「平成生まれの起業家が世界で活躍するのを証明したい」 3度目の起業で世界を目指す、株式会社MiL 杉岡侑也【起業インタビュー121回目】|起業サプリジャーナル

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「平成生まれの起業家が世界で活躍するのを証明したい」 3度目の起業で世界を目指す、株式会社MiL 杉岡侑也【起業インタビュー121回目】

公開日:2019.11.05

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「ヘルスケア×フードテック」を軸に次世代の食品メーカーを目指すスタートアップ企業、株式会社MiL。子どもの成長に必要な栄養素を補えるよう開発されたベビーフード「Mi+ミタス」は、2019年4月のローンチ以降、約6ヶ月で販売実績15,000食を突破した。代表取締役の杉岡氏は、18歳から5年間のフリーターを経て、20代にして同社で3社目となる起業を経験している人物だ。3度目の起業で世界へ!そして、Mi+ミタスが提唱をする、日本の手づくり史上主義の弊害がもたらす子どもの栄養不足の課題についてお話を伺いました。

 

プロフィール(株式会社MiL 代表取締役 杉岡侑也氏)

近畿大学附属高校卒業後、大学受験に失敗し5年間フリーター生活を送る。

人生どん底から、環境に恵まれ社会人として復活した経験より、”人の可能性は無限大” を証明するため、2016年に大学生のキャリア支援を行う株式会社Beyond Cafeを創業。2018年には2社目となる、中小企業支援、非大卒者のキャリア支援を行う株式会社ZERO TALENTを創業。数多くファウンダーとして事業の立上げを経験する中で、人の可能性を突き詰めるためには、身体と心のパフォーマンスを最大化させる重要性を痛感。その想いから、2018年、妻とシェフの3人でフード×ヘルスケアスタートアップ株式会社MiLを創業。

 

株式会社MiLについて

ー 事業内容について、教えて下さい。

 

美と健康を内側から整える創作自然和食レストラン「 西麻布」の経営と、心とカラダを満たすベビーフード「Mi+ミタス」の企画・開発をしています。

 

ー 心とカラダを満たすベビーフード「Mi+ミタス(以下、ミタス)」とは、どんなベビーフードなのでしょうか?

 

ミタスは、日本初のサブスクリプション型の離乳食です。子どもの一番味覚が敏感なタイミングで、本当に良いものと必要な栄養素をちゃんと摂取することができるベビーフードになっていて、特徴としては大きくは3つになります。

1.栄養・安全面

小児科医と管理栄養士が監修し、フルオーガニックな野菜を使用し、子どもの成長に必要な栄養素を考慮して開発た厳選食材を使用

2.パーソナライズ・ストレスフリー

子どもの月齢に合わせて、固さ・大きさ・食材がカスタマイズされた離乳食を届け、開けてすぐに使えるので忙しいママの時短にも有効的

3.美味しさ・習慣化

当社のレストラン「倭」のシェフが調理を担当。調味料・保存料は不使用で、野菜本来の旨味で味を表現。

 

ー ベビーフード自体は、既に各メーカーから沢山商品が出ているかと思いますが、他社製品とはどんなところで差別化を図っているのでしょうか?

 

まず、そもそもの大きな違いとして挙げられるのは、ミタスって【家(自宅)用】なんですよ。

既存で販売されている離乳食は、レストランやピクニックなど、外で食べる際に持っていく用として作られているので、そもそも用途から違います。もちろん、外出先でも使用していただけるんですけど。加えて、ミタスは子どもの成長に合わせてメニューを変えており、毎月違う商品を食材の組み合わせからお届けしています。

 

離乳食の「手づくり至上主義」がもたらす弊害。日本の乳児は栄養が足りていない!?

ー そもそも乳児期って親も一番食事に気を使っている時期かと思いますが、それでも子どもの栄養って足りてないんですか?

 

これを語るには、海外の事例も含めた離乳食全体のマーケットを話さないとピンと来ないのですが。

仰る通り、この時期の親の食事に対する感度って一番敏感ですよね。その中で、日本と海外で大きく親の意識に違いがあります。

 

ー 一体、なんでしょう?

 

アメリカやヨーロッパでは、この時期の一番の親の愛情は「成長に必要な栄養を取らせてあげられたか?」に重きを置いているのに対し、日本は一番の愛情は「手づくりの離乳食をつくること」だと親も思っているし、おじいちゃんおばあちゃん、そして医者からもすり込まれているんです。

なので、日本のママさんたちは圧倒的に海外先進国から遅れて、今でも【手づくり至上主義】を貫いているんです。

 

ー なるほど!でも、それの何が問題になっているのでしょうか?

 

手づくりを決して否定する訳ではないですが、それによって起きている弊害としての事例は、先進国の乳児と比較した時の【栄養不足】です。

 

ー へー!そうなんですね、それは意外でした。

 

先日弊社から出したリリースにもエビデンスを書きましたが、現状はあまり大きな問題としては気づかれていません。なぜなら、今だに手づくりが一番だと思われているからです。

アメリカもヨーロッパも、ちゃんとした基準値があり、どうやったらそれに近づけるか?という話なので、親も足りない栄養素があれば、サプリメントを取らせることや、医者に相談して食事内容を考えるといったことは、この時期から一般的です。

なので、日本はこのまま手づくりの離乳食を作り続けていても状況は一向に改善されない為、それを補う補完食が必要なんです。

 

ー イメージは、赤ちゃんのCOMPみたいなものですかね?

 

そうです!栄養補完食的な観点でみて頂けたらと思っていて、これさえ食べていれば、最低限の栄養素はカバー出来るよ、というのをサブスクリプション型にすることで、子どもの栄養や味覚を補う大事な時期に買い忘れや抜け漏れがない様に提供しいます。

ただ、栄養素も100%完璧にミタスだけで補うのは無理です。あくまで補完食。これだけ食べればいいのか!と勘違いされてしまうのですが・・・。

先ほどの特徴でも述べたように、栄養面がミタスの強みですが、加えて、

・調理時間を子供と向き合う時間に当てられる

・味覚のゴールデンエイジといわれる、ピュアな味覚を持った時期のうちに、添加物や調味料で作った”美味しさ”になれるのではなく食材本来の美味しさを知ってもらう

・ママ向けに開放しているプラットフォームを使って離乳食以外のことでも相談できる

など心と身体をミタスためのサービスを提供しているので、そこにも価値を感じていただけると嬉しいですね。

 

 

18歳から5年間フリーターを経験。「自分には、仕事で結果を出すしかなかった」

ー MiLは3社目の起業と伺いましたが、元々杉岡さんは、どんなキャリアで現在まで来られたのでしょうか?

 

大学受験に失敗し、18歳から5年間アルバイトを転々とするフリーターを経験していました。

そこから22-23歳の時に縁あって、地元大阪から上京をして初めて社会人として働くのですが、スキル・学歴もなく、親が金持ちでもない自分は『もうここで結果を出すしかない』という気持ちで仕事をしていました。そうすると仕事っておもしろくて、やればやった分だけ成果に繋がるんですよね。

受験勉強だって、もしかしてそうだったのかもしれないですが(笑)やればやるだけ返ってくるものとして、自分はスゴい仕事にハマったんですよね。

 

ー 練習をすればするだけ、上達していく様な・・そんな感覚だったんですかね?

 

正に!筋力トレーニングをして、目に見えてマッチョになるような感覚ですよね。

 

ー そこから、初めの起業をされたのにはどんなキッカケがあったのでしょうか?

 

当時23歳だった自分が働くことを「楽しい」「おもしろい」と感じていたことと、当時就職活動をしている大学生が働くことに漠然とした「不安」を抱えていることに驚いたんですよね。自分はすごい楽しんでいるのに、皆んな全然それを楽しみにしていない、と。

 

ー 感覚のズレというか、そのギャップですかね。

 

そうですね、そのネガティヴな感情をもっとポジティブな感情に変えてあげれば、もっと元気になるんじゃないかなというマクロというよりは、ミクロな想いから「それを仕事としてやりたい!」と思ったのが起業のキッカケでした。

 

3度目の起業で世界と闘う。「平成生まれの起業家が世界で活躍するのを証明したい」

 

ー そこからMiLの創業にあたり、まず始めにレストランを経営されたのにはどんな理由があったのでしょうか?

 

MiLは、広義でいうヘルスケアの課題解決を「食」のアプローチから解決していく会社です。そのアプローチとして、「食のマーケットで事業をやろう!」と思ったのは26歳の時でしたが、「食」ってグローバルでは2020年までに680兆円になるといわれているマーケットなんですよね。国内だけみても何十兆円と大きい市場でもあり、かつ日本には既にプレーヤーもたくさんいて、市場としても、とても歴史がある。

そんなマーケットで勝負したいと思った時、食のバックグランドがない自分がいきなり参入しても「それっぽいヤツ」に思われて、終わってしまうなと考えたんです。周囲が、自分を信頼して、信用してくれる要素が何一つ無かったんです。

「このままやっても嫌われちゃうな」って、その時にすごい感じたんですよね。

 

ー なるほど。

 

これがITのスタートアップであれば、周囲を無視してやっていけば良いのかもしれないですが、食のスタートアップの場合は、バリューチェーンの中で、農家のみなさまや工場、小売のみなさまと共創していく市場です。スタートの段階で「嫌われるわけにはいかない」と思ったのは強烈に覚えてますね。

そこで一番信用・信頼を得られるビジネスって何だろう?と考えたのがレストランでした。

そこから約5,000万円を使ってレストランを始めました。

 

ー 5,000万円もですか!?Webサービスを立ち上げたら・・と思うと初期費用として高い印象はなかったですか?

 

東京のレストランは世界でもトップ・オブ・エンターテイメントと称されるほど高い評価を受けていて、日本の老舗メーカーのお菓子や調味料は世界の色々な国で販売されている。食のマーケットは選び方さえ間違えなければ、確実に世界にもいけると思っています。

それが一番安いコストで日本、そして世界にもリーチが出来る一歩目の事業と考えた時、メーカーであれば設備含め、数10億円は必要になりますよね?そう考えた時、レストランの初期投資でかかる5,000万円は、逆に(投資対効果がいいぞ!)という印象でした。

 

ー そう言われると納得です。初めから、世界(グローバル)を意識しての立ち上げだったんですね!

 

自分はMiLの創業で3社目の起業になるのですが、とにかく次は20代最後の勝負としても「世界で闘えるビジネスをするぞ!」と思っていました。平成生まれの起業家が世界で活躍するのを証明したいという想いと、これから、僕らの世代が世界で活躍する事例がどんどん出ていかないと、次の世代がそういう視野になってもいかないと思ったんです。

 

今後について

ー 中長期的な展開についてお教え下さい。

 

まず現時点では、ユーザーからの認知や信頼、そしてシェアを伸ばしていけるよう丁寧に事業を進めていきたいと思っています。中期的には、5歳までの子どもを持つ家庭に対して、色々な商品を提供していきたいと思っています。なので、これからミタス以外の商品も発表していく予定で現在準備を進めています。

長期的には、海外への進出を考えていて【ミタス=日本の良い食品ブランド、健康に良いブランド】といったイメージを持ってもらえる日本企業になっていたいですね。

 

ー 最後に、記事内でお伝えしたいPR事項などあれば教えて下さい。

 

乳児の栄養不足に関しては、まだあまり表立って社会として危機感を持っている話題ではありません。ミタスを通じて、そういった部分は少しでも色んな人に知って欲しいと思っています。

「手づくりしないとダメだ!」という風潮より、そもそも生まれてきた子どもの栄養が足りていない方が直視しなければいけない問題だと思うので、その点はミタスの認知と共に社会全体に訴求していきたいです。

 

ー ミタスと手づくり至上主義がうまく調和していくと、これから生まれてくる子どもも安心ですね!今日は有難うございました。

 

こちらこそ、ありがとうございます。

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