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「誰もがワクワクする、オリジナリティあふれる社会」の実現を目指す。株式会社Barbara Pool 井上祐巳梨氏【起業インタビュー104回目】

公開日:2019.04.26

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大手広告代理店から独立をし、現在は企業や地域のビジネス課題を【クリエイティブ×マーケティング】の力で解決をする総合プロデュース会社として、ローカルを中心にボトムアップの課題解決をビジネスを通じて行う、起業家 井上祐巳梨氏。東日本大震災をきっかけに変化をした彼女自身の意識や、そこから起業に至るまでの経緯を伺いました。

 

 プロフィール(株式会社Barbara Pool  代表取締役 井上祐巳梨氏)

東京都出身。日本大学芸術学部卒業。学生時代から地域の町おこしイベントや、2,000人超を動員する学生最大級アートイベントの立ち上げを代表として行う。芸術学部奨励賞(最優秀表彰)受賞。大手広告代理店に入社。大型イベント案件にて社長賞受賞。2013年オーストラリア政府のキャンペーン「The Best Job in the World(世界最高の仕事)」では、世界60万人から日本人唯一の25名の中に選出。同年6月に株式会社Barbara Pool 設立、代表取締役に就任。映像を中心としたクリエイティブ事業を主体に、多数のプロジェクトに携わる。主な作品に、唐津市PR統括、コスモ石油「スマートビークル」、シーボン.「私たちの心の原点」など。2016年、日芸アートマネジメント会事務局長就任。2017年、豊島区・アートカルチャー構想 池袋シティブランディング戦略会検討委員。

 株式会社Barbara Poolについて

 

> 事業内容について教えて下さい。

 

私たちは、企業や地域のビジネス課題をクリエイティブ×マーケティングで解決する総合プロデュース会社として、クライアントの本質的な課題の抽出から→コミュニケーション設計→クリエイティブの企画制作までをワンストップで行なっている会社です。

特徴としては、表面的な広告制作物やPRで終わるのではなく、「共」に「創る」方の“共創型”のプロジェクトを当たり前とし、逆にそれが一緒に出来るパートナー(注:我々は関わる企業や行政さんなどを「クライアント」ではなく「パートナー」と呼んでいます)とお仕事をさせて頂いています。

 

> 実際にこれまで、どんなお仕事をやられてきたのでしょうか?

 

2つほど、事例を紹介します。

1つ目は、豊島区との事例で、行政と共に立ち上げた公民連携プロジェクト「としまぐらし会議」。こちらは、全4回のワークショップを通じて、計10個のプロジェクトを立ち上げ、立ち上がったプロジェクトを行政が一緒に伴走して参加者と育てていくといった企画の、制作から運営を弊社で担当させて頂きました。豊島区は私の出身地ということでご縁があり、今年度もいくつかの企画や事業で伴走していく予定です。

2つ目は、大分県で今年度も含め3年継続しているプロジェクトで「おおいたクリエイティブ実践カレッジ」という取組になります。、こちらは地元のクリエイターに、実践的なプロデュース視点を学んでもらうというプログラムの中で、地元クリエイターと地元企業のマッチングまでを行い、最終的には、両者の間で仕事まで創出する。といった実践的なカレッジの全体企画の制作から運営を弊社が行なっています。

“本質的な課題解決”と言葉だけ聞くと、(なんのこと?)となりがちですが、

大分県での事例では、地元にいるクリエイターがちゃんと地域で稼げる様にする為、そこにノウハウだけを落とすのではなく、最終的に【仕事を創出する】といったところまでを設計をし、そして実際に創る、までが大分のクリエイターにとっての本質的な課題解決だと思ったので、そういった部分までを弊社で企画しました。

> 行政や地域からの案件が多いのは、意図してのことなのでしょうか?

 

会社を立ち上げたタイミングでは、意図していなかったです。

ただ、そこからメンバーが増えてきたタイミングで地域や行政絡みの案件が増えてきました。

本当の課題解決といった話になると、やはり地方こそまだまだ手が届き切っていない部分が多いと感じています。なので現在はそこのボトムアップを、地道に地域の方とやっていきたい、という想いもあって、会社としても意識して地域の案件にも積極的に取り組む様になってきています。もちろん、都市部のパートナー企業も多くおりますし、最近は海外のパートナー企業も増えてきています。

 

> なるほど!競合として、制作会社やPR会社・ブランディングエージェンシーといった会社が上がると思うのですが、そういった競合との優位性はどこに置いているのでしょうか?

 

本質的な課題解決という意味では、「販路開拓の支援」なども私たちでは行なっているのですが、更にそこから「市場を広げる」ということも弊社ではやっています。日本の市場が縮小していく中で、海外に目を向けていく、ローカルからグローカルヘ、をテーマにした新しい動きです。

例えば、静岡県の静岡茶ブランディング事業の事例では、ただ“販路を広げる”ということだけでなく、台湾へのPR、情報発信、台湾のカフェでのプロモーション企画、を経て、弊社でメニュー開発のサポートも行いました。結果として、「煎茶ラテ」が台湾の方にウケまして、台湾のカフェでのお取り引きが実際にスタートしています。その台湾での取引での、サポート(海外に商品を出したことのないメーカーへのサポート)も弊社で行なっています。

そうした【総合的、かつ、多面的なサポートができる会社】という意味で、かなり特異な会社だろうと思っているのと、そこがパートナー企業・行政などからお声掛けをいただく理由の一つなのかな、とも思っています。

“地域事業”と聞くとすごくゆるやかなイメージもあると思うのですが、そこで販路や市場の開拓だったりをガツガツやることまで出来るのが、私たちの特徴なのかな感じています。

 

起業のキッカケは、東日本大地震から。

> 井上さん自身「起業したい」という志向は、いつ頃からお持ちだったのでしょうか?

 

元々、起業を意識していたわけではなかったです。最初のキッカケ(キッカケというより、価値観に変化が起こったのは)東日本大地震でした。

あの時、ひとり暮らしの祖母が仙台にいたのもあり、すごい心配になってしまい、私自身は仕事どころではなかったのですが、当時在籍をしていた広告業界では、あのタイミングをビジネスチャンスと捉える人たちも当然いました。確かに、ビジネスの観点としては、それが正解だし、そういうスタンスが重要なんですけど、その時に(あ、私はそういうタイプじゃないんだな)と気づいたんです。

 

> “そういうタイプ” とは?

 

「今このタイミングで、これをやったらもっと売れるぜ」っていう、ビジネス的な発想だけ持ちきれるタイプではないと言うことですね。あの時は、震災エリアの地域の人たちが本当に心配になっちゃったし、(自分に出来ることはないかな?)とか、そういった想いが強くなっていく過程の中で、「このまま企業にCMをバンバン売りつけよう」とかいう話でもないなって思い始めたんです。

その頃から、既に独立をしていたクリエイターさんの事務所に出入りし、会社員をしながら無給で手伝いを始めました。

 

自分は何の為に会社にいるのか?を考えた時、「お金の為だったら辞めよう」と素直に思えた

> そこから実際に起業をするまでには、どんな経緯があったのでしょうか?

 

最初は、仕事終わりや土日休みを使って手伝っていただけだったのですが、ある時、自分の書いたコンテがクライアントに採用されることになって、いよいよ会社に属しながら続けていくのが難しくなったんです。

その時に(自分は何の為に会社にいるのか?)を考えた時、「お金の為だったら辞めよう」と素直に思えたのが一番の理由です。元々、芸術学部を出ていたり、企画・制作のコースにいたこともあって、アイデアをカタチにするや、自分で何かを創りたいという想いは強かったのですが、新卒で入った会社ではそれが叶うことなく時間が経過していたので、そのタイミングで独立することを決めました。

でも退職届を出す時は、めっちゃ手震えましたけどね(笑)

 

> (笑)それは“不安”とか、そういう感情からですか?

 

いや、もうどっぷり会社に浸かっていたので、そこにいない自分が想像出来なくて・・

ちょっと端折ってしまいましたが、実は倒れているんですよね。会社で(笑)

 

> ええ!

 

少し働き過ぎちゃったんですかね。。救急車で運ばれてしまって。でもその時立ち止まって考えることができる時間が少しでもできたから今があるのだと思いますし、振り返ると全ての経験が必要な経験だったなと思えます。

 

今後について

> 中長期的な展開についてお教え下さい。

 

「誰もがワクワクする、オリジナリティあふれる社会」へ。と会社のビジョンにも書いているんですけど、“クリエイティブ”という言葉を、いわゆる広告の制作物だけを指すのではなく、創造性全般の解釈として捉えていきたいと思っています。パートナー企業に海外も増えてきているので、海外展開や海外の販路やPRなどの仕事にも引き続き力を入れていきたいですし、最近では新たにアート系の事業も取り組みはじめています。

現在やっていること以外にもこれからチャレンジを拡げていくと思うのですが、その根っこの部分には、「皆が個性を認め合える社会の実現」をカタチにしていきたいと思っています。

会社の事業領域も「私たちはここまで」と、敢えて定めていないので新規事業も思いついた度にやっていきたいとも思っていますし、メンバーが実現したいことを会社の新規事業としてやっていっても良いと感じています。直近、オフィスの上のフロアをリニューアルし“子連れに優しい民泊”としてスタートするのですが、そういった事業の枠に囚われないチャレンジも積極的にやっていきます。

なので、これからはもっともっと「仕掛けていきたい!」という気持ちです。

※使っていない空き家を改修したBarbaraPool社のオフィス、近々この2階で新たな民泊も始まる。

 

> 最後に記事内でお伝えしたいPR事項などもあれば教えてください。

 

業務拡大につき、弊社では新しいメンバーを募集しています。「クリエイティブの力で、面白い社会を作りたい」そんな想いを持つプロデューサー/ディレクター候補の方で、プロモーションにまつわる知識を持っている方で広告代理店や制作会社での実務経験がある方歓迎です。

私たちの理念に共感を頂けそうな方がいれば、お気軽にご連絡を頂けたらと思います!

 

> これからも枠に捉われない御社のチャレンジが楽しみです!今日は有難うございました。

 

ありがとうございます。

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