2020年より、経済産業省系の補助金の多くが電子申請をできるようになります。本稿では、その仕組みについて説明をしていきたいと思います。
Jグランツとは
経済産業省は、2019年12月23日より「Jグランツ」を運用開始しました。Jグランツとは、端的に言えば、補助金の電子申請システムです。
従来、補助金の申請のためには、紙で申請書類や添付書類を作成し、押印などをした上で、官庁の窓口に提出する必要がありました。
これが、Jグランツを利用することにより、電子申請で補助金を申請できるようになったのです。
2020年1月現在は、27の補助金が対象となっており、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」「サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)」など、人気のある補助金も対象に含まれています。
27の補助金の一覧は、経済産業省が公開しているこちらのPDF資料をご覧ください。
Jグランツを利用すれば、補助金の申請が電子申請で行えて、官庁の窓口に行ったり、書類の郵送をしたりする手間が省けるだけでなく、申請後の審査状況や交付決定情報等についても、オンラインで確認できるようになります。
GビズIDとは
Jグランツを利用するためには、あらかじめGビズIDを取得していることが条件になります。
GビズID(=法人共通認証基盤)とは、「GビズID」というアカウントを持てば、その1つのアカウントで複数の行政サービスにログインできるシステムです。
たとえば、Yahoo! IDを持っていれば、メール、オークション、ショッピングなど、様々なサービスを1つのIDで利用することができます。
このようなIDの行政バージョンがJビズIDであるというイメージを持っていただくと良いでしょう。
2020年1月時点では、JビズIDで利用できる行政サービスは、Jグランツを経由した補助金の電子申請のみですが、2020年4月からは、社会保険や労働保険関係の電子申請にも利用できるようになります。将来的には、税法上の手続など、あらゆる行政上の手続が、JビズIDのよる電子申請に集約化されていく見通しです。
GビズIDの取得方法
GビズIDは、GビズIDのホームページから取得をすることができます。
GビズIDには、GビズIDエントリーとGビズIDプライムの2種類があります。いずれも無料で発行を受けることが可能です。
GビズIDエントリーはメールアドレスだけで簡単に作成でき、IDも即日発行されます。これに対し、GビズIDプライムは法人の印鑑証明を添えて郵送で申請書を提出し、審査を受けた上でIDが発行されるという手順になっています。
GビズIDエントリーだけで何ができるようになるのかは現在のところ明らかになっていませんが、Jグランツで電子申請を行うためには、GビズIDプライムが必要となります。
まとめ
2019年にデジタル手続法が成立し、現在、国は、行政手続きのデジタル化を推し進めています。2020年4月からは、資本金1億円超の大企業が一部の行政手続について電子申請が義務化されます。将来的には中小企業にも義務化は広がると思います。
また、義務化されるかどうかに関わらず、電子申請で行政手続を行うことにより、書類を作成する手間や、役所に出向いて提出する手間などを省いて、業務の効率化にもつながるでしょう。
是非、GビズIDを取得して、電子申請にチャレンジしてみてください。