旧態依然の慣習にスタートアップが切り込む”与信の自由化”。フリーランスのための与信サービス「smeta(スメタ)」リース株式会社 中道康徳【起業インタビュー141回目】|起業サプリジャーナル

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旧態依然の慣習にスタートアップが切り込む”与信の自由化”。フリーランスのための与信サービス「smeta(スメタ)」リース株式会社 中道康徳【起業インタビュー141回目】

公開日:2020.06.12

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副業やフリーランスといった多様な働き方が、社会全体として認知・許容されていく風潮を感じつつも、実際になってみると、まだまだ会社員と比べて立場の弱さを感じることは多い。その最たる例の一つとしてあげられるのが、不動産の賃貸・売買における契約であろう。そこには「いくら売上をあげているか?」という定量的な議論ではなく、「会社員であるか否か」といった、業界の中に旧態依然として残る定性的な議論で貸す・貸さないが決まっていることが多いと、起業家 中道氏は話す。今回は、そんなフリーランスが持つ与信の課題に、スタートアップとして切り込む同氏にお話を伺いました。

 

プロフィール(リース株式会社 代表取締役 中道康徳氏)

大手不動産デベロッパーグループにて売買業務や不動産証券化業務等を経験後、不動産ポータルサイト LIFULL HOME’S にて提携サイト開発業務に従事。その後、ソニー系列のSMN株式会社にてDSP「Logicad」の企画開発、SSP「Pubmatic」の国内拡大支援を担当し、株式会社ターミナルを設立。新たに2018年9月より、リース株式会社を設立し、「個人の信用価値を最大化する」というVision を掲げ、不動産賃貸向け与信サービス「smeta」を開発・運営している。

 

リース株式会社について

ー 事業内容について、教えて下さい。

不動産事業と与信サービス「smeta(スメタ)」の開発・運営をしています。

 

与信サービス「smeta(スメタ)」とは、具体的にどんなサービスなのでしょう?

個人事業主やフリーランスといった、一般的に「与信が弱い」とみなされる方々に向けて、賃貸借契約に必要な契約の与信を付与するサービスとなっています。これまでは、個人の裁量によって収入をコントロール出来る働き方を選んでいる人(個人事業主・フリーランス)の与信を判断できる能力を、家賃保証会社をはじめとする機関は持っていませんでしたが、smetaでは、それを独自に仕組み化し、その人に応じた適正な与信を付与出来る様にしました。

ユーザーは、smetaのアプリから【(現在の)雇用形態・勤続年数・前年度年収】を記入するだけで、目安となる家賃が分かり、さらに追加で情報を入力することで借りられる家賃の上限額を「事前与信」としてアプリから取得します。その後は、住みたい物件の希望条件を入力すると、smetaのパートナー不動産会社に共有されるので、獲得した与信を元に提案された候補から気に入った物件を選んで契約するだけとなります。つまり、従来フリーランスの方々が経験してきた「契約の段階で与信が降りなかった」といった問題に直面することなく、賃貸借契約を結ぶことを可能にしているサービスです。

 

smetaは、フリーランスの中でも、どの様な方々に使われているのでしょうか?

ユーザーの多くは、過去に賃貸の契約を試みるも、審査で落ちた経験をしている方達がほとんどです。私自身にも経験のある話ですが、フリーランスが賃貸契約の場面で最終的に与信が降りずに契約が出来ないというケースは、本当によくあります。そして、その殆どが「自分は与信を持っているから大丈夫!」と思っている方達なのです。

 

ー 「フリーランスになると審査が通らない」という話は、よく耳にします。そもそも、これはどうしてなのでしょうか?

極端な話、会社員か・それ以外か、の2択で審査が行われている現状が大きく関与しています。

これ自体は「終身雇用」を前提とした金融機関の審査概念から来ています。就職した会社で定年まで勤め上げることが、色濃く残っている現状の構造では、

  • 長く勤めるので、安定的な収入が見込める
  • 会社に所属していれば、そう簡単にクビになることはない

と判断されており、【勤務先×勤続年数×年収(安定的な給与所得)】の軸で判断する既存の仕組み上、どうしてもフリーランスに不利に与信が働いてしまうのは、しようがない状況と言えます。極端に言ってしまえば、「個人は見ていない」「勤め先の会社の看板力と安定性を見て判断している」といっても過言ではないです。これは、賃貸契約に限らず、銀行口座の開設やクレジットカードの新規発行においても同様なことが言えると思います。

 

ー なるほど。不動産の場合は、物件を持っているオーナー、または管理会社が最終的にそういう判断を下しているってことですかね?

契約をする立場ですと、そう見えますが、実際は違います。

多くの場合、管理会社の裏側には「家賃保証会社」と呼ばれる、契約者が家賃を滞納してしまった場合に家賃を立て替える(保証する)会社と契約しており、その家賃保証会社が最終的な入居審査をしています。

「smetaがなぜフリーランスに与信を付与できるのか?」の答えにもなりますが、弊社ではこの家賃保証会社としての機能も持ち合わせています。独自の仕組みで会社の所属有無に捉われず、適正な評価に基づく審査でフリーランスにも与信を付与できる仕組みを有している為、その方の実態に伴った、賃貸借契約を家賃保証会社の立場でサポートしている、というのが実情となっています。

 

ー なるほど!御社は、最終的に審査を下す立場でもあるということだったんですね。

 

所属や肩書きに捉われず、多角的な観点からフリーランスの与信を調査。

ー ひと口に「フリーランス」といっても、収入を含めて個人差はあるかと思います。御社では、その辺りをどう捉えているのでしょうか?

個人的な意見を申し上げれば、自身で収入や働き方をコントロールして、生活をしているフリーランスには優秀な方が沢山いると感じています。「身体一つで生計を立てているのだから、その時点でもう人とは違いますよ」というのが本音ではあります(笑)ただそれが、組織の所属有無で住みたい家に住めない・借りたい場所にオフィスを借りられない、という現状に関しては、とても不条理だと感じています。なので、与信を与える立場でもある我々が、そこに正当な評価をすることで、もっとフリーランスでも自由に賃貸借契約が出来る社会の実現が出来たらいいと、常に考えています。

 

ー 実際、御社はフリーランスの与信調査をどのように行っているのでしょう。

確定申告の内容から、その方の収入証明になるもの、受注している仕事の内容から経費項目の内訳など、あらゆる面から総合的に判断します。節税の観点で、経費を上手に工面している方も多いので、売上800万円ある方で、最終的な利益が200万円になっている方が、一概に「稼いでいないか?」といえば、そういったことはありません。目に見えている数字だけでない部分で評価もしていく為に弊社では、多角的な情報からフリーランスを判断して与信を付与しています。

 

ー 経費の内訳まで!細かく見ているんですね。例えば、ユーザーが希望する家賃条件に与信が、ほんの少し届かなかった場合はどうしているんですか?

弊社では、フリーランスが仕事で使うサービス、例えばクラウドソーシングのサービスなどとアライアンスを組んでおり、サービス内での仕事の実績や評価なども審査の加点項目として入れています。場合によっては、そういった先で数件仕事をしてもらって与信の基準を満たしてもらうといったことも可能性としてはありますね。

 

自分が当事者になって弊害を受けない限り、そこが真の問題になっているとは気づかない」起業→フリーランスのプロセスで気づいた新たな課題。

サービスを想いついた経緯についても伺いたいのですが。なぜフリーランスに特化した与信のサービスを始めようと思ったのでしょうか?

今の会社で2社目の起業になるのですが、1社目に立ち上げた会社を抜けた後に、これまでやってきた仕事以外の知見を高めたい!と思ったことと、ノマドワーカーに憧れてフリーランスになりました。

その時に、フリーランスとして個人で事務所を借りようと思ったら、5社ほど立て続けに審査で落ちまして、それ以外にも銀行口座の開設やクレジットカードの発行でも同じようなことを経験しました。フリーランスの与信の弱さをあらゆる面で痛感しまして、気がついたら、その事に対してふつふつと思うことが出てきてしまったんです(笑)その時、「こういう経験をしているフリーランスは自分だけではないのでは?」と思って、周囲に聞いて見れば、皆同じ様なことで悩みを抱えていたんです。

そこで、それまでのキャリアで不動産に特化したキャリアを歩んできていた私は、「まずは自分自身に知見もある、不動産で価値を見出そう」と2018年にリース株式会社を立ち上げました。

 

ー 中道さん自身もフリーランスの立場で同じ様な経験をされていたんですね!実際、不動産業界にいた時は、与信の課題については認知されていたのでしょうか?

業界の構造上、どこがその判断をしているのかは当然知っていました。ただ、分かってはいたものの、自分が当事者になって弊害を受けない限り、そこが真の問題になっているとは気づかなかったですね。

 

ー 「起業→フリーランス」というプロセスを経たからこそ、また新しい課題に気づけたんですね!

 

今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

直近では、不動産を借りる際の一時金の分割支払いを可能にするサービス「smetaクレジット」のリリースをさせて頂きました。このサービスでは、引越しに関わるまとまった費用を分割支払いにすることで、ユーザーのキャッシュフローの改善を支援するだけではなく、今後フリーランスの方にとって租税効果を高める様な施策も支援できないか、検討中です。

長期的なお話をすれば、従来の不動産業界の中にある「多重取引構造の解消」にもメスをいれたいと思っています。所属や仕事に捉われず、【借りたい人が借りたい人の名前で契約できる世界】の実現に向けて、これからもサービスを進化させていきます。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

これまで不動産契約の際に「与信で落ちた!」という経験をされたフリーランスの方がいれば、是非smetaを使ってみてください。直近では、一時金分割払いの「smetaクレジット」もリリースし、資金繰りの面でもユーザーのサポートが出来る耐性が整いましたので、引越しをお考えの方がいれば、弊社サービスを利用頂けたら嬉しく思います。

 

ー フリーランサーでお困りな方がいたら是非使って欲しいサービスですね!今日は有難うございました。

こちらこそ、有難うございます。

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カタヤマショウヘイ

カタヤマショウヘイ

新卒から約6年間、人材ベンチャーにて法人営業・キャリアコンサルタント、採用コンサルタントとして従事。専門領域は、中途採用全般。2016年にフリーランスとして独立。その他、専門領域として地域活性分野にも携わっており、現在は福岡に関するUIターン向けメディア「福岡移住計画」のディレクターとしても活動中。現在は、地元群馬を拠点に「半分農家・半分〇〇」といった形で仕事と場所に捉われず、活動を拡げています。

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