「起業は、一つ一つを壊していく作業」リリース直前の事業ピボットを経て、たどり着いたお漬物のD2C「和もん」株式会社SEAM 石根友理恵【起業インタビュー143回目】|起業サプリジャーナル

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「起業は、一つ一つを壊していく作業」リリース直前の事業ピボットを経て、たどり着いたお漬物のD2C「和もん」株式会社SEAM 石根友理恵【起業インタビュー143回目】

公開日:2020.06.29

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2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界基準でみても高い評価を得る日本食文化。一方で、日本に住む私たちが自国の食文化から離れていったり、産業を担うプレイヤーの高齢化やデジタル化への対応遅れなど課題は多い。今回取材をした株式会社SEAMは、そんな日本食を代表する「漬物」という領域で、業界に新しい風を起こすD2Cスタートアップだ。リリース直前の事業ピボットを経て、立ち上げた新たな事業。スタートアップであれば経験をする、起業家のリアルな体験まで踏み込み、起業家 石根氏にお話を伺いました。

 

プロフィール(株式会社SEAM 代表取締役 石根友理恵氏)

神戸大学卒業後に新卒でサイバーエージェントへ入社、その後株式会社ワンオブゼムに転職し、デジタルマーケティング、PRに従事する。その後、株式会社SEAMを設立。

 

株式会社SEAMについて

ー 事業内容について、教えて下さい。

株式会社SEAMでは、「日本の「心と体」の栄養を満たす食生活を日本のものづくり×テクノロジーを用いて創る」というミッションのもと、食品のD2C事業を展開しております。

その第一弾として、天然素材のみで製造したお酢とだしを使った和ピクルスの「和もん」企画・開発を行っています。

 

和ピクルス「和もん」とは、どんな商品なのでしょうか?

「お漬物」というカテゴリーの中から、ピクルス×日本が持つ素材 に焦点を当てて開発した【和ピクルス】という、新しいジャンルのD2C商品になります。酢漬けであるという点は、既にあるピクルスとは変わりないですが、そこに天然素材のみで製造した「出汁(ダシ)」を加えて、日本人の舌に合う味にアップデートした商品が「和もん」になります。

 

ー 出汁とピクルスが合わさっているから「和ピクルス」なんですね!おもしろいコラボレーションですね。その他「和もん」には、どんな特徴があるのでしょう?

大きくは、4つの特徴があります。

1.素材へのこだわり

2.栄養と健康へのこだわり

3.見た目へのこだわり

4.届け方のこだわり

一つ目の「素材へのこだわり」ですが、使用する素材の全てに、こだわり抜いています。

野菜は、有機農家さんからの直接仕入れ。出汁には、明治39年創業の老舗出汁屋「西尾商店」さんの出汁を使用し、お酢も、明治38年から続く老舗の酢醸造屋「カネマン 中村商店」さんのお酢を使用しており、どちらも創業100年を越える老舗メーカーです。

二つ目の「栄養と健康へのこだわり」ですが、商品テーマに“身体に安心・安全”を掲げており、開発にあたっては、管理栄養士の監修をつけ、栄養素と健康面に注力をしました。その結果、【塩分は、1パック0.5g以下・化学調味料一切不使用・カロリーは、1パック平均50kcalに抑える】ことを実現し、従来のお漬物のイメージとしてあった、塩分が多くて身体に悪そうというイメージを払拭しています。

そして、三つ目の「見た目へのこだわり」については、見て楽しく・思わず手にとりたくなってしまう様なパッケージデザインを考え、お漬物が持つ、味のイメージだけでなく、見た目や魅せ方の部分にまで変化を出して、ミレニアム世代にも手に取ってもらえるパッケージを、ブランディングやデザインの視点から取り入れています。

最後の「(ユーザーへの)届け方のこだわり」ですが、商品をサブスクリプション型の定期購入にしていまして、毎月違った商品をユーザーへ届けるカタチにしています。加えて、既に12種類の商品を開発していますが、季節ごとに新商品を出すことも決めており、引き続き、日本と季節で楽しめる素材にこだわって、新しいお漬物の体験をユーザーに届けていきます。

 

ー 全ての面で、これまでの「お漬物」が持つイメージからアップデートされている商品なんですね!素材を活かしたレシピは、どなたが考えているんですか?

レシピについては、赤羽にあるお寿司の名店「すし処 みや古分店」の亭主 野口さんが味を監修しています。

 

ー 素材、デザイン、味、、どれを取っても一級品が揃っていますね!これは、美味しくないハズがないですね(笑)

 

「起業は、一つ一つを壊していく作業」不安は、どこまでも消えない。

ー 起業をされた経緯についても伺いたいのですが、いつ頃から起業を意識していたのでしょうか?

ぼんやりと「起業をしたい」とは考えていましたが、スタートアップへ転職後、徐々にその想いが強くなっていきました。私は、I私は社会人2年目でスタートアップへ転職し、マーケティングからPR・サービス開発を中心にキャリアを積んできました。

そんな環境だったので、周囲に起業し、事業を行って行くというケースが当たり前のように行われていました。なので、自然と自分の中にも「起業」が選択肢として入ってきました。

 

ー 周囲の環境も大きかったんですね。そこから実際、起業をするにあたっては、何かキッカケはあったのでしょうか?

転機になったことが、2つあります。

・父親の突然死

・妊娠をしたこと

前職に勤務している時に、父親が突然亡くなったんです。。元々、父とは不仲なこともあってそれまで全く連絡を取っていませんでした。しかし家族はルーツなので、いつか自分から歩み寄ろうと思っていた矢先の出来事だっただけに、とても悲しい出来事でした。

その時に「人はいつか死ぬから、例えそれが苦しい選択だとしても自分のやりたいことから逃げずに生きよう」と強く思ったのと同時に、私は「(死んだ時に)何を残すのか?」を考えたんです。

それが人生の大半を捧げる仕事面においては、【自分が死んでも残る、組織と事業】でした。そこから、その実現に向かう為、会社を辞め、フリーランスとして独立したんです。

 

ー なるほど。

そこからフリーランスの期間中に妊娠を経験し、妊娠・出産によって、女性はキャリアの前線からは一歩身を引かなければいけないケースがあることを身をもって経験しました。ワーカーホリックで仕事が趣味くらいの気質でここまできた自分も、妊娠中の体調の変化や今後の不安に、「自分の仕事人生を好きに生きられなくなるタイミングは、ここかもしれない」と強く感じたんです。

この時の経験を、“社会”と”働く女性”が共存する上での取り組むべき課題だと感じ、そこで(女性が)子育てをしながら働くことに関してプローチ出来る事業をやろうと思い、子供向けのメディア動画を事業ドメインに2017年の3月にSEAMを立ち上げました。最終的に、その事業はリリースの直前にピボットすることになり、現在の「和もん」になっているという経緯です。

実は会社を立ち上げた時期は、もう臨月にも入っていて、会社登記はとほぼ同時期なので、子供と会社は同じとしです(笑)。

ー どちらか一方が落ち着いてから次へ、という選択肢は取らなかったんですね。

私自身の戒め的な意味合いもありました。子どもを理由に【組織と事業をつくる】という掲げた未来をやらなくなってしまうんじゃないか?という危機感は、何となく持っていました。

当時も、事業を進める現在でも、様々な局面で自分自身のメンタルブロックがかかる場面に数多く直面します。「本当に独立して大丈夫かな?」「この決断をしていいのか?」など。つきまとう悩みと、自分自身と対峙すること自体に変わりはありません。

起業は、その一つ一つを壊していく作業だなと感じていて、人を雇うことも、資金を調達することも、見えない世界をみる為に、目の前の悩みや、自分自身の壁を壊して、新しい世界を広げていくことの繰り返しなんだろう、と今は思っています。

 

ー なるほど!見えない世界を見にいくために、それを壊していく。そして、その繰り返し・・とても深いお話です。

私もまだスタートラインに立ったばかり。毎日腹痛を抱えながら、仕事しています(笑)

 

ー 一同:(笑)

 

子供向けのメディア事業から漬物D2Cへの事業転換。そこで学んだコト

ー 最初に考えていた事業は、子ども向けのメディア動画事業という話しもありましたが、当初考えていた事業からピボットをされた経緯についても教えてください。

最初に考えていた子ども向けのメディア動画事業は、リリース前からの資金調達し、メディアに合わせたチームも作り、これから動画制作の量産体勢に入るのを目前にして、事業をピボットしているんです。

 

ー そこまで準備されていた事業をリリース直前で辞めたのには、どんな理由があったのでしょうか?

YouTubeの教育コンテンツ市場がガラリと変わり、闘う市場として、とてもハードになったことなど。幾つかの理由はありますが、一番の理由は「自分がその事業に人生かけられるのか?」の問いに(自分自身が)答え切れなかったことです。

勿論、周囲も巻き込んで進めていたので、そう思い込もうと必死に努力し、リリース準備を進めながらも、裏では悶々とした葛藤を繰り返していました。最終的には、リリースの目前でメンバー・株主にも正直に思っていることを伝え、全員が納得した上ででピボットする決断をしたのですが、あの時は本当に自分が情けなくて・・・。

 

ー なるほど。スタートアップが事業をピボットするということ自体、決して珍しい事例ではないのかと思いますが、石根さんの学びとして今伝えられることがあれば教えて下さい。

事業ピボットの経験を通じて、私自身が反省したこと・事業立ち上げの判断軸として持っておいた方がいいと言えることは2つです。

1.その市場に人生をかけられるか?

2.経験してきたスキルにマッチしているか?

一つ目の「その市場に人生をかけられるか?」という話ですが、ファウンダーである以上、そこには沢山の人を巻き込みますし、自分の残りの人生と時間をそこに費やすくらいの覚悟を迫られます。その時に、ここに人生かけられるか?という問いは必ず持っていた方がいいと思います。市場を見直す際に私が考えたのは、父の死と子どもの出産でした。どちらにも「食」の悩みが大きく絡んでいたこともあって、「次に勝負するなら、絶対にこの領域」と腹を決めました。

二つ目の「経験してきたスキルにマッチしているか?」についてですが、やったことのないスキルでいきなり事業を立ち上げるのは、やはり時間もかかってきます。現在のD2C領域であれば、ブランディング・マーケティングのスキルは必須ですし、これまで私のキャリアで培った経験が全て活きる領域でもあったので、結果としてはとても良かったと感じています。

事業をピボットすること自体は、実際本当によくあることです。その時に大事なのは、「何を反省して、どう活かすか?」だと思っていますし、事業をやっている時の不安は、どんな時でも絶対に消えません。その不安と向き合い、、とにかく行動量を増やして、小さな実績を自信に変えて、前に進んでいくことでしかないと今は思っています。

 

ー リリース直前で全員に説明する瞬間など。考えただけでもゾッとしますが、そんなスタートアップで経験する貴重な体験談を有難うございます!

 

今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

・「日本の食文化をデジタルの力で再定義していく」

・「ニッチな市場で一番を取っていく」

この2つからブレずに事業を展開していきたいと考えています。
和もんは、お漬物好きの方だけでなく、これまでお漬物を手にしてこなかった方に手に取ってもらい、日常に漬物=和もんという日本食文化のある生活をお届けしたいと思っています。、中長期的な展開としては、日本の食品というカテゴリーの中で商品を展開していきたいと考えています。まずは、漬物を選択しましたが、その次は日本の食文化領域でも新しいプロダクトを考えていきたいと思っています。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

現在、SEAMではデザイナー・マーケターー職のインターンを募集しています!日本食というカテゴリーやD2Cというカテゴリーに興味のある学生さんがいれば、是非弊社のHPからお問い合わせください。


ー リリース前後の貴重な経験が詰めそうなインターンですね!これからのプロダクト展開も楽しみです。今日は有難うございました。

こちらこそ、ありがとうございます。

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カタヤマショウヘイ

カタヤマショウヘイ

新卒から約6年間、人材ベンチャーにて法人営業・キャリアコンサルタント、採用コンサルタントとして従事。専門領域は、中途採用全般。2016年にフリーランスとして独立。その他、専門領域として地域活性分野にも携わっており、現在は福岡に関するUIターン向けメディア「福岡移住計画」のディレクターとしても活動中。現在は、地元群馬を拠点に「半分農家・半分〇〇」といった形で仕事と場所に捉われず、活動を拡げています。

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