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ハッピー × テクノロジーで幸福度の可視化を図る、健康診断の幸せ版「Well-Being Circle」株式会社はぴテック 太田雄介【起業インタビュー131回目】

公開日:2020.02.18

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数年前にGoogleがチーフ・ハピネス・オフィサー(CHO)という、社員の幸せを考え、業績を伸ばしていくポジションを設立したのは記憶に新しい。社員ひとりひとりの幸福度が、パフォーマンスや業績の向上に影響するといったデータは調べれば数多く見られる。今、企業は売上や利益だけを求める姿勢に、新しい視点を求められているのだ。そんな「幸せ」という、とてもニッチな視点にスタートアップとして挑戦を続ける株式会社はぴテック 太田氏に話を伺いました。

 

プロフィール(株式会社はぴテック 代表取締役CEO 兼 CHO(ハピネス) 太田雄介氏)

慶應義塾大学体育会柔道部、同大学院 総合デザイン工学専攻卒業後、ITコンサルタントとして流通小売/製造/金融業の大手企業にてシステム開発・業務改革に従事。一部上場のITコンサルティング企業にて年間個人MVPも受賞。発展しているにも関わらず、幸福度が下がっている世界を課題を感じ、もっとみんなが幸せになる、みんなが幸せに向き合う世界をつくる為に株式会社はぴテック(ハピテック)を創業

 

株式会社はぴテックについて

ー 事業内容について、教えて下さい。

 

「しあわせな人をテクノロジーの力でふやす」というミッションの元、様々な事業を展開しています。現在のメイン事業としては、幸福学をベースとした幸福度診断「Well-Being Circle」を個人〜法人向けに展開し、ニーズのある先には、その後の研修やコンサルティングといった内容も展開しています。

 

ー 幸福学をベースとした幸福度診断「Well-Being Circle」とは、どんなサービスなのでしょうか?

 

72問のアンケートに答えることによって、34項目にわたってユーザーのウェルビーイング(幸福)を測ることが出来る幸福度診断となっています。

個人向けには診断自体を無償で提供していまして、現時点の自分の幸福度がチャートによって可視化出来ることに加えて、そこからどうやって各指標を上げたらいいか?といったアドバイスまで確認出来ます。

法人向けの場合は、まずは全社員に受けてもらうことで社員一人一人が現状の自分を知ることと、組織全体の幸福度の可視化を測ることで組織の特徴を捉え、指標を改善することで今よりも幸せな職場にしていく為のアフターサポート(研修・コンサル)も行っています。

 

ー 診断自体は、御社独自でつくられているモノなのでしょうか?

いえ、こちらは慶應大学で幸福学の研究をしている前野隆司教授の研究室と共同でつくっています。なので、学術的にも背景のある診断となっているのが特徴です。

概念としては健康診断に非常に近しいモノと考えていて、まずは現状を知り、さらにそこから改善する為のやり方を理解し、個々人が健康になっていく様に幸せになっていく。その入り口である診断が「Well-Being Circle」ですね!

ー なるほど。健康診断の「幸せ」版という理解ですね!幸福度を上げていくためのアドバイスに関しては、どの様なアウトプットで出てくるのでしょう?

現時点では、診断結果の内容からテキストベースのアドバイス資料を確認する形となっており、項目によってアドバイスをさせて頂く内容は様々ですが、すぐに出来るワークを提案させて頂いたり、日々の生活の中で出来る改善策を記載したりしています。

 

 

社員ひとりひとりが幸せだからこそ、パフォーマンスも最大化されて、辞めずに働けるという考え方は、もはや一般的な考え方となりつつある。

ー 素朴な疑問なんですけど、幸せであるかどうか?って、例えばどういうカタチで可視化出来るのでしょうか?

 

学術的に人が幸せを感じるものは、【地位財】と【非地位財】に分けられると定義されています。例えば、お金やモノや地位などは【地位財】に当たりますが、地位財で満たされる幸福は長続きしないと言われています。給与が上がった時などは、分かりやすい事例ですよね。上がった年は、幸福度も上がりますが、そうでなければ、幸福度も下がってしまうなど。一方で、長続きする幸福と言われているものが【非地位財】となっており、心身の健康であったり、安心・安全が確保されている状態、環境などがそれに当たります。

「Well-Being Circle」では、【地位財】と【非地位財】の全局面から回答を取って、幸福度を可視化し、数値化します。

 

ー 個人が自分の幸せを考えること自体は、時代の流れを見ても感じる部分はありますが、組織が社員個々人の幸せを考える傾向自体は増えてきているのでしょうか?

 

欧米では、会社が従業員の幸せを考えること自体、とてもポピュラーな概念になってきています。Googleが社員の幸せをみる役員、CHO(チーフ・ハピネス・オフィサー)をおいたのは記憶に新しいかと思いますが、そのポストを組織内におく企業も徐々に増えてきています。「社員ひとりひとりが幸せだからこそ、パフォーマンスも最大化されて、辞めずに働ける」という考え方は、もはや一般的な考え方となりつつあるんです。

 

ー なるほど。日本でもこれから徐々にそういった流れになっていくんですね!まだあまり浸透していない領域だからこそ、大変だったことはありますか?

 

私自身も、概念として理解して貰うのに時間はかかる分野だと思っています。

「しあわせな人をテクノロジーの力でふやします!」だなんて、一見すると怪しい分野にも捉えられてしまうこともあるんです。今着てるシャツのせいもあるのかもしれないですが、しっかりした会社ほど入り口で「ここは会社なので」と受付で止められてしまうこともありました(笑)

 

ー 一同:(笑)

 

アフリカで気づかされた「幸福」の多様性。

ー 「起業しよう」と考えはじめた経緯についても教えてください。

 

世の中に幸せな人もっと増やしたい!と考え始めた時に、それをスタートアップやテクノロジーを使って、ビジネスとして展開しようとしている会社があまりいなかったので自分で起業する選択肢を取りました。

 

ー 動機としては、「幸せな人をもっと増やしたい」という想いが先だったんですね。その想いは何がキッカケで生まれたのでしょうか?

 

キッカケは、アフリカに行ったことでした。幼少期にみたTVCMで「300円でアフリカにいる1人の子どもの命が助かる」みたいな内容を見ていて、『自分の養育費に大体3,000万円かかっているということは、自分は10万人の命の上に立っているのか』と考えているような子どもでして。そこから時間は経過するのですが、社会人になる前に1ヶ月アフリカにいく機会があったんです。

現地の子どもと遊んで現地の家に泊まったりする、ウルルン滞在記的な旅だったんですが、めちゃめちゃ彼らが幸せに生きていることを実感したんですよね。

 

ー 現地の方々がですか?

 

そうです。勿論、私が目にしたのはアフリカの一部ではあったのですが、その状況をみて「あれ、これ日本人の方が幸せに生きてないんじゃない?」と考える様になったんです。

 

ー 経済や物質的な豊かさとは反比例して、といった感じでしょうか。

 

正に。それまでは、売上を上げることやお金を得ることが「幸せ」に結び付くと思っていたのに、その構造に疑問を抱く様になりました。そこから実際に調べてみると、日本はこの50年間でGDPを1.5倍に増やしていますが、個々人が感じている幸福度は、実はあまり変わっていない、むしろ少し下がっている、といった事実に気がつきました。

そこから、もっと幸せな人を増やそうと考える様になって、それをビジネスや起業という選択肢で解決しようという思考になっていったという経緯ですね。

 

ー なるほど。そこからサービスを「幸福度診断」にしたのには、どんな経緯があったのでしょう?

 

計測することが全てではないですが、一方でそれがすごく大切だと思ったんです。

数値としてみえると、皆んな状況を理解しやすいですし、改善に向けて動きやすい。

日本という国をみても、数字を改善していくことは得意な傾向にあると思ったので、まずは測ることを当たり前な世の中にしたいと思って幸福度診断から始めました。

 

今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

 

法人向けの展開に関しては、現在(幸福度を)測った後の工程を全て人的にまとめている部分が多く、そこをシステム化していこうと考えています。診断自体のアドバイス精度を上げていくことも、前野教授の研究室と協同で引き続き取り組んでいきます。

長期的には、「幸せ」を考えて生きることが当たり前の世の中になって欲しいと思っていまして、自分の幸せがどうやったら上がるのか?を考えながら個々人が過ごし、幸せに向かっていく世の中になるといいな、と思っています。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

 

是非、Well-Being Circleを使って現在の自分の幸福度を測って欲しいです。出来れば、それを家族や友人、会社の同僚とでもいいので、周りの人も巻き込んで一緒にやって欲しいと思っています。ご自身の幸せについて考えてもらう機会と、それを自分以外の人と話す時間をこの機会に設けてもらえたら、とても嬉しく思います!

導入企業の事例としても、最初は「なんて怪しいものが自社に導入されたんだ!」というコメントもあったんですが(笑)。やっていくと皆さん、「自分の幸せについて考えるキッカケが出来た」と話してくれるんです。組織として、幸せな職場環境をつくっていきたいと考えている企業様がいれば、是非その環境づくりもお手伝いさせて頂けたらと思っています。

 

ー 素敵です!早速、編集部内でもやってみたいと思います。今日は有難うございました。

 

はい、ありがとうございます。

 

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