統一化されてない組織のマニュアルを簡単レシピ化!?働き方を変えるチームコラボレーションツール「toaster team(トースターチーム)」noco株式会社 堀辺憲【起業インタビュー148回目】|起業サプリジャーナル

  1. 起業サプリジャーナル TOP
  2. 統一化されてない組織のマニュアルを簡単レシピ化!?働き方を変えるチームコラボレーションツール「toaster team(トースターチーム)」noco株式会社 堀辺憲【起業インタビュー148回目】

統一化されてない組織のマニュアルを簡単レシピ化!?働き方を変えるチームコラボレーションツール「toaster team(トースターチーム)」noco株式会社 堀辺憲【起業インタビュー148回目】

公開日:2020.09.30

̃Gg[͂ĂȃubN}[Nɒlj

組織の中に多数存在している業務マニュアルや手順書などを、料理のレシピを起こす様に簡単に作成できるクラウドサービス「toaster team(トースターチーム)」。現在では、それらを作ろうとすれば代用できるツールや共有する仕組みは沢山あるが、今回取材をした起業家 堀辺氏は、その“選択肢の多さ”と“自由度”が返って混乱を産む原因となっていると指摘する。「社内の情報は、実はフェアじゃない」と語る同氏の実体験から生まれたサービスの誕生秘話や、二度目の起業にかける想いについて話を伺いました。

 

プロフィール(noco株式会社 代表取締役 堀辺 憲氏)

1996年、株式会社クボタに入社。住宅機材事業本部のセールスに従事し、社長賞を獲得。2004年、住友スリーエム株式会社(現 3M Japan)に入社、Construction Market Divisionにて2年連続優秀販売員賞を受賞。2012年、株式会社ディー・エヌ・エーに入社、経営企画本部広報部にてコーポレートコミュニケーションを担当。その後、複数社のスタートアップで広報部門の立ち上げを担う。2016年1月にmixtape合同会社を創業。フォーム作成管理ツール「formrun(フォームラン)」を開発し、のちに事業売却。2017年5月、noco株式会社を設立。代表取締役社長に就任。ナレッジシェア&ワークフロー管理ツール「toaster team」を開発。複数社の社外アドバイザーやPR顧問などを務める。

 

noco株式会社について

ー 事業内容について、教えて下さい。

組織の情報共有と意思決定の課題を解決するため、チームコラボレーションツール「toaster team(トースターチーム)」の開発・運営をはじめとした、インターネット事業を展開しています。

 

ー チームコラボレーションツール「toaster team」とは、どんなサービスなのでしょうか?

toaster teamは、業務マニュアルや手順書などのナレッジ共有から日報や企画書、議事録などのノートをかんたんに作成・共有ができ、業務進捗の確認や研修・敎育などのオンボーディングをタスク管理できるクラウドサービスです。
2020年2月にベータ版をリリース、7月に正式版をリリースしました。現在までの利用企業は1,300社を突破し、東証一部上場企業からスタートアップまで幅広くご活用頂いております(2020年9月時点)

ー サービスの特徴についても伺いたいのですが、 社内wikiツールの様なイメージでしょうか?

toaster teamでは、料理のレシピカードのように誰でも簡単に業務マニュアルや手順書を作成できる機能を提供しており、サービス内で作られるマニュアルや手順書のことを「レシピ」と呼んでいます。

WordやGoogleドキュメントに代表されるドキュメント作成ツールでは、まっさらな状態から自由に社内Wikiや日報、企画書を書くことには適していますが、業務マニュアルや手順書のような型化されたものをドキュメント作成ツールで、一から作ろうとすると十人十色な作成者によって異なるアウトプットが生まれてしまいます。標準化されていないということは、作成に時間がかかるうえ、現場で使う人の目線では、業務によって書式や体裁が異なるマニュアルを読解して使用するという、とても複雑で面倒な状況が生まれています。

toaster teamでは、そんな状況が組織や現場で起きないよう、マニュアル作成に特化したレシピ作成機能が標準装備されています。

※実際にサービスで作成されたマニュアルの一例


ー なるほど!そういった状況は実際に会社の中でもありますね。具体的には、どんな機能として標準化を実現されているのでしょう?

表紙の設定やマニュアルの概要作成、誰のためのものかなど記載事項が統一化されています。

また、ブログを書くのように見たまま書けるエディタも特徴で、画像や動画はもちろんのことファイルの添付も可能です。そのうえ、各種クラウドサービスや外部コンテンツと連携しており、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、YouTubeなどさまざまなコンテンツを埋め込み表示もできます。さらに、アップロードした画像はボタンひとつでテキストや図形を描写可能な画像編集も実装していますので、PhotoshopやPaintなどの画像編集ツールを別途必要とせず、その場で画像編集できるのも特徴です。

この他には、社内で利用される社内用語や業界用語などの用語集を管理できたり、公開されているレシピをチェックリスト化できる機能で社員の理解度チェックや、業務の進捗確認に使うなどのタスク管理できる点が従来のドキュメント作成共有ツールとは、大きく異なります。

ー 実際に組織の中では、どんなシーンで利用されているのでしょう?

どこの会社にも社内には必ず何かしらのマニュアルや手順書があると思うのですが、導入企業様においても実にさまざまな部門で活用されていまして、総務や経理、営業、マーケティング、カスタマーサポート、店舗管理を中心にマニュアルや手順書を作成・共有されています。士業・コンサルタントでご活用されているユニークな事例としては、toaster teamで作成したレシピを社外にも公開できますので、クライアント先や顧問先にマニュアルを提供して、自社の営業ツールやガイダンスとしても活用されています。

 

ー 最近はプロジェクト管理ツールでも社内wikiの様な活用の仕方が増えたりしていますが、そういった競合に当たるサービスとの優位性をどこに持たせているのでしょうか?

誰でも使える「かんたん」「インスタント」というコンセプトをベースにサービスを開発してきたUI・UXを評価いただいています。

また、従来のサービスと大きく違うのが、チームコラボレーションツールの名前のとおり、マニュアル作成やコメント投稿などのアクションに応じてポイントをユーザーに付与し、チーム内のアクティブユーザーランキングとして可視化。ナレッジ共有した方のチームへの貢献度が見える化するといった設計なども特徴的な部分かと思います。

 

起業をすることは、成功と失敗しかないが、そこにはとてつもない経験と財産がある。

ー 堀辺さんは2017年にも一度、起業サプリで取材させて頂いておりますが、今回で二度目の起業になりますね。

はい。1社目の会社は会社売却という形でエグジットしています。

今回の起業の経緯にも繋がりますが、道半ばで会社売却せざるを得なかった部分もあり、プロダクトの作り込みにしても経営そのものにしても、自分の中で未消化な部分がとても大きかったです。ともに起業した3人でエグジットを決断したことに後悔はしていませんが、やはり心の中では消化不良な思いをおさえられず、エグジットをチームで決めた段階で、実は今の会社を法人登記しているんです(笑)

 

ー 会社のエグジットされながら、もう次のことも考えていたのですね!

その時点で特に何かをやると具体的な事業を決めていなかったのですが、不完全燃焼な自分自身に対する熱量の行き場をもちたかったんでしょうね(笑)

 

ー 転職をして、もう一度やりたいことを探すといった期間も考えられたかもしれませんが、そういったことは考えなかったのでしょうか?

一瞬、どこかの会社に入って・・という選択肢も頭には浮かびましたし、複数の企業でコンサルティングをしたり、実際に幾つの企業を回ったりもしましたが、やはり「経営」をやることは会社勤めとは全く異なるダイナミクスさと面白さがあるなと起業をして実感しました。

私がディー・エヌ・エーの広報を務めていたとき、創業者の南場さんが「起業したいなら、会社の中で数年経験してではなく、とにもかくにも起業してみること。」とおっしゃっていたのですが、実際に起業してみて本当にその通りだと実感しました。現在は、Google検索するだけで溢れんばかりの情報に出会える時代です。起業に際して必要な情報や経験談が無数にたどりつけることから、起業そのもののハードルは、もはや存在しないと言ってもいいのではないでしょうか。「起業したい」という想いが何よりも勝って、その機会と環境があるなら直ぐにでも挑戦する方がよいと思いますね。

 

ー ハードルが存在するとすれば、「失敗するかもしれない」というメンタルブロックが最後の障壁になるのかと思うのですが、それについてはいかがでしょう?

起業した際に「成功」と「失敗」で評価されることが多いと思いますが、何をもって成否とするのかは起業家のマインド次第ではないかと思います。うまくいかないことから学べることの繰り返しだと思いますので、大事なのは上手くいかない時に何を感じて、どのように次につなげられるかだと思います。仮に失敗を恐れて「恥ずかしい」といった評価を気にするのであれば、そもそも何故リスクを背負ってでも起業するのか、自分の気持ちに向き合うと良いと思います。「後ろ指を刺される」などと思っている方もいるのかもしれませんが、今は失敗の意義も評価も変わってきていると感じています。

 

ー 失敗の評価が変わっているとは?

フリーランスの様な個人事業主も含め、独立や起業することが、自身のポートフォリオを広げることにつながり、その経験自体が「財産」と言えます。起業で培った経験や能力を求める企業も今は増えてきていると実感しています。つまり、起業しやすい環境と共に、創業者や創業メンバーの人材が活かされるセカンドチャンスの環境も整備されてきているのです。そういった点も踏まえて、今は起業に挑戦しやすくなっていますよね。

 

ー 失敗した経験も、その人のスキルや評価に繋がるってことですね!

 

社内の情報は、実はフェアじゃない。

ー そこから、どの様にして「toaster team」は生まれたのでしょうか?

サービスの着想は、私の原体験からきています。私自身、営業・マーケティングと実務を長く経験してきたのですが、チームが抱える情報って社員の視点に立つと、実は見えているようでなかなか見えていない。数年務めている会社でも、意外と知らない情報が山のようにあったなんてことが多いんですね。組織に勤めたことがある方であれば、経験したことがある方も多いでしょうが、一つの情報でも【知っている人】と【知らない人】が生まれている状況が、正にそれです。社内の情報って、誰にでも等しくあると思いがちなんですが、実はフェアの様でフェアじゃないんです。

特にドキュメントや書類は毎日山のように生まれるんですが、ファイルベースで管理されているのでフォルダに残されていくだけで、作りっぱなしの状況が生まれていて、誰がいつ活用しているのかも分からない。そして同じようなドキュメントをまた違う誰かが作成していたりして、ドキュメントを中心に車輪の再発明をぐるぐる行っている。無駄な機会が生まれてしまっているのと、その情報にたどりつけない結果、仲間のなかに「わからない」「できない」という残念なことが生まれていて、その負をITを活用して解消したかったというのがサービスを思いついたキッカケです。

 

今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

現在は、業務マニュアルや手順書の作成共有に特化したレシピ機能を中心に提供していますが、マニュアル作成サービスに完結するつもりはありません。

「チームをもっと。なめらかに。」というミッションのもと、チーム・組織が直面する課題を解決したいと考えています。今後は、チームの情報共有から意思決定までをひとつの場所で行えるチームのワークマネジメントツールとしてさまざまな機能を提供していきます。

サービス名の「トースター」が表現する様に、誰でも簡単に使えて、一家に一台あるような近しい存在を目指し、チームに必ず必要とされる社内インフラを担いたいと考えています。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

社内の情報共有を朝礼やホワイトボードで完結したり、メールやファイルだけで回覧している企業は、いまだに多いのではないかと思います。toaster teamは初期費用0円、月額0円でご利用いただける無料プランをご用意していますので、社内の情報やナレッジ共有に課題を感じている企業の経営者、事業部の皆様には是非お試しいただければと思います。

 

ーこれからの展開も楽しみです。今日は有難うございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

̃Gg[͂ĂȃubN}[Nɒlj

人気の記事

最新記事

カテゴリー

タグ