記憶に関する本質的な課題を解決するプラットフォーム「Monoxer(モノグサ)」モノグサ株式会社 竹内孝太朗・畔柳圭佑【起業インタビュー142回目】|起業サプリジャーナル

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記憶に関する本質的な課題を解決するプラットフォーム「Monoxer(モノグサ)」モノグサ株式会社 竹内孝太朗・畔柳圭佑【起業インタビュー142回目】

公開日:2020.06.22

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新型コロナウィルスの影響により、変化を求められている業界の中の一つに「教育」がある。通うことを前提として、設計されていた現場でのコミュニケーションは閉ざされ、オンライン授業など新しい変化が生まれてきている。そんな中、現場で注目を集めているのが、”覚える”ことに特化をして、開発された記憶のプラットフォーム「Monoxer(モノグサ)」だ。リアルな教育現場の状況から、記憶に関する本質的な課題に気づくサービス立ち上げ時の話まで、創業者である竹内氏・畔柳氏に話を伺った。

 

プロフィール(モノグサ株式会社 代表取締役 竹内孝太朗氏 / 同代表 畔柳圭佑氏)

▶︎代表取締役 竹内孝太朗氏(写真:左)

名古屋大学経済学部経営学科卒。卒業後は、株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。中古車領域での広告営業に従事し、2011年に中古車領域初及び最年少で営業部門の全社表彰を受賞。その後、株式会社リクルートマーケティングパートナーズにて、オンライン教育サービス『スタディサプリ』の高校向け営業組織の立ち上げや学習到達度測定テスト、オンラインコーチングサービスの開発に従事。

 

▶︎同代表 畔柳圭佑氏(写真:右)

東京大学理学部情報科学科卒。東京大学大学院情報理工学系研究科にてコンピュータ科学を専攻。、分岐予測・メモリスケジューリングを研究。修士(情報理工学)。卒業後は、グーグル株式会社(現グーグル合同会社)に入社。Android、ChromeOSチームにて、 Text Frameworkの高速化およびLaptop対応、ソフトウエアキーボードの履歴・Email情報を用いた入力の高精度化、およびそれを実現する高速省メモリ動的トライの開発、ジェスチャー入力の開発に従事。

 

モノグサ株式会社について

ー 事業内容について、教えて下さい。

“覚える”為のアプリケーション「Monoxer(モノグサ)」の企画と開発をしており、学習塾や予備校・英会話教室といった教育領域における法人企業の皆さんに利用を頂いています。

 

“覚える”為のアプリケーション「Monoxer(モノグサ)」とは、どんなサービスなのでしょうか?

竹内孝太朗(以下、竹内氏):Monoxerは、”覚える”中でも、【解いて→覚える】というプロセスに重きをおいた設計をしており、管理者である現場の皆さん(主に先生等)が課題を設定し、その課題に沿った問題をアプリケーションが生徒一人一人に合わせて自動生成、それを解いていく中で、記憶として定着させていくという設計のアプリになります。

 

ー 学習系のアプリは既に色々リリースされているかと思いますが、Monoxerはどんな特徴を持っているのでしょう。

竹内氏:特徴としては、大きくは2つあります。

 

  1. ”覚える”内容であれば、どんな教科でも対応することが可能になっている
  2. 学習計画機能による、記憶と学習コントロールを実施

 

一つ目の「”覚える”内容であれば、どんな教科でも対応することが可能になっている」点ですが、英単語や漢字練習のアプリなど既存に出ているものは、覚える領域を絞って各々配信されているアプリが多いです。Monoxerでは、覚えるものであれば、国語・英語・社会・理科、数学(一部)にまつわる内容まで問題を生成することが可能です。

そして二つ目の「学習計画機能による、記憶と学習コントロールを実施」ですが、管理者は生徒に覚えさせたい内容(例:英単語100個)と共に、それを「いつまでに達成するか?」といった期日を設定することが出来ます。それによってアプリケーションが、その期日までにどう学習させるか?をコントロールし、期日までにどう学習すればいいかをアプリが決めて、それに沿った課題をアプリから配信してくれるという機能も持ち合わせています。課題を設定した管理者(先生)は、生徒一人一人の進捗確認が出来るので、「4日目の段階で、A君は予定通り進んでいるが、B君は少し遅れている」といった内容まで確認が出来、それに沿ったフォローアップをすることを可能にしています。

 

新型コロナウィルスによって変化していく、学習塾の価値提供の在り方

ー 実際に、学習塾や教育機関では、Monoxerをどの様に現場で取り入れているのでしょうか?

竹内氏:塾にいる時間や講座内で使うこともありますが、どちらかというとMonoxerは、塾以外の時間でよく使われています。そもそも学習時間のほとんどは、自学自習によって形成されています。にも関わらず、これまで塾は塾に来ている以外の時間に、生徒がどう過ごしているかを知る術がありませんでした。塾での時間は、より本質的な学習の場として、それ以外の時間を使って「次回までに漢字を100個覚えてきてね」などといった記憶することに特化した課題を管理者から発信し、塾外での生徒との学習コミュニケーションを図るツールとして導入してもらっています。

直近では、新型コロナウィルスの影響もあり、通塾出来ない生徒たちとの学習コミュニケーションの機会としても導入を頂くケースも増えてきています。

 

ー 現場で御社の様なICTツールが導されている背景には、どんなことがあるのでしょうか?

竹内氏:当たり前ですが、学習塾の評価は、生徒の成績を上げないことには繋がりません。

そして、生徒の成績を上げる為には、塾に来てもらう以外の時間にも関与していかないとそれは難しいと感じています。そして新型コロナウィルスの影響もあり、映像配信の授業も普及しつつありますが、映像授業だけならYouTubeに代表される無料コンテンツや、塾より安価で出来るサービスが数多く出ている為、お金を払ってくれている親の目線も気にしながら、学習塾は「塾にきて→生徒に教える」以外の+αの成績を上げる活動・付加価値を求められてきているのが直近の大きな動きとなっています。

 

ー コロナによって、塾の価値提供の在り方にも変化が求められているんですね。

 

「似たようなサービスが沢山出ているのは、本質的な課題を解決していないから」。単語帳シェアサービスの構想から記憶のプラットフォームへと変化を遂げた経緯について

サービスを思いついた経緯についても伺いたいのですが、Monoxerはどのようにして生まれたのでしょうか?

竹内氏:2012年ごろにサービスの種となるアイデアを共同代表の畔柳に相談したことがきっかけです。当時は「単語帳のシェアサービス」をつくろうと考えていて、アイデアはあるが、作れないので協力して欲しいと、高校の同級生でもあったに相談したのが初めのきっかけでした。

 

ー 初期の構想では、もっと領域を絞ったピンポイントなサービスだったんですね!

竹内氏:そうですね。そこから週に一度、彼に時間をもらって、サービスの開発に向けて動き出すのですが、その過程で畔柳によって、単語帳のシェアサービスから記憶のプラットフォームへとアイデアがブラッシュアップされていきます。

 

ー サービスアイデアを聞いて、畔柳さんの中では、どんな考えに変化していったのでしょう?

畔柳圭佑(以下、畔柳氏):竹内からアイデアを聞いて、作る前にまずは「世の中にどんなサービスがあるのか?」と調べていくのですが、当時から単語帳に関するアプリは沢山ありました。

『これだけあるのに、どうして新しいサービスが次々と出てくるのか?』というのが最初の疑問だったのですが、よくよく考えてみればそれは、【既存のサービスはユーザーの本質的な課題を解決出来ていないことの現れ】でもあると感じたのです。

 

ー 本質的な課題というと?

畔柳氏:既存のアプリの多くは、紙であったものをアプリ化することで利便性を高めてはいましたが、そもそもそのアプリを購入する方が本来目的としている「単語を覚える」ことを真に解決出来ている訳ではないということです。

 

ー なるほど。

畔柳氏:それと同時に、単語帳で単語を覚えること自体、とても苦しい作業であることを実体験から感じていました。しかし、私たちの日々の生活は”記憶”をすることの連続であって、それを苦だとは思って過ごしてはいないですよね?そこにも”記憶”の課題が存在すると考えました。

英単語の課題に限らず、記憶すること自体は、人間の知的活動における根本的な要素ですし、教育業界にとどまらず、もっと他の分野や私たちの生活の中にも存在する課題だと考え、”記憶”に着目したサービスを作っていくのが良いのではないか?と思い、今のMonoxerの構想は生まれました。

 

ー 確かに。「記憶」をするという行為は、勉強だけでなく、様々な場面で行っていることですもんね。竹内さんは、当初のアイデアから変わっていくことに関しては、どう感じていたのでしょう?

竹内氏:初めてアイデアを話した時から、畔柳からは丁寧にフィードバックを貰っていて、「似た様なサービスでこういったものがある」「フレームワークはこれを使った方がいい」など。開発に関する内容は、正直理解出来なかったのですが(笑)それを持って、翌週までに自分でリサーチをして、彼とまた議論をして、ということを繰り返していく中で、“変化していくこと”をとても楽しんでいました。

 

今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

畔柳氏:現在は、日本の教育業界を中心としたサービスの提供や拡大に向けた動きを取っていますが、「記憶」という課題は、特定の人に限らず、人類の普遍的な課題だと捉えています。

今提供している領域の中で知見を溜めつつも、例えば国内であれば資格取得や社内研修の領域にも裾野を広げたり、長期的には、海外の教育現場にまで対応領域を広げてサービスを提供していきたいと考えています。

竹内氏:そうですね。記憶の課題を抱える、全人類に使って欲しいと思っているので、海外への展開は必ずしていきたいです。

 

ー 最後に、記事の中でお伝えしたいPR事項などもあれば教えてください!

竹内氏:現在、弊社では採用を行っています。ビジネスサイドでは、セールス・カスタマーサクセスを募集しています。起業志向のある方で、スタートアップで経験を積みたいという方でもOKですので、興味のある方は是非弊社の採用情報をご覧下さい。

畔柳氏:エンジニアも、幅広く募集中です。「記憶の課題を、ソフトウェアの力で解決することに興味関心のある方」を募集していますので、気になった方はお気軽にお問い合わせ下さい。

 

ー 変化していく教育現場にMonoxerがどう浸透していくのか?これからの動向も、とても気になります!今日はありがとうございました。

竹内氏・畔柳氏:ありがとうございます。

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