解決してくれる手段の最適解は見つかりませんでしたが、あの時の気持ちを振り返ってみて、AIやキャラクターなどの仮想の相談相手であれば、自分の意見を批判をされることもないですし、相手の顔色を伺って相談することもしないで済むのではないか?と考える様になったんです。

私の様な「人に相談したいけど、人に話せない」人たちにとって、安心できる場所をつくりたい!というのがemolの着想になります。

 

ー 「誰かに話したいけど、人に話したくない」って、言葉としては矛盾している様に聞こえますが、その感情はとても分かる気がします!

 

今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

直近ではアプリの大型なアップデートも予定しており、現状ではユーザーとの個別のやり取りを記憶して、コミュニケーションに反映するところまでが出来ないのですが、それを覚える様にして、ユーザーひとりひとりにパーソナライズさせたやり取りを実現させます。

それと同時に医療向けに展開することも進めており、精神科などのクリニック向けのemolの開発を進めています。実際(クリニックに)通われている方にも使ってもらい、普段AIと会話している記録を通じて、カウンセリングの質の向上や症状の改善に活用してもらうなどの導入を考えています。

将来的には、メンタルヘルスケアのプラットフォーム化を考えており、個人も企業も病院も結び、心のケアに関するデータと、その症状の改善に向けて最適な送客ができるプラットフォームになることを目標としています。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

この9月から第一生命様とemolでサービスを通じた実証実験を開始しました。

記事:メンタルヘルスケアのAIサービスを提供するemolが第一生命保険と共同で商品提案のDX化にむけ実証実験を開始

こちらでは、ユーザーの悩みに対して、第一生命様の商品をレコメンドしていくという連携になります。これからは、ユーザーの悩みの解決になる様なレコメンドや協業もサービス内で充実させていきたいと思っていますので、もし興味のある企業様がいれば、こちらお待ちしております。

 

ー 悩みを聞いてくれて、そこからもう一段踏み込んだ提案をしてくれるのはユーザーにとっても嬉しい機能ですね。本日はありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございます。

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