親の介護をキッカケに福祉のサービスを立ち上げ!理学療法士の業務改善を手伝うサービス「はつらつ」abc family(株)南中花子氏【起業インタビュー84回目】|起業サプリジャーナル

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親の介護をキッカケに福祉のサービスを立ち上げ!理学療法士の業務改善を手伝うサービス「はつらつ」abc family(株)南中花子氏【起業インタビュー84回目】

公開日:2018.11.21

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人材不足が嘆かれる一方で、これから多くの人が直面していくであろう問題に、介護や福祉といったテーマがある。これらは現場に直面していないと、中々現場の大変さには気づきにくい。父親の要介護認定をキッカケに福祉の分野で、自分が出来ることは何か?を考え、サービスを立ち上げた起業家がいる。東京都の女性ベンチャーの成長を促すアクセラレータプログラム「 APT Women 」にも採択され、実証実験中のabc family(株)南氏にお話を伺った。

 

プロフィール(エービーシーファミリー株式会社 代表取締役社長 南 中花子)

中央大学卒業後、ITベンチャーにエンジニアとして就職。
その後、海外に赴任。17年1月にabc family 株式会社を設立。

 

 エービーシー ファミリー株式会社について

>事業内容について、お教え下さい。

 

はい。現在は、ソフトウェアの企画・受託開発を行いながら、リハビリの専門家である理学療法士さん向けの業務改善サービス「はつらつ」の企画と開発を行っています。

現在、12月のローンチに向けてサービスブラッシュアップをしています。

 

> 理学療法士向けの業務改善サービス「はつらつ」とは、どんなサービスなのでしょうか?

 

理学療法士を抱える施設の業務改善(効率化)に繋がるソフトウェアとなっておりまして、主に2つの機能を特徴としております。

 

① 疾患名に合わせた、適切なトレーニングを簡単に検索・印刷出来る

これまで都度、パワーポイントやワードを使って作成していたリハビリテーションの自主トレメニューを簡単にサービス上で調べる・作成することが可能となっています。

 

② 申請書類の作成をサービス上で完結

「介護報酬申請資料」といった施設が作成する申請書類があるのですが、こちらをサービス上で作成することで、これまで手書きで作成していた業務に比べて、大幅な業務時間の削減に繋がることが可能となっています。

 

理学療法士という仕事は、実はリハビリ実務に加えて、申請に関わる書類の作成や記録の作成といった、事務作業が多く、それらに多大なる時間を割かれている、といった課題感を持っています。それらを解消することで、理学療法士の仕事自体の効率化に繋がり、ひいては、施設の運営コストの削減に繋がるサービスとなっております。

まだ正式なローンチ前ということもあり、現在は幾つかの施設にサービスをトライアル導入頂きまして、機能の過不足などの検証を行なっている段階です。

 

親が倒れたのをキッカケに介護・福祉の領域での起業を目指す

> 起業される前は、どういった経歴を歩まれていたのでしょうか?

 

ベンチャー企業にエンジニアとして約3年働いた後に、ベトナムで1年働きました。そして、帰国した2017年に現在のabc family(株)を立ち上げて現在に至ります。

 

> 起業されようと思ったタイミングはいつ頃だったのでしょうか?

 

起業を意識したのは、高校生の時でした。父親が脳梗塞で倒れてから、家族を支えられる様な経済基盤を身につける方法として「起業」を意識し、そこから家に置いてあった経営書を読み漁るようになりました。

 

> 意識としては早いですね、、

 

はい。ただ当時は自分自身が何をしたいのかも明確で無かったり、そこまでリスクを取った決断が下せなかったりした為、結果的には大学に行き、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。

 

> そこからこの介護・福祉の分野で起業を考えたのは何故でしょうか?

 

父親の脳梗塞をキッカケに、その領域が自分ごとになったことと、社会人になってからも福祉分野の開発をしたり、土日を使って介護施設へボランティアをするなど、この分野への興味関心の高さを感じていました。その中で、親の介護を直接手伝ったり、それを楽にする仕組みを考えることもそうですが、それに関わっている専門知識を持つ方々の役に立てることはないか?と、会社や事業を通じた大きな枠組みの中で自分が役に立てるを考えたのがきっかけです。

 

> そこから「はつらつ」がスタートした経緯についてもお教え下さい。

 

高校生の時に起業を意識するも、起業するまでにはそこから時間が空いてしまった為、(私は何をやりたいのか?)わからなくなってしまった時も実際はありました。

ただ、やはり興味関心が高いと感じていた「福祉」の分野をブラさずに、まずは自分の原体験や現場の課題を掘り下げることにしました。

最初は、“楽しくリハビリをして欲しい”という想いから、リハビリ領域の動画メディアをやろうとしていたりしたものの、実際に(それでリハビリが上達するのか?)(リハビリに関わる人の負担は減るのか?)(この方法で届くのか?)を考えた時には疑問が残りました。

そこから現場で働く先輩からヒアリングを始めて、多くの理学療法士に「現場で課題に感じていることは何か?」と聞きました。その時に「自主トレ表を改善出来るものが欲しい」「介護報酬の申請に関わる書類の作成を簡単にしたい」といった患者さんに関わる以外の業務に負荷を感じている方が圧倒的に多く、これを解決することが出来れば、もっと現場が楽になるのではないか?と思い、「はつらつ」の事業構想を思いつきました。

その事業案を持って、再度現場にヒアリングを取ったところ「100人いたら、99人の理学療法士は欲しいって言うね」という言葉に背中を押して貰い、本格的なサービスとしてスタートさせることを決意しました。

 

今後について

> 中長期的な展開についてお教え下さい。

 

現在資金調達に向けた動きをしており、年度内には実現出来れば良いと思っているのと、合わせて12月にはサービスをリリースしたいと考えているので、まずは、いくつかの施設に「はつらつ」を導入頂ける様に動いています。

また、海外志向が強く、課題先進国である日本の中で良い事例をつくって、それをこれから課題に直面するであろうアジアを含めた海外への展開なども長期的には考えています。

 

> ありがとうございます!最後に記事内でお伝え出来る告知事項などもあれば教えて下さい。

 

現在「はつらつ」のサービスリリース実証実験をしており、その中で導入をしてくださる施設さまの募集と開発支援金を募るクラウドファンディングをしようと計画しています。是非、オープンした際はご支援のほど、宜しくお願いします!

合わせて、サービスのメニュー開発や現場での知見を活かせる、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)さんも募集しています。興味のある方は、弊社までお問合せ下さい。

 

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