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サラリーマンが副業で起業すると「損益通算」を活用できます

公開日:2019.12.06

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12月になり、サラリーマンの方々は会社で年末調整を受けているのではないかと思います。多くの方が所得税の還付の対象となりますので、喜びもありますが、所得税の負担を改めて実感しているかもしれません。

 

年末調整で所得税が還付される理由

年末調整を行って所得税の還付が受けられる理由は、生命保険や地震保険の支払った保険料額や、住宅ローンの残額などに応じ、所得税が軽減されるからです。

毎月の給与から仮で控除されている所得税は、保険料や住宅ローンは考慮されておらず、多めの所得税が控除されていますので、多く控除されすぎた部分が、年末調整で戻ってくるというイメージです。

しかし、一般的な形として、サラリーマンが年末調整で所得税を軽減させられる手段は、上記のような保険料の支払など、限られた選択肢しかありません。

 

損益通算とは

ところが、サラリーマンが副業を行うと、個人事業で行う場合に限られますが、確定申告で「損益通算」という手段を使うことができます。

個人事業による副業に基づく所得は「事業所得」に分類されます。この点、「事業所得」で赤字が出た場合、サラリーマンとして得ている「給与所得」と相殺をすることが可能で、これが「損益通算」と呼ばれているものです。

たとえば、サラリーマンとしての給与所得が800万円で、副業による事業所得がマイナス300万円だった場合、800万円-300万円=500万円(から基礎控除などを控除したもの)が、最終的な課税所得になり、大きな減税効果があるということです。

 

黒字でも赤字でもメリットがある

もちろん、副業が最初から黒字であるにこしたことはありません。

しかし、副業がすぐに軌道に乗るとは限りませんので、当初数年は赤字になることも想定しておかなければなりません。

実際に赤字になってしまったとしても、本業でサラリーマンをしていれば、給与所得は入ってくるわけですから、当面の生活に困ることはありません。生活に困ることなく安心して副業を行うことができ、さらに所得税の減税効果もあるわけですから、一石二鳥ということが言えるでしょう。翌年の住民税が減税になることも考えると、一石三鳥と言ってよいかもしれません。

 

チャレンジしない手はない!

昨今、厚生労働省のモデル就業規則が副業解禁に変更されるなど、世間的にも副業を容認する風潮が高まっています。

せっかく副業を行うことができる環境があり、税務的なメリットも受けられるのですから、副業をしたいと考えているサラリーマンの方は、是非積極的にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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投稿者について
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榊裕葵

東京都立大学法学部卒業後、上場企業の海外事業室、経営企画室に約8年間勤務。独立後、ポライト社会保険労務士法人を設立し、マネージング・パートナーに就任。「社員から信頼される会社作りをサポートする」を経営理念として、顧問先の支援に当たっている。

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